直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした『ディア・ドクター』『永い言い訳』の
西川美和監督最新作『すばらしき世界』が 2021 年2月 11 日(木・祝)より全国ロードショーとなります。
西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約 35 年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ。
生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して「社会」と「人間」の“今”をえぐる問題作。
人生の大半を刑務所で過ごした男・三上正夫が心機一転、決意を胸に!
三上の一挙一動スチールが公開!
1月1日、役所広司は満 65 歳の誕生日を迎えた。昨年は、「映画館へ行こう!」キャンペーン 2020 のアンバサダーにも 就任し、映画館で映画を観ることの魅力や日本映画に対する思いを語るなど精力的に映画界に貢献した。昭和、平成、令 和と時代を駆け抜け、第一線で走り続ける言わずと知れた日本映画界きっての名優役所の主演最新作『すばらしき世界』 が、2021 年の幕開けに控えている。役所演じる東京の下町の片隅で暮らす三上正夫は、見た目は強面でカッと頭に血がの ぼりやすい性格だが、真っ直ぐなくらい優しく、困っている人を放っておけない男。しかし、彼は、人生の大半を刑務所で過ごし てきた元殺人犯だった―。「今度こそ堅気ぞ」と決意を胸に 13 年振りに出所した三上のスチールを一挙公開!
ビフォー写真では、三上が 13 年前に裁判を受ける様子や、受刑者の経歴を事細かに書き写した個人台帳である身分帳の写真など収監される前の様子が見てとれる。
更生への道編では収監され刑期を全うする三上、出所後、刑務所で培ったミシンの技術を披露する様子、免許の再取得に奮闘する三上の様子など真面目に更生への道を進んでいるかに見える一方で、チンピラに睨みを利かせ一発触発の不穏な場面も伺え、波乱に満ちた三上の人生の再出発の様子が分かる。
社会のレールから外れながらも、何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘する役所演じる三上の姿に称賛が集まり、第 56 回シカ ゴ国際映画祭にて【観客賞】、今村昌平監督作『赤い橋の下のぬるい水』以来、自身2度目となる【最優秀演技賞/役 所広司】2 冠の快挙を達成した。
三上というキャラクターについて役所は「(三上は)小学校のときの道徳の時間で、学校の先生たちが困った人を見たら助けようとか、そういう正義感について教えてくれるけど、成長していく中で、ほとんどの人がその教えを破っていく。社会に出ると、正義を貫くことはだんだん難しくなってくる。でも、三上はその受けた教育をそのまんま実行していて、人が困っているのを見ると助ける、いじめられる人を見過ごせない。彼は幼い時に学校で言われた『小さな親切をしましょう!』という教えをただ守っているんじゃないですか」と語る。
人間がまっとうに生きるとはどういうことなのか、私たちが生きる今の時代は“すばらしき世界”なのか。 この人間味溢れる男を追っているうちに、周りにいる人々や観客の私たちへ幾多の根源的な問いを投げかけるとともに、心機 一転、決意を新たに、人生を歩もうとする三上正夫の姿に勇気づけられる作品ともいえる。
2021 年最初に観るべき映画にふさわしい『すばらしき世界』は、心に留め置くべき必見の一作だ。
<ストーリー>
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は、強 面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎて困っている人を放ってお けない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だ った。一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する 三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさ み)がすり寄りネタにしようと目論むが...。三上の過去と今を追ううち に、逆に思いもよらないものを目撃していく――。
役所広司
仲野太賀 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子
長澤まさみ 安田成美 / 梶芽衣子 橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会