第17回大阪アジアン映画祭は、3月10日から20日までの11日間のスクリーン上映を終え、本日閉幕いたしました。
最終日3月20日は、クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』日本初上映の前に、グランプリ以下各賞の受賞結果を次のとおり発表いたしました。

画像1: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

★グランプリ(最優秀作品賞)
『おひとりさま族(Aloners)』
|韓国|
監督:ホン・ソンウン(HONG Sung-eun)

画像2: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
韓国のみならず、今、世界の多くの場所で、人が一人で生きるということは現代的な題材であると思います。しかし、本作の素晴らしさは、題材の良さにとどまりません。主人公が職場での電話対応をする際の彼女一人をとらえたフレームワークなど、映像によって観客に伝えていく力がすぐれていることに感銘を受けました。
また、人間の生と死の関わりのもと照らし出される孤独と他者とのつながりに、静謐でありながら力強さも感じさせ、グランプリに選出しました。

★来るべき才能賞
飯塚花笑(IIZUKA Kasho)
|日本|
『世界は僕らに気づかない』(Angry Son)監督

飯塚花笑監督

画像3: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
人種差別とジェンダーアイデンティティの両方を描くことは簡単なことではないと思います。しかし、フィリピン人の母親と日本人の父親を持つ主人公が、自身のセクシャリティとアイデンティティの危機に対峙する姿を、飯塚花笑監督は巧みに映し出しました。自らの未来を切り開こうとする彼の旅は、今もなお差別と不正義に分断された世界で生きる我々に、違いを認め合う重要性に気づかせてくれます。GOWさんと堀家一希さんの演技も力強いものでした。これは、飯塚監督が優れた演出力と衝突する物語性を生み出す力に長けていることを証明しています。

★コンペティション部門スペシャル・メンション
『アニタ』(Anita)
|香港|
監督:リョン・ロクマン(Longman LEUNG)

画像4: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
『アニタ』を本映画祭で観られたことは、私たち審査委員にとってだけでなく、また観客の皆さまにとっても大きな思い出となったことでしょう。本作は、コンペティション部門で賞を贈る対象ととらえるには、他の作品と製作予算規模などの点において大きな差異があるため、難しいと感じましたが、今年の大阪アジアン映画祭に本作が存在したという足跡を残したいと願いスペシャル・メンションといたしました。
香港エンターテインメントの輝ける星であった「アニタ」の人生を愛をもって描くと同時に、香港というかけがえのない街の1980年代から今に至る歴史をも感じさせる感動的な作品でした。本作が今後、日本の大きなスクリーンで上映されることを心より祈ります。

★ABCテレビ賞
『はじめて好きになった人』(The First Girl I Loved)
|香港|
監督:キャンディ・ン(Candy NG)、ヨン・チウホイ(YEUNG Chiu Hoi)

画像5: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
青春のみずみずしくも儚き時に、恋愛の輝きを鮮烈に捉えた美しい映像。それを最後までしっかりと見せてくれるエンタメ感。

★薬師真珠賞
バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル(BAYARTSETSEG Bayarjargal)
『セールス・ガール』|モンゴル|(The Sales Girl)主演俳優

画像: バヤルツェツェグ・バヤルジャルガルさん

バヤルツェツェグ・バヤルジャルガルさん

《授賞理由》
常に前向きに未知の世界と接していく学生サルウルの姿を通して、新世代のモンゴル女性像を印象的に演じた。

★JAPAN CUTS Award
『山歌(サンカ)』(Sanka: Nomads of the mountains)
|日本|
監督:笹谷遼平(SASATANI Ryohei)

画像6: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
『山歌(サンカ)』にJAPAN CUTS Awardを授与できることを嬉しく思います。激動の1960年代、開発と発展にさらされた日本の山間地域を舞台にした青春ドラマです。美しい映像と迫真の演技で、戦後の日本社会が抱えた葛藤や混乱を描き、近代化の波に翻弄された遊牧民の苦悩がメランコリックに表現されていました。

★芳泉短編賞
『二度と一緒にさまよわない』(We'll Never Get Lost Together Again)
|トルコ・ロシア・ウクライナ|
監督:ユージーン・コシン(Eugene KOSHIN)

画像7: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
旅先のトルコでの若いウクライナ人男女の偶然の出会いと別れを描く本作は、「二度と一緒にさまよわない」であろう二人の「束の間の時間」を永遠のものとして刻みこむことに成功し、上映時間に限りのある短編作品ならではの魅惑を湛える。 現在の悲惨な情勢を頭から追い払うことは困難だが、それでも本作は、当所もなく異国をさまよう、あらゆる存在の物語であり、そんな普遍的な感動へと誘ってくれるがゆえに特筆に値する。

★芳泉短編賞スペシャル・メンション
阿部純子(ABE Junko)
『バグマティ リバー』|日本・ネパール|(Bagmati River)出演

画像8: 大阪アジアン映画祭閉幕!クロージング作『MISS OSAKA(原題)』上映前に、受賞作発表!グランプリ『おひとりさま族』、来るべき才能賞 飯塚花笑監督、JAPAN CUTS 『山歌』!

《授賞理由》
エベレストで行方不明になる兄を探し続ける妹の役を、極めて過酷な条件下で、完璧に演じられていたことに敬意を示します。

★観客賞
『アニタ』(Anita)|香港|
監督:リョン・ロクマン(Longman LEUNG)

クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』が日本初上映!

クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』(デンマーク・ノルウェー・日本)の日本初上映の前には、プロデューサー、マイケル・ハスランド=クリステンセン氏のビデオメッセージが紹介されました。

画像: クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』が日本初上映!

メッセージ
「監督・脚本のダニエル・デンシックはじめ関係者一同を代表してご挨拶します。『MISS OSAKA(原題)』をこの大阪の地で上映することは 私たちにとって幸せな幕開けです。私たちが過ごした素晴らしい日々の成果を今ここでご覧ください。親愛なる観客の皆さん、ノルウェー、デンマーク、日本の素晴らしき才能の融合にご注目ください。新しい人生を求め大阪のネオン街へおもむくイネスとともに、刺激的な冒険の旅をお楽しみください。」

メッセージの後、クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』日本初上映が行われました。

画像: クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』

クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』

『MISS OSAKA(原題)』は、デンマークの新鋭監督ダニエル・デンシックがノルウェーの大自然と大阪の喧騒を舞台に活写した異色のミステリー。デンマークからビクトリア・カルメン・ソンネ、ミケル・ボー・フォルスゴー、そして日本からは森山未來、阿部純子、南果歩が出演。2022年の劇場公開が予定されています。

マイケル・ハスランド=クリステンセン氏のビデオメッセージ

画像: OAFF 2022『MISS OSAKA(原題) /Miss Osaka』プロデューサーメッセージ Producer's Message youtu.be

OAFF 2022『MISS OSAKA(原題) /Miss Osaka』プロデューサーメッセージ Producer's Message

youtu.be

なお、オンライン上映「大阪アジアン・オンライン座」は
3月21日(月・祝)まで開設しています。
https://www.oaff.jp/2022/ja/stream/index.html

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