新型コロナウイルスの影響による休館などにより、2 度にわたり公開が延期されていた、世界的ドキュメンタリー監督ワン・ ビンの 8 時間を超える集大成『死霊魂』が、ついに 8 月 1 日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となりました。
この度、ワン・ビン監督から日本の観客へのメッセージ動画が公開となりました
カンヌ映画祭で「ホロコースト中国版」「これは爆発物」と評され、山形国際ドキュメンタリー映画祭2019で大賞と観客賞をW受賞『死霊魂』がついに公開!
2018年カンヌ国際映画祭でプレミア上映されると「我々の時代の『ショア』(ホロコーストを題材にした映画史の重要作)だ!」(Screen Daily)、「これは爆発物だ!」(Hollywood Reporter)と世界に衝撃を与え、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2019では大賞と観客賞をダブル受賞。
中国史の闇とも言われる<反右派闘争>の再教育収容所を生き延びた人々にカメラを向け、その証言によって収容所で命を落としたおびただしい死者の魂を呼びおこそうと世界的ドキュメンタリー監督ワン・ビンが全精力を注いだ集大成。
8時間26分もの上映時間、休憩2回を挟む3部上映という圧倒的な作品だ。
このたび公開されたワン・ビン監督からのメッセージ動画は、当初4月予定だった公開のための来日が新型コロナウイルスの影響で中止になったため、日本の観客に向けて3月下旬に北京で撮影された
もの。いつもは「丸刈り・5分刈り」のワン・ビン監督が、動画では、なんと驚きのヘアスタイル。本人によると「厳しい外出制限によって2カ月も外に出られず、理髪店に行ってないから」とのこと。
メッセージでは「皆さんと会う機会を失ったのが残念」とコメントを寄せ、また、「完成するまで長期間かかった」と振り返り、「私個人にとっても大変苦労し力を尽くした作品」と本作への思いを語っている。
ワン・ビン監督の動画メッセージ
■監督プロフィール:ワン・ビン(王兵)
1967 年 11 月 17 日、中国陝西省西安生まれ。14 歳の時に父を亡くし、当時の政策によって父の職を継ぎ、その職場で 24 歳 まで働く。その後、1992 年瀋陽にある魯迅美術学院写真学科と北京電影学院撮影科で学ぶ。中古のデジタルキャメラひとつ で世界に対峙した衝撃的な『鉄西区』(1999-2003)と「反右派闘争」の時代を生き抜いた女性の証言を記録した『鳳鳴―中国 の記憶』(2007)、そして集大成として取り組んだ 8 時間超えの最新作『死霊魂』(2018)で山形国際ドキュメンタリー映 画祭大賞を 3 度受賞。カンヌ・ベルリン・ヴェネチアの三大映画祭での受賞も数多い。いうまでもなく 21 世紀の最も重要な 映画作家の一人である。
ワン・ビン監督『死霊魂』予告編
1 日がかりの異例の上映のため、すでにシアター・イメージフォーラムではオンライン&劇場窓口で座席指定予約 受付中(http://www.imageforum-reserve.jp/imfr/schedule/indexPre.php?dsType=pre)。また「映画館における 新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を厳密に順守し、強制的な機械換気が可能な空調設備による換気、 各部の上映ごとの扉の開放、消毒などを徹底するという。
英語題:DEAD SOULS
監督:ワン・ビン
|フランス、スイス|2018年|8時間26分|
配給:ムヴィオラ