ホラー映画の人気レーベル【ホラー秘宝】。そのセレクションの質はホラーファンや映画ファンから一目を置かれる存在。2014年にホラー映画未開の地・キネカ大森にてスタートした映画祭「ホラー秘宝まつり」は多くのホラーファンから【観客参加型のホラー映画祭】として支持され、毎年動員が増え続けている。そして、今年で8年目の夏を迎えるホラー映画祭のシーズンがやってきた! 2021年夏、8回目を迎える『夏のホラー秘宝まつり 2021』が開催される。
今年のラインナップの中核を担う旧作ホラー【34作品】を一挙解禁!
上映全8作品だった昨年から【4倍超】にパワーアップ、おびただしい数の傑作がこの夏スクリーンに押し寄せる!(※新作は後日解禁) 例年開催のキネカ大森(東京)、シネマスコーレ(名古屋)、シアターセブン(大阪)はもちろん、東京はアップリンク吉祥寺との2館同時開催! さらに、アップリンク京都での上映も決まり、映画祭史上初となる【4都市同時開催】!!
「夏のホラー秘宝まつり2021」今年も開催! 地獄へと誘う…衝撃のポスタービジュアル、解禁!!
本映画祭にて日本初上映を果たし4Kレストア版で上映される『ビヨンド』の場面写真をベースに、美女の怪しく澱んだ瞳がクローズアップされ、見る者を否応なしに地獄へと惹きつける、衝撃のポスタービジュアルが遂に完成! イタリアン・ホラーの名監督、ルチオ・フルチとマリオ・バーヴァの特集上映や、20年ぶりのリバイバル上映となるミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム』など、今年の目玉となるラインナップも露わに! 当ビジュアルを使用した映画祭チラシは、6月上旬より各映画館にて配布開始。
イタリアン・ホラー巨匠監督を特集上映! 物議を醸した逸品のリバイバル&日本初上映作も!
今年も選りすぐりのラインナップを一挙上映! イタリアン・ホラー、さらにはジャッロ映画の名手としても知られるルチオ・フルチの監督作『ビヨンド』、『地獄の門』、『墓地裏の家』を4Kレストア版で上映、日本初上映を含む13本を揃え、総力特集。また、昨年大好評を博したマリオ・バーヴァ監督の特集上映を、新たにセレクトした9本で再びフォーカス。さらに20年ぶりのリバイバル上映となるミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム』など、問題作として知られるエッジの効いたタイトルが目白押し!
イタリア恐怖映画界のレジェンド、ルチオ・フルチの傑作13選を特集上映!
強烈な人体破壊描写と全編に流れる耳障りなノイズ…“マスター・オブ・ゴア”と称され、ジョージ・A・ロメロと双肩を成すゾンビ映画監督のルチオ・フルチ。日本初紹介作品を含む彼の名作・傑作選(13本)を上映!
ルチオ・フルチとは
『サンゲリア』、『地獄の門』、『ビヨンド』の血みどろ3部作で、ホラー映画界のアイコンとなった、イタリア・残酷ホラー映画の帝王。1927年6月17日生まれ。国立映画実験センターを卒業後、ライター、脚本家を経て監督業に転身。『真昼の用心棒』(66)でマカロニウェスタン、『女の秘めごと』(69)でジャッロを監督。その後、『幻想殺人』(71)、『マッキラー』(72)など権力を持った階層、集団への批判を込めた風刺的作品を撮り続ける。その後、世界的大ヒットとなったジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』に便乗して続編を名乗って作られた『サンゲリア』(79)が世界的大ヒットを記録する。その後、『地獄の門』(80)、『ビヨンド』(81)、『墓地裏の家』(81)など残酷描写に特化したホラー映画の傑作を連発して残酷ホラー映画の巨匠としてのポジションを得る。元々糖尿病に悩まされていたフルチだが、『ルチオ・フルチのマーダロック』(85)撮影後、肝硬変という大病を患い、それ以降高額な医療費を支払うため、どんな仕事でも受けるようになる。また、80年代後半になるとイタリアのホラー映画ビジネスが崩壊し低予算ホラーの仕事しかなくなり低予算ホラー作品の連発を余儀なくされる。日本では、この時期の作品の多くが「ルチオ・フルチの~」というタイトルでビデオ発売された。『怒霊界エニグマ』(87)『ルチオ・フルチの新デモンズ』(90)などの多くの低予算ホラー作品を撮った後、主役のホラー映画監督役を自ら演じた『ナイトメア・コンサート』(90)が話題になる。遺作は『ヘルクラッシュ!/地獄の霊柩車』(91)。1996年死去。死因は糖尿病の注射を打ち忘れたためと言われるが、自殺とみる説もある。
古びたホテルの地下に隠されていた冥界と現世を繋ぐ扉をめぐり、無気味で凄惨な事件が巻き起こるスプラッターホラー。ルチオ・フルチが得意とする“地獄門の決壊”テーマの一本。ルイジアナにある屋敷を相続したライザは建物の修繕に取りかかるが、現場では凄惨な事故や奇妙な出来事が続発。怯えるライザに対して盲目の美女エミリーは屋敷を手放すよう警告する。かつてこの屋敷で地獄の門を開けようとした画家が住民たちのリンチを受けており、その画家が怨念となり再び現れ…。
監督:ルチオ・フルチ
出演:カトリオーナ・マッコール、デヴィッド・ウォーベック、サラ・ケラー、ヴェロニカ・ラザール
1981年/イタリア/87分
神父の自殺という背徳行為により、地獄の門が開いた町で繰り広げられる凄惨な光景を描くゾンビホラー。ニューヨークで降霊会に参加していた霊能者のメアリーは、ダンウィッチの墓地で自殺する神父・トーマスの姿を霊視する。その神父の目的とは、冒涜行為により地獄の門を開くことだった。ショック死し葬られたメアリーは棺の中で蘇生する。新聞記者のピーターに救出されたメアリーは地獄の門を閉じるべくダンウィッチへ赴くが、そこは既に死霊の町と化していた…。
監督:ルチオ・フルチ
出演:クリストファー・ジョージ、カトリオーナ・マッコール、カルロ・デ・メイヨ
1980年/イタリア/92分
『サンゲリア』など血まみれ3部作に並ぶルチオ・フルチの残酷ホラーの代表作。ニューイングランドの古い一軒家に引っ越してきた歴史学者ノーマンとその家族。周囲を荒れ果てた墓地に囲まれ異様な邪気を放つその屋敷は、かつてフロストステイン博士が屋敷を訪れたものを次々と手にかけ人体実験を行っていた場所だった。屋敷に秘められたおぞましい真実が明らかとなり、惨殺事件が連続して巻き起こる。残酷シーンのオンパレードの名作ホラー。
監督:ルチオ・フルチ
出演:カトリオーナ・マッコール、パオロ・マルコ、アニア・ピエローニ、ジョヴァンニ・フレッツァ
1981年/イタリア/89分
ホラーの巨匠、ルチオ・フルチの1969年作のサイケデリックなスリラー。無節操な医者の妻が殺害された。妻には喘息の持病があり、保険金詐欺を目的に医者が彼女を殺めたのではないかという嫌疑がかかる。しかし彼女には高級娼婦として働く生霊が乗り移り、ストリッパーとして日々を謳歌していたことがわかり…。
監督:ルチオ・フルチ
出演:ジャン・ソレル、マリーザ・メル、エルザ・マルティネッリ、アルベルト・デ・メンドーサ
1969年/イタリア=フランス=スペイン/108分
古い屋敷での奇妙な光景を幻視した富豪の妻に忍び寄る恐怖を描くサスペンスホラー。幼い頃に断崖から投身自殺を図った母の惨たらしい最期を幻視したバージニア。裕福な夫フランチェスコと結婚し幸せな生活を送る彼女は、車を走らせている最中、めまいとともに再び奇妙な光景を幻視する。古い屋敷、割れた鏡、血だらけの老婆、積み上げられる煉瓦、闇に閉ざされる視界。改装すべく訪れたフランチェスコの屋敷が幻視と酷似していることに彼女は言い知れぬ不安を覚える。
監督:ルチオ・フルチ
出演:ジェニファー・オニール、マルク・ポレル、ガブリエル・フェルゼッティ、ジャンニ・ガルコ
1977年/イタリア/96分
考古学者の父親とともにエジプトを訪れたスージー。帰国後、スージーの周辺で奇妙な死が連発する。スージーに乗り移った古代エジプトの呪いが周囲の人々を襲う。ルチオ・フルチがそれまでの残酷ゾンビ・ホラーから一転、ミステリー、オカルト色の強いホラー作品。
監督:ルチオ・フルチ
出演:クリストファー・コネリー、ブリギッタ・ボッコリ、マーサ・テイラー、ジョヴァンニ・フレッツァ
1982年/イタリア/90分
『フラッシュダンス』の世界的大ヒットに便乗して作られたダンスを絡めたジャッロ映画。ニューヨークの名門ダンススクールに通う女子生徒を襲う連続殺人事件が起こり、スクールの女子講師が犯人とみられる男の身辺を探り始める。音楽にはキース・エマーソンを起用。異色のジャッロ作品。
監督:ルチオ・フルチ
出演:オルガ・カルラトス レイモンド・ラヴロック
1985年/イタリア/96分
ルチオ・フルチが肝硬変で大病を患った後に復帰作で撮ったエロティック・サスペンス。恋人を事故で失った女が執刀医を逆恨みし、嫌がらせの電話をかけ続ける。彼女の行為は次第にエスカレートし、ついに医者を拉致監禁。犬のようにしつこくいたぶって拷問する。
監督:ルチオ・フルチ
出演:ブランカ・マルシラッチ、ブレット・ハルゼイ
1987年/イタリア/81分
事故で昏睡状態に陥った少女の怨念が転校生に乗り移り、自分をいじめた生徒たちにあらゆる手を使って次々と残酷な復讐をしていく。女優の全身を這う無数のカタツムリのシーンがあまりにも有名な、ルチオ・フルチ晩年の代表作。
監督:ルチオ・フルチ
出演:ジャレッド・マーティン、ララ・ナツィンスキー
1987年/イタリア/89分
テロリスト集団が東南アジアの研究所を襲い細菌兵器デス・ワンを奪うが、一人の男が誤って感染し死亡する。死体が焼却処分されるが、デス・ワンは煙と共に散乱、やがて人間に感染していく。感染した人間がゾンビとなり生者を次々に襲撃。休暇中の兵士たちが応戦するが、軍が投入した特別部隊と三つ巴の死闘が始まる。
監督:ルチオ・フルチ、ヴィンセント・ドーン
出演:デラン・サラフィアン、ビアトリス・リング
1988年/イタリア/90分
スプラッターホラーを製作し続けるルチオ・フルチが晩年に撮った幻のテレビ映画。三人組の強盗が片田舎の屋敷に押し入り老夫婦を殺害するが、時間が逆回転し、死者が蘇りはじめる。国内初ディスク化も決まったファン垂涎の1作をスクリーンで初上映。
監督・原案:ルチオ・フルチ
出演:キース・ヴァン・ホーベン、カリーナ・ハフ、パオロ・パオローニ、ピーター・ハインツ
1989年/イタリア/85分
ルチオ・フルチのテレビ映画。強盗に両親を殺され残された子どもの姉弟の世話をするため、叔父夫婦が屋敷にやってくる。彼らは子どもたちに優しく接するのだが、二人は親として受け入れようとはしなかった。そんなある夜、屋敷の子ども部屋に殺された両親の幽霊が出現する。
監督・原案:ルチオ・フルチ
出演:ジャン・クリフトフ・ブリティゲニーレ、シンツィア・モンレール
1989年/イタリア/78分
晩年のルチオ・フルチは評価の低い低予算ホラーを連発したが、その代表作。シチリア島に遺跡調査に来た考古学グループ。遺跡には人々が恐れる伝説が秘められており、伝説の復活と共に惨劇が始まる。「デモンズ」シリーズとの関係は一切ない。ホラーファンの話題にのぼる股裂きシーンが有名なスプラッター映画。
監督:ルチオ・フルチ
出演:ブレット・ハルゼイ、メグ・レジスター
1990年/イタリア/89分
“マスター・オブ・ゴア”ルチオ・フルチを捉えたドキュメンタリー
強烈なインパクトのゴア描写にこだわり続けたルチオ・フルチ。肉声を基に構成された貴重映像や、彼に影響されたクリエイターたちの証言映像がそれぞれ映画化。彼を駆り立てたものとは何だったのか、その創造秘話は必見
今年3月に没後25年を迎えた偉大なホラー映画監督、ルチオ・フルチのセルフポートレートや、映画監督のアントニエッタ・デ・リッロ、批評家のマルセロ・ガロファロとの会話で構成されたドキュメンタリー。死の直前に彼が語った作品への思いや監督として、そして1人の男としての彼の姿とは…。
監督:アントニエッタ・デ・リッロ
出演:ルチオ・フルチ、アントニエッタ・デ・リッロ、マルセロ・ガロファロ
2021年/イタリア/80分
ルチオ・フルチについての証言を集め、イタリア出身の映画監督サイモン・スカフィディにより制作された伝記的ドキュメンタリー。『墓地裏の家』に出演したパオロ・マルコ、『サンゲリア』『地獄の門』の作曲家ファビオ・フリッツィ、フルチの娘であるアントネッラ・フルチ、カミラ・フルチらが彼について語る。
監督:サイモン・スカフィディ
出演:ルチオ・フルチ、パオロ・マルコ、ファビオ・フリッツィ
2019年/イタリア/90分