新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるように、12人の映像監督による12本の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』(読み方:ディボック-トゥエルブ)が株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントにより始動し、2021年に全国公開いたします。
本プロジェクトの中核となって映画制作を牽引していく3人の監督は、『新聞記者』(19年)で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめとした主要3部門を受賞した藤井道人監督、世界中で社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』(18年)の上田慎一郎監督、第41回モントリオール世界映画祭で審査員特別大賞を受賞した『幼な子われらに生まれ』(17年)の三島有紀子監督。
日本映画界を代表する監督たちの元に集い共に映画制作を行うのは、“成長への気づき”というテーマを掲げる藤井道人監督チームの志自岐希生(しじききお)監督、林田浩川(はやしだひろかわ)監督、“感触”というテーマでメガホンを取る上田慎一郎監督チームのふくだみゆき監督、中元雄(なかもとゆう)監督、そして“共有”というテーマで制作する三島有紀子監督は山嵜晋平(やまさきしんぺい)監督、齋藤栄美(さいとうえみ)監督の参加が決定しており、日本映画界の新たなる才能が集結しました。
一般公募により選ばれし3名の監督がついに解禁!
本プロジェクトが発表された昨年の10月19日から11月19日までの1ヶ月間で167名もの方々から応募が集まり、その中から熱き志を持った3名が選ばれました。
藤井監督チームに加わることとなったのは、長編映画2作目『あの群青の向こうへ』で第15回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の国内コンペティション長編部門出品の他、数々のMVやCMなども手掛けている廣賢一郎(ひろけんいちろう)監督。
藤井監督は「今生きている社会への疑問や、愛についての考察に無二の個性を感じました」と廣監督を高く評価しており、今現在も歯学部に在籍している異色の経歴を持つ廣監督が一体どんな作品を手掛けるのか注目です。
上田監督チームに参加するのは、早稲田大学映画研究会に所属する現役大学生のエバンズ未夜子(えばんずみやこ) 監督。
「どんな映画になるのか想像がつかない。それが彼女を選んだ一番の理由でした」と底しれぬ魅力を感じたと上田監督も語っており、12人の監督の中で最年少となるエバンズ 未夜子監督が作り出す、未知なる世界観に期待が高まります。
そして、三島監督チームへの参加が決まったのは、卒業制作「それからの子供」がぴあフィルムフェスティバル等に入選し、根岸吉太郎監督、沖田修一監督、西川美和監督等の作品に演出部として参加した経歴を持つ加藤拓人(かとうたくと)監督。
三島監督は「加藤さんがコロナ禍の社会をどう見ているのかという視点が明確でした」と本プロジェクトとのリンクを高く評価しており、加藤監督がコロナ禍となった現代社会をどう映像にするのか必見です。
“成長への気づき” 藤井道人監督チーム
廣賢一郎 監督 コメント
このような機会を頂けたことに感謝をしています。こんな混迷な時代だからこそ、私はただ自分に出来る事を精一杯続けようと思います。今回、田村隆一「帰途」という詩から着想を得た物語を紡ぐ予定です。頑張ります!
【廣賢一郎(ひろけんいちろう)監督】
1996年生まれ、長野県出身。大阪大学歯学部歯学科在籍。監督作の映画『あの群青の向こうへ』は第15回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭ほか、数々の映画祭で入選・受賞。数々のMVやCMなども手掛けている。
藤井道人 監督 コメント
廣監督が持つ表現への眼差しにとても好感が持てました。今生きている社会への疑問や、愛についての考察に無二の個性を感じました。これから一緒に映画を作れることが今からとても楽しみです。
“感触” 上田慎一郎監督チーム
エバンズ未夜子 監督 コメント
この度「感触」というテーマでこの企画に参加させて頂きます。対面での関わりが制限された中、人と触れ合いぬくもりを感じる機会が減りました。しかし、私たちは様々な媒体を通して互いに心で触れ合うことができます。その1つが映画だと思います。変わりゆく時代に動揺する私たちの、閉ざしてしまった心を換気する様な映画をお届けしたいです。
【エバンズ未夜子(えばんずみやこ)監督】
2001年生まれ、東京都出身。早稲田大学映画研究会所属。
上田慎一郎 監督 コメント
どんな映画になるのか想像がつかない。それが彼女を選んだ一番の理由でした。先日、19歳の彼女が「昭和ってエモいじゃないですか」と言っていました。わかるようで、わかりませんでした。僕らには理解しきれない新しい価値観や世界観。それが映画となって沢山の人を揺さぶるのが楽しみでなりません。
“共有” 三島有紀子監督チーム
加藤拓人 監督 コメント
まるでフィクションのような現実の中、かつて映画に救われた瞬間があった事を忘れていた気がします。
いま作られるべき映画とは何か、そして共有できる事は何か。
この機会を与えてくれた全ての人に感謝し、その答えを見つけていきたいと思います。
【加藤拓人(かとうたくと)監督】
1990年生まれ、宮城県出身。東北芸術工科大学映像学科卒業。卒業制作作品「それからの子供」が2013年ぴあフィルムフェスティバル、第14回TAMA NEW WAVEコンペティションに入選。卒業後、根岸吉太郎監督、沖田修一監督、西川美和監督等の作品に演出部として参加。
三島有紀子 監督 コメント
脚本から「隔離」と「安心」というテーマが浮かび上がり、加藤さんがコロナ禍の社会をどう見ているのかという視点が明確でした。メタファーとして架空の世界を描いた物語が面白く、この作品を観たいと思いました。何より監督するために生きていること、そして制作期間の他の仕事を断って「空けています」と言った彼の覚悟が見えたことも大きいです。
DIVOC-12プロジェクト名について
「DIVOC」はCOVIDを反対に並べた言葉です。
「12人のクリエイターとともに、COVID-19をひっくり返したい。」という想いが込められています。また、DIVOCのそれぞれの文字が表す下記の意味を軸にプロジェクトを進めていきます。
Diversity(多様性)/Innovation(革新)/Value(新しい価値)/Originality(個性)/Creativity(創造)
2度目の緊急事態宣言が発令され、撮影の中断を余儀なくされた本作。
しかし、12人の監督、制作スタッフたちのエンターテイメントを届けるという想いに何も変わりはありません。“世界を沸かす”12人の監督それぞれの個性、そして想いがどのような映像に仕上がるのかご期待ください!