197年の歴史を誇る<ロンドン・ナショナル・ギャラリー>で起きた、
フランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件。
それは、名もなきタクシー運転手の人生を懸けた大勝負だった。
イギリス中を巻き込んだ、笑いと涙溢れる、感動の実話!
世界中から年間600万人以上が来訪・13世紀後半から20世紀初頭までの間の2300点以上の貴重なコレクションを揃え「英国の至宝」と称えられる美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、そこでスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件が起こった。
この美術館の長い歴史の中で唯一にして最大の事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。彼はゴヤの絵画を“人質”に取り、イギリス政府に対して身代金を要求。TVが唯一の娯楽だった時代、その身代金を寄付してイギリスの公共放送であるBBCの受信料を無料にすることで、孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動を起こした。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。約50年後に明かされる、イギリス中を巻き込んだ“優しい嘘”とはー?!
主人公ケンプトンを演じたのは『アイリス』(01)でアカデミー賞助演男優賞を受賞、『ハリー・ポッター』シリーズや、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)、『パディントン』シリーズなど数多くの作品に出演するイギリスを代表する名優ジム・ブロードベント。「ジムの演技は愛情たっぷりで、彼が演じた主人公を愛さずにはいられない」と監督が語る通り、ユーモアとウィットに溢れる演技を披露している。
さらに妻役には、『クィーン』(06)でアカデミー賞やゴールデングローブ賞はじめ数々の賞で主演女優賞を受賞、近年も『黄金のアデーレ 名画の帰還』(15)や『ワイルド・スピード』シリーズなどジャンルを問わず幅広い作品に出演し、圧倒的な存在感を放つ女優ヘレン・ミレン。長年連れ添った夫婦のドラマに重厚感を持たせている。
さらに、『ダンケルク』(17)の好演が記憶に新しいフィオン・ホワイトヘッドが息子役を演じ、そのフレッシュな魅力も見逃せない。
監督は『ノッティングヒルの恋人』(99)のロジャー・ミッシェル。今後の待機作に、エリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』(22)が控えていたが、今年の9月に65歳の若さで惜しまれながらも逝去し、本作が長編遺作となった。
『恋とニュースのつくり方』(11)、『私が愛した大統領』(13)、『ウィークエンドはパリで』(14)などに通ずるテンポの良いウェルメイドな作風は本作でも健在で、多くの映画ファン・監督ファンを喜ばすことだろう。人と人との温かな触れ合いを描き、観る者すべての心を爽やかな気持ちに包み込む、感動作が誕生した。
監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、
アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティシュ・カウンシル
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/
原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
公式Twitter:@goya_movie