代官山のシアターギルド にて、シリーズ企画として開催される著名な映画監督の“原点と現在”を探る企画第2弾として1月22日(土)から27日(木)まで手塚眞監督の長編デビュー作『星くず兄弟の伝説』と、最新作『ばるぼら』+そのデビュー作から30年後に作られた『星くず兄弟の新たな伝説』が特集上映されます。

この度、その手塚監督から、今回の特集上映にあたってコメントが寄せられました。

以下、手塚監督からのコメント

 映画作家の「過去」(デビュー作)と「現在」(最新作)を見せるという特集。
いや、すでに上映された映画はすべて「過去」に違いない。作家の「いま」は、これから作る映画だから。だけれども過去の作品はときとして「いま」以上に本人に語りかけてくる。「君の映画はここにあるよ」と。きっとぼくの映画たちは、本人以上に自分のことがわかっているのだろう。

 デビューの頃、ぼくはまだ24歳で、若くて愚かだった。愚かだったから、『星くず兄弟の伝説』を作ることができた。今となってはそれが誇りだ。歳を経て、もう一度愚かな若造に戻りたいと思った。その気持ちを具現化したのが『星くず兄弟の新たな伝説』だ。しかし愚かさを演ずるのはなかなか難しい。演じない自分の気持ちに自然に従ったら、『ばるぼら』が出来た。若くもなければ愚かでもないが、いまはそれが心地よい。

ぼくの映画はわかりにくいという観客がいらっしゃるが、自分ではごくシンプルだと思っている。
『星くず兄弟の伝説』は「ポップ」というものを映画で表現したかった。
続編『星くず兄弟の新たな伝説』では「ライブ」というキーワードで演出した。
『ばるぼら』は「愛と狂気」。それ以上のなにものでもない。

『星くず兄弟の伝説』と『ばるぼら』

一見真逆のような作品ですが、実はふかい関係にあります。無かったことにしていた不幸なデビュー作から30年経ち、心機一転『ばるぼら』を作ろうとしていたのですがなかなか実現せず、そこへ降って沸いたように続編『星くず兄弟の新たな伝説』を作るハナシになって、『ばるぼら』はお預け。そのとき再上映された『星くず』旧作にハマったプロデューサーのアダム・トレルさんが各国の映画祭に売り込んで、世界のカルト・ムービーにしてしまった。その勢いで『ばるぼら』のプロデューサーも買って出てくれたのは、撮影監督クリストファー・ドイルさんと仕事をしたことがあったから。つまり『星くず』がなかったら『ばるぼら』もなかったかもしれないという不思議な縁なのです。

ー手塚眞

画像: 手塚眞監督の長編デビュー作『星くず兄弟の伝説』と最新作『ばるぼら』が上映!
手塚監督からその過去と現在の深い関係、不思議な縁を解き明かすコメントが到着!

『星くず兄弟の伝説』
■ストーリー
ドジで短気だがお人好しのシンゴと、キザだが優しい二枚目半のカンは、ライバル同士。二人に目をつけスカウトしたのが、音楽界を牛耳る黒幕アトミック南だった。アトミック・プロを訪ねた二人は、歌手志望の少女マリモと出会う。南はシンゴとカンを、二人組のミュージンャン“スターダスト・ブラザーズ”としてデビューさせる。マリモは彼らのファンクラブの会長となった。南の戦略でマスコミは“スターダスト・ブラザーズ”を、あっという間に当世の人気スターに仕立てあげるのだが……。
■監督 手塚眞
■キャスト
久保田しんご(シンゴ) 高木完(カン) 戸川京子(マリモ) ISSAY(虹カオル) 渡辺和博(清瀬) 大村千吉(中角) 三谷昇(曽根) 横山あきお(三福) 尾崎紀世彦(アトミック南)
豪華カメオ出演:サンプラザ中野、タモリ、島田伸介、前田日明、石上三登志、景山民夫、高田文夫、中島らも、戸川純、川崎徹、森本レオ、永島慎二、モンキー・パンチ、高橋葉介、黒沢清 ほか

画像: (C)2016 星くず兄弟プロジェクト

(C)2016 星くず兄弟プロジェクト

『星くず兄弟の新たな伝説』
■ストーリー
かつて“スターダスト・ブラザーズ”として一斉を風靡したカンとシンゴ。東京の下町にあるバーのオヤジとなったシンゴは過去の栄光を夢見、「地球がダメなら月でもう一度スターに‼」との思いで、売れっ子DJとして活躍するカンを誘ってリ・エイジングスタジオで若返り、月へと旅立つ。月世界で彼らを迎えたのは、どうしようもなくダメな芸能プロダクション「アストロ・プロモーション」だった。新・星くず兄弟の初ステージは場末のショーパブで、すっかり意気消沈した二人に酔っぱらいの老人が「スターになりたかったら〈ロックの魂〉を探せ」と声をかけるのだが……。
■監督 手塚 眞
■キャスト
三浦涼介、武田航平、荒川ちか、ISSAY、高木完、久保田慎吾、谷村奈南、田野アサミ、藤谷慶太朗、野宮真貴、ラサール石井、板野友美、浅野忠信、夏木マリ、井上順、 内田裕也、
豪華カメオ出演:リリー・フランキー、綾小路翔、高田文雄、庵野秀明、犬童一心、黒沢清、林海象、浦沢直樹、石井岳龍、サンプラザ中野くん ほか

画像: (C)2019『ばるぼら』製作委員会

(C)2019『ばるぼら』製作委員会

『ばるぼら』
手塚治虫が70年代に発表した大人向けマンガ『ばるぼら』は、禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した問題作です。カルトなマンガの代名詞として世界中に広くファンがいます。
映像化不可能ともいわれた本作品を、手塚治虫生誕90周年を記念して初映像化いたしました。
監督 手塚 眞
キャスト 稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河、美波、渡辺えり

会期中連日登壇のトークショーを開催!

22日は『星くず兄弟の伝説』上映後に高木完さんによるトーク。
22日『星くず兄弟の新たな伝説』上映後は、ISSAYさんがトーク。
以降
23日 椿かおりさん
24日 額賀一さん
25日 荒川ちかさん
のトークショーが決定しております。

1/22(土)は、登壇予定の手塚眞監督が諸事情により欠席する事となりました。
楽しみにお待ちいただいたお客様に心よりお詫び申し上げます。
また、23日は、開場時間を16時と早め、シアターギルド の館内に配置された世界の名だたる建築家、デザイナーの椅子を楽しみながら、カフェとして、またシアターギルド 特別バーテンダーによる創作カクテル「ばるぼら」などカクテルをお楽しみいただけます。
この時間は、映画をご覧にならない方もご自由に飲食での入場ができます。

1月22日(土)〜1月27日(木)代官山シアターギルド で開催

https://theaterguild.co/movie/

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