第14回大阪アジアン映画祭 JAPAN CUTS Award受賞-映画『WHOLE』主演のサンディー海　オフィシャルインタビュー到着！

日本のメディアで活躍するポジティブな印象のハーフタレントとは裏腹に、「ハーフ」という言 葉をネガティブな意味で受け止め、自らのアイデンティティーに戸惑い、苦しむ若者も存在する。

日本生まれ、日本育ちで日本のパスポートしか持っていない、監督の川添ビイラルと脚本・主演の川添ウスマン兄弟は、日頃からハーフの偏ったイメージに違和感を感じていて、タレントでもない、日本で普通に暮らしているハーフを主人公にした映画を作ることを決意。知り合いの紹介で、同じく日本生まれ、日本育ちのサンディー海に出会い、春樹役に抜擢した。

純粋な目線で、どこにでも居るハーフの日々の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に 対する複雑な気持ちを誠実に描いた。多様性を目指す現在の日本社会に語りかける本作は、第 14 回大阪アジアン映画祭で JAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを受賞し、北米最大の日本映画祭であるニューヨークのJAPAN CUTS及びソウル国際映画祭に正式出品された。

この度、10 月 15 日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにて英語字幕付きで上映されることが決定している本作主演の、サンディー海のオフィシャルインタビューが届いた。

Q. 海さんはどことのハーフなんですか? 日本とアメリカです。

日本とアメリカです。

Q.監督と脚本の川添兄弟は、日頃からハーフの偏ったイメージに違和感を感じていて、タレントでもない、日本で普通に暮らしているハーフを主人公にした映画を作ることを決意されたとのことですが、海さんもハーフの偏ったイメージに違和感を感じていましたか?

自分は名古屋のインターナショナルスクールに通い、小さいコミュニティにいたので、コミュニティの中ではそんなに感じていなかったんですけれど、日本に住むにあたって、自分は何なんだろう、どこから来たんだろう、何で違う見た目で日本語がしゃべれて、日本人だけど日本人じゃないんだろう、という違和感は子供の頃あったかもしれません。僕自身は、小さいコミュニティに住んでいたこともあり、あまりネガテイブな経験はしたことがないですが、東京の業界人からの方が「ハンバーガー好きなの?」「ホットドッグ好きなの?」と聞かれたりと、偏見を感じます。

Q.冒頭電車で他の日本人からジロジロ見られるシーンから始まりますが、海さんも普段ジロジロ 見られているという実感がありますか?

昔の方がありました。自意識過剰になったりだとか、春樹のように人の目を気にするというところもあったと思います。他の人のことはわからないですけれど、自分の経験だと、ジロジロ見られることは減ってきました。

Q.初めて本作の脚本を読んだ時の感想はいかがでしたか?

観たことのない、読んだことのないような、ハーフ/マルチカルチャーのアイデンティティについての脚本だったので、新しいと思って、すごくワクワクしました。

Q.監督とは撮影前にどのような話をしましたか?

撮影前に神戸に行った時に、ビイラル監督とスターバックスで何時間も自分たちの経験だったり、 自分の近しい人たちの経験を話して、どうやって繊細に春樹を描けるかというのをしっかり話しました。春樹は自意識過剰だったり、他の人の目線をすごく気にしますが、でも自分の意志を持っていて、何を思われてもいいと自分の見た目をあまり気にしないキャラクターなのかなと思い ました。

Q.春樹の「この社会はおかしいよ。日本人は日本人。外人は外人。勝手にラベルを貼って。」と いうセリフにメッセージ性を感じましたが、どういう想いで演じましたか?

春樹としては、言っている裏には、幼稚園でいじめられたこととか、自分が日本であまり居場所 がないという強い気持ちがあって言っているセリフだと思うんですけれど、「日本人と外人、見た目が違うだけではなくて、見た目が違わなくても、一人一人人間違うんだよ」という想いも込めて演じました。

Q.完成した作品を観た感想はいかがでしたか?

元々すごく素敵な台本だったんですが、完成した作品を観たら、映像もすごく綺麗で、神戸も美しく描いていますし、二人の関係が少しずつ変わっていく描写がアーティスティックに素敵に描かれていると思いました。

Q.本作の見どころはどこだと思いますか?

誠と春樹の成長する姿が、大きい変化ではないんですけれど、細かく繊細に描かれているので、 ぜひ見ていただきたいです。

Q. 読者へのメッセージをお願いします。

川添兄弟はデリケートで繊細な映画作りをされます。繊細で面白くて、共感できる本作をぜひ見てください。

映画『WHOLE』 予告編

【STORY】
ハーフの大学生、春樹(サンディー 海)は親に相談せずに通っていた海外の大学を辞め、自分 の居場所を見つける為、彼の生まれ故郷である日本に帰国する。 春樹は日本に着くやいなや周囲から違うものを見るような目に晒され、長年会っていなかった両 親にも理解してもらえない。 ある日、春樹は団地に母親と二人で暮らす建設作業員のハーフの青年・誠(川添 ウスマン)に 出会う。「ハーフ」と呼ばれることを嫌い、「ダブル」と訂正する春樹と違って、誠はうまくやっ ているようにも見えるが、実は国籍も知らず会ったこともない父親と向き合うことができない葛 藤を抱えていた。 様々な出来事を通して彼らは「HALF/半分」から「WHOLE/全部」になる旅を始める。

サンディー 海 川添 ウスマン 伊吹 葵 菊池明明 尾崎紅 中山佳祐 松田顕生

監督・編集:川添 ビイラル
脚本:川添 ウスマン
プロデュース:川添 ウスマン/川添 ビイラル
アソシエイトプロデュース: JRT/中村 礼/YURAPOi ゆらぽぃ 撮影・照明:武井 俊幸 録音:松野 泉

助監督・美術:藤原 達昭/青木 ありさ 制作担当:井辻 悠輔

メイク・衣装:稗田 梓 撮影助手:石田 葉子 監督助手:前田 育穂 ケータリング:西岡 優一郎 スチール:ガブリエラ リエ ヨシモト クルーズ 主題歌:「Wouldn't It Be Great」rei brown
配給宣伝:アルミード

2019年/日本/カラー/44分/16:9/Stereo
©078
Twitter:@WHOLE_Film21
Facebook: @filmwhole
Instagram: @078firm

10 月 15 日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開！