巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』(71)で主人公を破滅に導く少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』が、12月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開となります。

画像1: © Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021 

“世界で一番美しい少年”として当時一大センセーションを巻き起こしたのは、巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』(71)のタジオ役に抜擢された当時15歳のビョルン・アンドレセン。
観る者の目を釘付けにする圧倒的な存在感で同作を強く牽引したアンドレセンは、日本でもCM出演などの芸能活動も行い、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。そして50年後、日本でも大ヒットしたアリ・アスター監督作『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、話題となる。

画像2: © Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021 

本作は、豊富なアーカイブ映像により今明かされる『ベニスに死す』の裏側、 “世界で一番美しい少年”と呼ばれその後の人生を運命づけられてしまったひとりの人間の栄光と破滅、そして心の再生への道のりを映しだした衝撃のドキュメンタリー。

画像3: © Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021 

12月16日(木)、本作の公開を記念してヒューマントラストシネマ渋谷において先行有料試写会を実施し、歌手・役者・タレントとして活躍する池畑慎之介さんをゲストに迎え、トークイベントを行いました
ビョルン・アンドレセンがルキノ・ヴィスコンティに見出され『ベニスに死す』に出演したその2年前の1969年、松本俊夫監督にやはりスカウトされ、『薔薇の葬列』で華麗なデビューを飾った池畑さん。同時期となる1970年代に日本カルチャーに大きな影響を与えたこと、そして現在まで長い間芸能界で活躍する秘訣についてなどたっぷりお話を伺いました。

つきましては、以下、詳細レポートとなります。

映画を観た感想として、「『ベニスに死す』から50年経った時代の移り変わりを考えさせる、少しショッキングなところもあるドキュメンタリーでした。時の過ごし方をどう考えればいいのかということも考えさせられます」と明かす。

池畑といえば、16歳の頃にピーター名義でアヴァンギャルドなATG映画『薔薇の葬列』(1969)に出演し、芸能デビューを飾ったことで知られるが、自身のデビューについて、「ビョルンより少しだけデビューが早かったけど、”世界で二番目に美しい少年”でした(笑)」とジョークまじりに振り返る。
『ベニスに死す』をこれまで2度観ているという池畑は、「ビョルンのプロモーションビデオのようでもありますよね」と語る。その上で、劇中のアンドレセンについて「彫の深さと肌の透き通るような綺麗さ!」と、その姿に言及。その上で、自身のデビュー時のブロマイド写真がステージに飾られると「もういいよ!なんでこんな色黒に生まれたのか…」と自虐で笑わせた。

1969年にヒットした楽曲『夜と朝のあいだに』のブレイク時を振り返り「連日連夜全国に連れまわされて仕事をしていた時代。記憶が点々としかない。1日7本くらい仕事をして、大人たちの食い物にされていることだけはわかっていた。17、18歳で億は稼いでいたのに、4年くらい月給10万円で、周りの大人たちががっぽがっぽ。だから、事務所を退所する時は全部帳簿持って出たんで(笑) 搾取されてたんですよね…」と昭和のショービズ界ならではのハチャメチャぶりを回想した。

市川崑監督の『獄門島』(1977)、『病院坂の首縊りの家』(1979)や、黒澤明監督の『乱』(1985)にも出演。黒澤監督から『乱』への出演オファーを受けた時のエピソードとして、「今はお金はないけど、いつか資金がたまったら『乱』という映画を撮りたいんだ、と言われたんです」と、すでに池畑自身を当て書きして作られた絵コンテを見せられたという。「すでに私の顔になってたんです。それがすごく嬉しくて…」と感慨深そうに振り返る。オファーから実際に撮影をした時は5年以上経っていたという。

今年で芸能生活53年になる。長い活躍ぶりの秘訣については「健康で病気をしないこと。8時間はベッドの中で体を横にする」と明かし「楽しいお仕事をさせてもらえるのも健康の秘訣。周りから『ゆっくりしたら』と言われるけれど、ゆっくりしてしまうとそのまま逝ってしまいそう。ジッとしない症候群の方がいい」と生涯現役宣言。
そのために『死ぬまでにしたい100のこと』をノートに書き溜めているという。「些細な事でもいい。書いてみて、それをやったら消す。書いたものを見るとそれをやりたくなる。ずっと書き溜めるからゼロになることがない。それがあると後ろを向かない。明日何をやろうか、明後日何をやろうかとスケジュールを自分でマネジメントできる」とお勧めし「自分の人生をまたもう一度やり直したいと思って死にたい。だからこそ辛いことも乗り越えて喜びに変えたい」とポジティブマインドの必要性を説いていた。

画像: 「薔薇の葬列」で銀幕デビューした「世界で二番目に美しい少年」こと池畑慎之介が語った黒澤明監督とのエピソードとは!? 映画『世界で一番美しい少年』トークイベント開催

最後に映画の見どころとして、「私も来年70歳。見ていてドキッとする場面をあったけれど、人生においての時の流れを感じた。残された時間をどう過ごせば素敵になるのか考えさせられました。ビョルン・アンドレセンの人生が出てくるドキュメンタリーだけれど、生きるとはこういうことなんだ……と思わされる作品です」とメッセージを送った。

『世界で一番美しい少年』予告

画像: 『世界で一番美しい少年』12/17公開 いま明かされる、ひとりの少年の栄光と破滅…。【映画公式】 youtu.be

『世界で一番美しい少年』12/17公開 いま明かされる、ひとりの少年の栄光と破滅…。【映画公式】

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STORY
“世界で一番美しい少年”と称賛され、一大センセーションを巻き起こした少年がいた。巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』(71)に出演したビョルン・アンドレセン。来日時には詰めかけたファン達の熱狂で迎えられ、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。だが彼の瞳には、憂いと怖れ、生い立ちの秘密が隠されていた…。そして50年後。伝説のアイコンは、『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、話題となる。彼の人生に何があったのか。今、ビョルンは、熱狂の“あの頃”に訪れた東京、パリ、ベニスへ向かう。それは、ノスタルジックにして残酷な、自らの栄光と破滅の軌跡をたどる旅――。

監督:クリスティーナ・リンドストロム&クリスティアン・ペトリ

出演:ビョルン・アンドレセン 『ベニスに死す』(71) 『ミッドサマー』(20)

製作国:スウェーデン/英語・スウェーデン語・仏語・日本語・伊後/2021/シネスコ/5.1chデジタル/98分/字幕翻訳:松浦美奈/映倫G
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021 

公式Twitter:@1217beautiful_b

12月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他全国順次公開

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