東京国際映画祭「アジアの未来」部門にてアジアの10作品に選出された『誰かの花』(奥田裕介 監督)のワールドプレミア上映が2021年10月31日(日)有楽町角川シネマで開催された。

画像1: 奥田裕介 監督『誰かの花』東京国際映画祭「アジアの未来」部門にてワールドプレミア!前作から四年かかった監督の想いを語る!

ワールドプレミアは一般席完売、多くのマスコミと満員のお客様の熱気で本作に対する期待が強く感じられた。

画像2: 奥田裕介 監督『誰かの花』東京国際映画祭「アジアの未来」部門にてワールドプレミア!前作から四年かかった監督の想いを語る!

本編上映前の舞台挨拶には、奥田裕介監督、カトウシンスケ、和田光沙、篠原篤が登壇し、会場を沸かせた。上映後のQ&Aも行なわれ、奥田監督へ多くの質問が寄せられた。

画像3: 奥田裕介 監督『誰かの花』東京国際映画祭「アジアの未来」部門にてワールドプレミア!前作から四年かかった監督の想いを語る!

以下、奥田裕介監督Q&Aより抜粋

前作から四年かかった監督の想いを込めた作品

長編一作目『世界を変えなかった不確かな罪』の編集中に身内を交通事故で亡くしました。それから脚本が一行も書けなくなりました。
自分の中で身内の死に向き合わないと自分の想いが昇華できないな、ということを強く感じ向き合うことを決意し作品に向き合いました。

自分たちはある側面から見ると交通事故で亡くした被害者家族なのですが、いつ加害者になってしまうかということを考えると怖くて車を運転することも考えてしまうようになりました。
被害者の家族が加害者の立場になったときにどう考えるか、ということを年頭に置きながら構想を練りました。

ジャック&ベティ30周年企画として自由に創作できた

この作品は横浜のシネマ、ジャック&ベティの30周年企画作品として監督させていただきました。
ジャック&ベティさんもプロデューサーも、自分のパーソナルな作品ということをすごく理解を示していただき、自分の脚本を大切に自由に作品創りに向き合わさせていただきました。

画像: ジャック&ベティ30周年企画として自由に創作できた

目線を大切にした作品

みるものとみられるものをすごく意識をしました。
登場人物の視線ももちろん、観客の視線を意識しながら画を創っていきました。
これは物語の終盤でもカメラ視線を子役にあわせて逆にしてみたりなど、そんなところも感じていただけると嬉しいです。

天才的な子役・太田琉星

子役の太田琉星は、唯一のオーディションをした俳優さんです。
オーディションの時にものすごく回りに気を遣う視野の広さがあったことが印象的でした。
また、ある感情を「言葉を使って表現する」「言葉を使わないで表現する」の二通りをしてもらったんですが、彼だけが全く逆の表現で感情を表現したんですね。
例えば「好き」を表現してみて、って言うと「大好き」とかそういう言葉を使うのが普通だと思うんですけど、彼は「いや、好きじゃないし・・・」と別の言葉で「好き」を表現したんですね。
その面白さは現場でも出ていて素晴らしい役者さんだと思います。

役者の演技を信じた演出手法

音楽はあえて抑えました。
当初はもっと音楽が入るだろう、と想像をしていました。
エモーショナルに音楽をつけて盛り上げる方法もあったとは思うのですが、役者さんが現場で自分の想像を超える演技をしていただいたのでそこに音楽で感情を盛り上げる必要はないな、と。役者さんの演技の力を信じました。

画像: 役者の演技を信じた演出手法

『誰かの花』予告編

画像: 『誰かの花』予告編 www.youtube.com

『誰かの花』予告編

www.youtube.com

[STORY]
鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振 り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄 と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけであった。 強風吹き荒れるある日、事故が起こる。団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつ ける騒動となったのだ。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。だ がベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が...。一転して父への疑いを募らせていく孝秋。 「誰かの花」をめぐり繰り広げられる偽りと真実の数々。それらが亡き兄の記憶と交差した時、孝秋が見つけたひとつ の〈答え〉とは。

カトウシンスケ 吉行和子 高橋長英 和田光沙 村上穂乃佳 篠原篤 太田琉星
大石吾朗 テイ龍進 渡辺梓 加藤満 寉岡萌希 富岡英里子 堀春菜 笠松七海

脚本・監督:奥田裕介
撮影 野口高遠
照明:高橋清隆|録音:高島良太|衣装:大友良介
ヘアメイク:ayadonald 大久保里奈
制作:佐直輝尚 助監督:松村慎也 小林尚希 高野悟志
音楽:伴正人
整音:東遼太郎
エクゼクティブプロデューサー:大石暢 加藤敦史 村岡高幸 梶原俊幸
プロデューサー:飯塚冬酒
製作:横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会
宣伝・配給:GACHINKO Film
2021年|日本|115分|5.1ch|アメリカンビスタ
©︎ 横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会

2021年12月18日(土)~12月24日(金)横浜ジャック&ベティ先行上映
2022年1月29日(土)~ジャック&ベティ、ユーロスペースなど劇場公開

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