ドキュメンタリーとして異例の26万人以上の動員を記録した『人生フルーツ』、自らにカメラを向け業界を騒然とさせた『さよならテレビ』など、テレビと映画の枠を越えて刺激的な作品を発表し続ける東海テレビ放送。他のローカル局がドキュメンタリー映画を発信することに大きな影響を与え、2018年に菊池寛賞を受賞した〈東海テレビドキュメンタリー劇場〉。
その第13弾となる『おかえり ただいま』(監督:齊藤潤一/出演:斉藤由貴、佐津川愛美ほか)
の予告編動画が完成いたしました。
帰宅途中の女性が、拉致、殺害、遺棄された“名古屋闇サイト殺人事件”。
3人の男たちによる短絡的かつ残虐な犯行が社会に衝撃を与えた事件から13 年――その深層に迫る。
8割以上の国民が死刑を容認する日本。最愛の人を奪われたとき、私たちは何を望むのか?
名古屋闇サイト殺人事件———2007年8月24日深夜、帰宅途中の女性が拉致、殺害され、山中に遺棄された。犯人は、携帯電話のサイト“闇の職業安定所”で知り合った3人の男たち。マスコミの報道は過熱、娘を奪われた母は加害者全員の死刑を望んだ。しかし、立ちはだかったのは「1人の殺害は無期懲役が妥当」という判例。母は街頭に立ち、極刑を求めて約33万筆の署名を集めた。裁判は1人が死刑、2人に無期懲役。その後、無期の1人に別の強盗殺人の余罪が発覚し、死刑が確定した。
東海テレビが作らずにはいられなかった映画。
死刑存廃論を超えて、 事件の背景と家族の人生を描き出す。
事件発生直後から被害者の母を取材してきた東海テレビは、ドキュメンタリー「罪と罰〜娘を奪われた母弟を失った兄 息子を殺された父〜」(2009年4月)を放送。その後も撮影を継続し、 死刑執行後に犯人の父親の肉声を収録した。しかし、それだけでは表現できないことがあった。それは、事件前の母と娘のかけがえのない日々。母を斉藤由貴、娘を佐津川愛美が演じ、在りし日の家族を蘇らせた。さらに、凄惨な事件を起こすに至った男の生い立ちを浮かびあがらせる。
監督・脚本は、「光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜」『死刑弁護人』『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』など、日本の司法のあり方を鋭く問い続ける齊藤潤一。
プロデューサーは、『人生フルーツ』『ヤクザと憲法』も手がける阿武野勝彦。
キャスト メッセージ◆
実際に起きてしまった凄惨な事件を題材にしているので、 役を演じるのはとても難しいことでした。ただ、お母様や亡くなられた磯谷利恵さんの思いに、どれだけ近づけるか、誠実に取り組みました。いま、できる限りの気持ちを込めた作品です。映画が、たくさんの人たちの元に届き、 事件が風化しないことを願います。
――斉藤由貴(母・磯谷富美子役)
スタッフの皆さんの熱量に感銘を受けながら、支えてもらいながら、作品と向き合いました。 撮影が終わった時の気持ちを私は一生忘れることなく生きていくべきだと思いました。 独りの時、あなたの心に思い浮かぶ人はいますか? 思い浮かぶ誰かがいらっしゃる全ての皆さんに、観ていただきた いと心から思います。
――佐津川愛美(娘・磯谷利恵役)
“名古屋闇サイト殺人事件”事件から13年――その深層に迫る!
東海テレビドキュメンタリー劇場『おかえり ただいま』予告
出演:斉藤由貴 佐津川愛美 浅田美代子 大空眞弓 須賀健太 天野鎮雄 矢崎由紗
監督・脚本:齊藤潤一
プロデューサー:阿武野勝彦
音楽プロデューサー:岡田こずえ
音楽:村井秀清 主題歌:「Home」ミナコ“ムーキー”オバタ
撮影:村田敦崇 坂井洋紀 米野真碁 編集:山本哲二 助監督・取材:繁澤かおる
製作・著作・配給:東海テレビ放送
制作協力:日本映画専門チャンネル
配給協力:東風
2020|日本|DCP|112分|ドキュメンタリー・ドラマ
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