東京都現代美術館にて開催中の企画展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」はいよいよ10月17日(日)までとなりました。

1960年代から常に第一線で活躍し、日本だけでなく世界を魅了し続けてきたアート界のレジェンド、横尾忠則。横尾自らが総監修した本展は14章で構成されており、その60年以上にわたる創造活動の全貌を目の当たりに出来る集大成の展覧会が実現しています。

横尾は1980年夏にニューヨーク近代美術館で大規模なピカソ展を見たのを機に活動領域をグラフィック・デザインから絵画へと軸足を移しました。1階の導入部は「神話の森へ」と題して、いわゆる「画家宣言」後の1980年代に制作した作品が並びます。

画像: 「神話の森へ」の会場風景より photo©️saitomoichi

「神話の森へ」の会場風景より
photo©️saitomoichi

画像: 「神話の森へ」の会場風景より:左:《ロンドンの四日間》 1982年 大原美術館、右:《ディナーパーティの話題》 1982年 国立国際美術館 photo©️saitomoichi

「神話の森へ」の会場風景より:左:《ロンドンの四日間》 1982年 大原美術館、右:《ディナーパーティの話題》 1982年 国立国際美術館
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画像: 「神話の森へ」の会場風景より:左:《男の死》 1985年 横尾忠則現代美術館、中:《滝壺》 1985=87年 セゾン現代美術館、右:《Kusanagi No Tsurugi》 1985年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託) photo©️saitomoichi

「神話の森へ」の会場風景より:左:《男の死》 1985年 横尾忠則現代美術館、中:《滝壺》 1985=87年 セゾン現代美術館、右:《Kusanagi No Tsurugi》 1985年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
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展覧会のみどころが三つ挙げられています。

1. 横尾芸術の全貌を見渡せる最大規模の展示

いわゆる「画家宣言」から40年。アーティスト・横尾忠則は、めまぐるしくスタイルの変遷を重ねながら、森羅万象あらゆるものをモティーフとして、おびただしい数の作品を生み出してきました。「GENKYO 横尾忠則」東京展では、愛知展をさらにパワーアップ。絵画を中心に、初期グラフィック作品を加えた600点以上の出品作品により、横尾芸術の全貌に触れることができる、最大規模の展覧会です。

2. 横尾忠則自らが監修して構成した展覧会

「作品による自伝」をテーマに企画された「GENKYO 横尾忠則」愛知展を、作家自身がリミックス! 
横尾忠則の総監修のもとに、出品作品を半分以上入れ替え、構成を根本から見直して、全く新しい展覧会として生まれ変わりました。新しい観点から語られた横尾芸術の真実を体感できる、画期的な展覧会です。

3. 2020年〜21年の新作を初公開

全世界がコロナ禍に見舞われるという未曾有の状況の中、横尾は、外出も来客も制限しながら、日々アトリエにこもって絵画制作に没頭してきました。昨年から今年にかけて制作された、この新作は、大作ばかり30点以上に及びます。横尾芸術のなかで、最大級の問題作とも言えるこの新作の数々を、東京展では初公開いたします。

画像: 「越境するグラフィック」の会場風景より photo©️saitomoichi

「越境するグラフィック」の会場風景より
photo©️saitomoichi

画像: 「Y字路にて」の会場風景より:左:《宮崎の夜 III》 2004年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)、中:《暗夜光路 床と薔薇》 2001年 作家蔵、右:《松島の夜》 2003年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託) photo©️saitomoichi

「Y字路にて」の会場風景より:左:《宮崎の夜 III》 2004年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)、中:《暗夜光路 床と薔薇》 2001年 作家蔵、右:《松島の夜》 2003年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
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画像: 「タマへのレクイエム」の会場風景より photo©️saitomoichi

「タマへのレクイエム」の会場風景より
photo©️saitomoichi

本展で唯一の空間作品が《滝のインスタレーション》。

横尾が滝の絵を描くために収集した絵はがきのコレクションは13,000枚余りとなり、大量の絵葉書に一種の神秘的な力を感じ、「供養」としてこのインスタレーションが制作されました。床が鏡面になっており、天井・壁面を覆い尽くす滝の絵はがきが映り込んでダイナミックな空間を体感できます。

画像: 《滝のインスタレーション》の会場風景 photo©️saitomoichi

《滝のインスタレーション》の会場風景
photo©️saitomoichi

画像: 「横尾によって裸にされたデュシャン、さえも」の会場風景より photo©️saitomoichi

「横尾によって裸にされたデュシャン、さえも」の会場風景より
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コロナ禍前後に描いた近作・新作を集めたのが3階最後の展示室「原郷の森」。

最新の連作のテーマである「寒山捨得」などが抽象性と具象性の統合された自由な筆致で表現されています。

画像: 「原郷の森」の会場風景より photo©️saitomoichi

「原郷の森」の会場風景より
photo©️saitomoichi

コロナと向き合う《WITH CORONA》シリーズコーナー(撮影可能エリア)

2020年5月から横尾は自分の作品や写真を素材に、マスクをコラージュした「WITH CORONA」シリーズをツイッターとブログで発信し始めました。コロナ禍でのネガティブイメージをポジティブイメージに変換する試みは、約700点に達しています。

画像: 《WITH CORONA(WITHOUT CORONA)》シリーズコーナーの会場風景より photo©️saitomoichi

《WITH CORONA(WITHOUT CORONA)》シリーズコーナーの会場風景より
photo©️saitomoichi

今年85歳になる横尾忠則の600点以上にのぼる作品量の凄まじさに圧倒されます。そして、その一点一点から凄まじい熱量が感じられます。
横尾本人のツイートによると「最後の部屋の近作が一番人気があるので、時間配分をしながら見て下さい。最終部屋へたどりつくまで時間がかかり過ぎないように。」とのこと。
是非、10月17日までに時間をたっぷりとって横尾ワールドを堪能しに行きましょう。

展覧会概要

企画展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」
会期:開催中〜10月17日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1・3階
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
休館日:月曜日
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般 2,000円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,300円、中高生 800円、小学生以下 無料
※金額はいずれも税込
※事前に予約優先チケット(日時指定)の購入が可能(美術館内チケットカウンターでも当日券を販売)
※販売開始時期などの詳細は、後日ウェブサイトにて告知
※開催内容は都合により変更となる場合あり

■巡回情報
・大分県立美術館
会期:2021年12月4日(土)〜2022年1月23日(日)
住所:大分県大分市寿町2-1
・愛知県美術館〈終了〉
会期:2021年1月15日(金)〜4月11日(日)
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター 10階

■同時開催
・企画展「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨
会期:開催中〜10月17日(日)
会場:企画展示室 地下2F
・コレクション展「MOTコレクション Journals 日々、記す/特別展示:マーク・マンダース 保管と展示
会期:開催中〜10月17日(日)
会場:コレクション展示室 1F・3F

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル / 9:00〜20:00 年中無休)

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