商業・インディーズの垣根を越えて、監督・助監督として活動を続ける平波亘監督の4年振りとなる長編映画『the believers ビリーバーズ』が、昨年秋の東京初上映、名古屋、大阪での地方上映の好評、盛況を受けて、東京再上映が決定致しました。
池袋シネマ・ロサにて 4 月 24 日(土)~30 日(金)の 1 週間限定アンコール上映になります。
平波 亘(監督)コメント
『the believers ビリーバーズ』が 2021 年も上映されます。もう約 4 年前に、僕と8人の俳優たちとで始まったとても小さな 映画が、少しずつ、少しずつでも拡がっていくことがとても嬉しいです。 自分も歳をとっていく中で、近しい人との避けることができない死別や離別といった別れを迎えることが増えてきました。 そうしたことが起こるたびに悲しみだったり諦めみたいな感情に支配されては、過ぎゆく時間が和らげていく。それが人生な んだなと思うようになりました。
この映画で描かれるのは、僕たちがいつか失うかもしれない暮らしの物語です。この何もかも変わってしまった2020年代 に、その意味は変わったようにも感じますが、それもまた映画なんだよなと思っています。楽しんでください。
各界からのコメント
奈緒(俳優)コメント
信じるということは怖くて難しくて骨が折れる。 映画の中で交差するBelieversと、いつか私も街ですれ違っていたかもしれない。時にただ誰かを信じ幸せになることを願う私 たちを、今日も平波さんはあの優しいアルカイックスマイルで目を背けずに見てくれているんだろうなぁ。
平波さんに会いたくなりました。
今泉力哉(映画監督)コメント
孤独にもなれない夜を幾度となく過ごして、そして何度も裏切られて。 それでも。この映画のラストカットを見たら優しさってどういうことか少しわかるかもしれない。 その重さを煙たがって振り払うのは簡単だけど。
いまおかしんじ(映画監督)コメント
うまくいったと思っても裏切られ、何とかなると開き直ってもドツボにはまる。
一生懸命間違え続けるこいつらがアホすぎて涙がでる。それでも朝がくる。 新宿の朝ってこんなキレイだっけ。
田中俊介(俳優)コメント
彼ら彼女らが生きる毎日には一体どんな音楽が流れているのだろうか。 世間が言うハッピーソングを求めるんじゃなく、自分が思うハッピーソングを信じ、自分に流し続ければいいんですよね。 あれを流さなくちゃ、あれにならなきゃと思うから、ノイズが入るんすよね。
二ノ宮隆太郎(映画監督・俳優)コメント
平波監督は映画愛が半端ない方です。作る映画も愛についての映画しかないんじゃないかな。 そんなことねーよと自分怒られるかもしれません。4年ぶりの新作。観てくださったら分かると思います。 愛が凄いんです。
草野なつか(映画作家)コメント※パンフレット寄稿より抜粋
置いて来た、捨てて来たはずの感覚が呼び戻される。目を覆いたくなるような弱さと暴力性、恥ずかしさが混在する「この世 界」。しかしそれは決して懐古主義的な訳ではなく、現在との強固な地続きの関係があることを思い知らせてくる。嫌という ほどに。彼らにはどうかこれからも生きていってほしい。人生は続いていくし、意外としぶとく街は生きていく。
野伏 翔(舞台演出家・映画監督)
食べて、抱いて、愛して、別れていく男と女、男と男、女と女。 青春はいつの時代も分厚く高い壁に阻まれ、疲れ、諦め、静かな終焉を迎える。 登場人物たちは皆先の見えない現代に浮遊し、やがて静かに時代の底に沈殿していくように見える。 だがこの青春群像劇に「ビリーバーズ」と言うタイトルをつけた平波監督自身はその終焉を拒否し続けている。と私は観た。
宇賀那健一(映画監督)
DVXで撮られた懐かしい手触りの映像、いつかあったかもしれない日々を掬い取るかのようなストーリー。 まるで実家の押入れにしまってあったMDを引っ張り出して聴いてるかのような、とても愛しい作品でした。 そんなことを想いながら映画館を出たら、池袋の街の景色がいつも以上にとても尊いものに見えました。 劇中の登場人物全員が幸せになってたらいいな。
永江二朗(映画監督)
私には絶対撮れない映画! アングラな映画と思って見ていたら、見終わってみると究極のエンタメ作品だったことに気づかされる。 まさに平波監督ワールド全開! 同級生の映画監督にこういう世界観をつくり上げる監督がいて誇らしい。
大西信満(俳優)
終電逃したあとの朝日って、あんなにもキラキラと眩しかったっけ...と、 もう随分長いこと、そんな光を見ていないことに気付いた。 上映中ずっと思い浮かべていた誰かの顔がラストの光で目が霞み、今はもう、その輪郭しか思い出せない。
工藤梨穂(映画監督)
それぞれの時間軸の中で生きる人々の歩幅が揃う時、日常でよく見かける他人同士の予期せぬ寄り添いが こんなにも心射抜く光景になるなんて思いもしなかった。
『the believers』には、この映画でしか見ることの出来ない美しい朝が映し出されている。
下社敦郎(映画監督・映画音楽家)
どうにもアーシーさが抜けない若者たちは傷つけあったり慰め合ったりして、 寄る辺なく昼も夜もやり過ごすが、しかし明けない夜はないようで新宿でもニューヨークでも必ず朝が来る。 ただ、あの引きかけの風邪のような澄み切った朝と疲れた都会を引き摺りながら 持続音のように日々を過ごすのはそうそうないと気付くのはもうずっと後になってからなのです。
前田健雄(キネマ旬報・編集)コメント
「○年前」というわずかなナレーションとともに一瞬で過ぎ去る時間。我に返って、かろうじて確からしさを 感じられる時間の中で重なりあう、ささやかな人生。そして、それら別々に流れる時間の衝突をリセットす るかのようなアナログ風のビデオノイズ。 それはまるで遠い惑星からのリモート映像のように、映画全体を懐かしく包み込む。 若手俳優の息づかいにも、東京とは確かにこういう街なのだという手触りが感じられた。
また、オリジナルデザインのポストカード付き特別鑑賞券を劇場窓口にて販売開始致しました。
地方上映に関しましても、4 月 11 日(日)~17 日(土)に神奈川県の横浜ノヴェチェントのほか、兵庫県は神戸アートビレッジセンター、広島県の横川シネマなどで順次公開予定となっております。
作品には、新型コロナウィルスの感染拡大により、私たちが見失いそうになっている普遍的な暮らしを照射した新時代の青春映画として、映画人よりたくさんのコメントが寄せられています。
『the believers』は、東京に暮らす 4 組の男女が過ごす時間を綴った物語。音楽をつくる恋人と暮らす女性の一年、愛し合い ながらも離れては想い合う女性同士の数年間、運命を求める男と毎日を気ままに生きる女が彷徨う街の1日、終電後の街で出逢っ た男女の一夜。時間軸の異なるそれぞれの物語は、並行世界の中ですれ違いながら、いつしかまた新しい朝を迎えていく。
出演: 松川遥菜 田中爽一郎 堀井綾香 睡蓮みどり 石川絢子 岡田和也 未佑 石田清志郎
栗田一生 細川佳央 ひらく 小澤雄志 村田 唯 木村知貴 尾崎 愛 橋野純平 二ノ宮隆太郎
根矢涼香 真上さつき 永井ちひろ 文ノ綾 鈴木睦海 横須賀一巧 高麗道子 阿久沢麗加
大谷博史 7A 原賀大樹 TimWhalen 平井夏貴 須田 望 小西 麗 てっしー手島
監督・脚本:平波 亘
撮影:加藤明日花|録音・整音:内田雅巳|カラーグレーディング:村松正浩
音楽:栗田一生|終曲:合田口洸「ghost in the」| 宣伝デザイン:山口 雅 omo
プロデューサー:成田雅嗣
企画・共同製作:東京 FILM EDGE
製作・配給:8oo LIES PRODUCTION
2020/日本/カラー/スタンダード/DCP/110 分|
©8oo LIES PRODUCTION