最新作『カム・アンド・ゴー』が第33回東京国際映画祭で世界初上映され話題となったリム・カーワイ監督。リム監督とはシネ・ヌーヴォオープン時からの縁があります。大阪を舞台にした第1作『新世界の夜明け』公開から毎年、年末にはリム・カーワイ監督特集を続けています。
変わり続ける大阪の町と変わらないスクリーンの中の世界。上映するごとに現実が映画に追いついたような感覚がありました。その度にリム監督の未来を予見する眼差し、アジアをはじめ、世界中との交わりを感じることができました。そんなリム・カーワイ監督の『新世界の夜明け』が10周年を迎えます。お祝いとリム監督のこれからの活躍も期待して、2009年に発表された長編デビュー作『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』から新作『いつか、どこかで』までを一挙上映いたします。
是非とも、映画の流れ者、リム・カーワイ監督の世界をご堪能ください。

画像: 映画の流れ者、リム・カーワイ監督の世界を特集!「新世界の夜明け」10周年記念で、長編デビュー作から最新公開作『いつか、どこかで』までを一挙上映!

リム・カーワイ監督よりコメント

「新世界の夜明け」10周年記念上映に寄せて。
大阪大学を卒業し東京で6年間、北京で6年間過ごした後、
2010年に12年ぶり大阪に戻り「新世界の夜明け」を撮影した。
これをきっかけに大阪をベースにして映画を作ることにした。
「大阪三部作」の始まりだ。
北京を引き揚げて大阪に住むことにした。僕の新たな人生の始まりだ。
「新世界の夜明け」は9年連続シネ・ヌーヴォにてクリスマス頃上映していただき
今年で10年目を迎える!本当に感無量!おおきに!
12月25日の上映、ぜひ見に来てください!
ーーリム・カーワイ

リム・カーワイ監督略歴
マレーシア生まれ。大阪大学卒業後、通信業界で働いた後、北京電影学院に進学。卒業後、北京にて「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」(2009年)を自主制作し、長編デビュー。監督作品は「マジック&ロス」(香港)、「新世界の夜明け」(日本)、「恋するミナミ」(日本)、2016年には中国全土で一般公開された商業映画「愛在深秋」を監督。バルカン半島で自主制作した「どこでもない、ここしかない」、「いつか、どこかで」。最新作『カム・アンド・ゴー』は今秋、第33回東京国際映画祭で世界初上映された。

上映期間:

12/25金16:00
新世界の夜明け+上映後トーク(40分)リム・カーワイ監督
12/26土〜12/30水 連日2作品上映

『いつか、どこかで』
1/2土 アデラ・ソーさん(主演・ミスマカオ)リモート舞台あいさつ予定
1/2土〜1/8金 16:30
1/9土〜1/15金11:30
1/16土〜1/22金14:50

上映作品

『アフター・オール・ディーズ・イヤーズ』

2009年/マレーシア=中国=日本/98分
◎監督・脚本:リム・カーワイ
◎撮影:メイキン・フォン・ビンフェイ
◎出演:大塚匡将、ゴウジー、へー・ウェンチャオ

10年ぶりに故郷に帰ってきたア・ジェは、家族にすら忘れ去られていた上に、無実の罪を着せられ処刑されてしまう。しかし、そのア・ジェが再び人々の前に現れ…。過去と現在が複雑に交錯し、物語はやがて不穏な様相を呈していく。「マジック&ロス」「新世界の夜明け」へと続く「無国籍3部作」の第1作。

『マジック&ロス』

2010年/日本=韓国=マレーシア=香港=中国=フランス=アメリカ/81分
◎監督・編集・構成&プロット・原案:リム・カーワイ
◎撮影:メイキン・ファン・ビン・ファイ◎音楽:Jo Keita
◎出演:杉野希妃、キム・コッピ、ヤン・イクチュン

香港のムイウォという妖しいリゾート地で共に旅することになった2人、日本人のキキと韓国人のコッピは、島の不思議な力に取り憑かれ、いつしか奇妙な関係に陥っていく。ムイウォは、文明から孤立し時間が止まってしまったような魅力がある一方、そこにある滝は多くの人が身を投げる自殺の名所とも言われている。リム・カーワイ監督はたった3人の俳優の関係と表現力によって、個のあいまいさ、生と死の境界を描く多重的な物語を築き上げた。誰が実在するのか、何が現実で何が幻影なのか、謎が謎を呼ぶ。

『新世界の夜明け』

2011年/日本・中国/93分
◎監督・脚本・編集:リム・カーワイ
◎撮影監督:加藤哲宏◎美術:塩川節子◎録音・整音:宮井昇◎照明:福田良夫◎音楽:albert Yu◎出演:史可(シー・カー)、小川尊、宮脇ヤン、友長えり、友長光明、安藤匡史

北京に暮らす若い女性ココは、日本の洗練された都会的なクリスマスに憧れ大阪にやってくるが、辿り着いたのは想像していたメトロポリタンな日本とは遠くかけ離れた雑多な繁華街の大阪・新世界。言葉の通じない異国の地で、てんやわんやの騒動に巻き込まれていく。中国や香港、日本、マレーシアなどアジアの国境をまたいで活躍するリム・カーワイ監督が、異邦人の目を通して日本の今を笑いを交えて描いた無国籍ドラマ

『Fly Me to Minami 恋するミナミ』

2013年/日本・シンガポール/106分
◎監督・編集・脚本:リム・カーワイ
◎脚本:伊丹あき◎撮影:加藤哲宏◎録音:山下彩◎美術:塩川節子
◎出演:シェリーン・ウォン、小橋賢児、ペク・ソルア、竹財輝之助、藤真美穂、石村友見

言葉、国籍を超えた、二つの異なるラブストーリーは運命の悪戯で大阪・ミナミで集結し、すれ違い、そして交差する…。香港でファッション誌の編集者として働くセリーンは、取材のため年末にミナミを訪れる。しかしカメラマンが急きょ同行できなくなり、現地通訳ナオミの弟である大学生タツヤを雇うことに。一方、キャビンアテンダントの仕事をしながら洋服を仕入れ、ソウルでセレクトショップを経営するソルアには、シンスケという日本人の恋人がいたが…。

『どこでもない、ここしかない』

2018年/スロベニア・マケドニア・マレーシア・日本合作/90分
◎監督・編集:リム・カーワイ
◎撮影:北原岳志 ◎録音:山下彩 ◎音楽:Lantan
◎出演:フェルディ・ルッビシ、ヌーダン・ルッビシ、ダン、アンニャ・キルミッスイ

妻に逃げられた男の物語を軸に、東ヨーロッパで現地の人びとと即興で作り上げた異色ドラマ。バルカン半島・スロベニアの首都リュブリャナ。近年の観光と不動産ブームは、ゲストハウスとアパートメントを経営するフェデルに経済的な成功をもたらした。イスラム教徒でありながら、ゲストハウスに宿泊した女性や知人の彼女にまで手を出す女癖が悪いフェデルに、妻のヌーダンは愛想を尽かして家を出て行ってしまう。ようやく妻の大切さに気付いたフェデルは、ヌーダンを取り戻すためにマケドニアの田舎町へ向かうが……。

最新作『いつか、どこかで』

2019年/セルビア=クロアチア=モンテネグロ=マカオ=日本=マレーシア/81分
◎監督・脚本:リム・カーワイ
◎撮影:アレクサンドラ・アンゲロフスキ◎音楽:石川潤
◎出演:アデラ・ソー、カタリナ・ニンコブ、ピーター・シリカ、ホスニー・チャーニー、マティ・ミロサブリェビッチ

画像: 最新作『いつか、どこかで』

マカオ人女性アデラは、自分が寄付した、亡くなった彼氏が残したスマホの展示を観るために、クロアチアにある「別れの博物館」を訪れる。その後、インスタグラムで知り合ったセルビア人のアレックスに会うために、ベオグラードに向かう。しかし、アレックスがいっこうに現れない。アレックスの到着を待っている間、アデラは見知らぬ土地で、自分の生まれた国とは違う、歴史や文化を持つ人々との非日常的な出会い、ささやかな冒険を通じて知らない世界を知り、新たな自分を発見する。最後にアレックスがようやく現れ、アデラはアレックスから予想外の結果を知らされるが、バルカン半島の旅は続く。あるアジア人女性バックパッカーがクロアチア、セルビア、モンテネグロを旅をする中で、バルカン半島の複雑な歴史に翻弄されながらも前向きに普通に暮らしている人々の生活を知る。そして、いま世界が置かれている現状が浮かび上がる。

映画『いつか、どこかで』予告編

画像: 映画『いつか、どこかで』予告編 youtu.be

映画『いつか、どこかで』予告編

youtu.be

12/26土〜12/30水 連日2作品上映
1/2より『いつか、どこかで』公開!

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