国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第12回TAMA映画賞」の受賞作品及び受賞者が決定いたしました。
TAMA映画賞は、2009年にスタートし、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考しています。「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰したものです。
以下受賞結果。それぞれの受賞理由(要約版)。
最優秀作品賞
『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』
大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同
大林監督の壮大かつ鮮烈なイマジネーションが炸裂し、戦争とは何かを明示しつつ、映画の未来は明るいと観客に希望を託した。
『ラストレター』
岩井俊二監督、及びスタッフ・キャスト一同
初恋の記憶が「手紙」に呼び起こされ、人生を歩みつづける希望として現在に差し込んでいくさまを、瑞々しい映像で描きあげた。
特別賞
『アルプススタンドのはしの方』
城定秀夫監督、及びスタッフ・キャスト一同
応援席の高校生にフォーカスした構成は、「しょうがない」から「ガンバレ」へと感情の変化を捉え、落涙するほどの感動を与えた。
『音楽』
岩井澤健治監督、及びスタッフ・キャスト一同
男子学生たちが音楽の魅力に目覚めるさまを、繊細且つ膨大な線の動きと音楽のシンクロによってエモーショナルな作品に仕上げた。
最優秀女優賞
水川あさみ
『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『ミッドナイトスワン』
『喜劇 愛妻物語』において、夫を罵倒しつつ信じる芯の強さを示し、切れ味ある演技に悲喜交々をまとわせて一段の進境を示した。
長澤まさみ
『MOTHER マザー』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』
『MOTHERマザー』において、壮絶なまでの“影”の役に挑み、自堕落でありながら魅惑的な母親を演じることで、新境地を切り開いた。
最優秀男優賞
福山雅治
『ラストレター』『マチネの終わりに』
『ラストレター」において、若かりし頃を思い今を逡巡する作家をワンシーン毎大切に情感をこめて演じることで、作品の世界観に溶け込み、観客に強く響いた。
濱田岳
『喜劇 愛妻物語』『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『決算!忠臣蔵』『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』
『喜劇 愛妻物語』において、ダメ男の願望を体言しつつも家族への愛情をもにじませ、唯一無二のにくめないキャラクターを創った。
最優秀新進女優賞
松本穂香
『君が世界のはじまり』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『his』『青くて痛くて脆い』
映画の情景と調和しながら、時に言葉以上にふるまいで語り、静かな情熱に支えられた表現力でより高く羽ばたくことを感じさせる。
森七菜
『ラストレター』『青くて痛くて脆い』『地獄少女』『最初の晩餐』
『ラストレター』において、天真爛漫な役を輝くような透明感をもって活き活きと演じ、物語に爽やかな風を送り込んだ。
最優秀新進男優賞
宮沢氷魚
『his』
物静かな佇まいと透き通るような眼差しで心の揺れ動くさまを自然に表現した。役に真摯に向き合う姿勢は、さらなる飛躍を予感させる。
北村匠海
サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』『影踏み』『ぼくらの7日間戦争』『思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ版)』
憂いをおびた眼差しや細やかな心情を表現するふとした仕草で魅了するだけでなく、心に届く声のトーンでも共感を呼び覚ました。
最優秀新進監督賞
HIKARI 監督
『37セカンズ』
生まれつき障がいをもつ一人の女性が、自分の世界を輝かせていくさまを、アニメーションや漫画などを織り交ぜ、多彩に表現した。
ふくだももこ監督
『君が世界のはじまり』
一筋縄ではいかない高校生たちの心の内側を描き、人を想うことで痛みを伴いながらも世界を切り拓いていく姿に勇気づけられた。
「映画」をきっかけとした「市民」の広場・TAMA映画フォーラム実行委員会は、毎年秋に開催する、市民がつくる映画ファンの祭典「第30回映画祭TAMA CINEMA FORUM」を今年も下記の日程で開催します。
11/29(日)
TAMA映画賞授賞式 府中の森芸術劇場どりーむホール
11/21(土)~11/26(木)
各種上映プログラム 東京都多摩市内2会場
*チケットは前売発売のみ。11月1日よりパスマーケット(https://passmarket.yahoo.co.jp/)にて開始予定