『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』で知られるタル・ベーラ監督が後進の育成のために設立した映画学校【film.factory】で3年間学び、タル・ベーラ監督監修のもと製作した『鉱 ARAGANE』が鮮烈な印象を残した小田香。公開が延期となっていた第1回大島渚賞を受賞した最新作『セノーテ』が、9月19日(土)より新宿K’scinemaにて公開されることが決定した。また、本作の公開に合わせて小田監督の過去作品・短編作品も上映予定だ。
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『セノーテ』
第1回大島渚賞受賞!!
ロッテルダム国際映画祭2020 正式出品作品
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019正式出品作品
『鉱 ARAGANE』小田香監督最新作
泉は天上の世界とつながっている
メキシコの泉をめぐる神秘の旅
カメラは浮遊する 失われた光と記憶を呼び戻すために
![画像1: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/b63e67fef7d1062716d5f99950892ea348c6ce35_xlarge.jpg)
©︎Oda Kaori
![画像2: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/b4822f27766f706f6bccb574db2a27dac2586ba9_xlarge.jpg)
©︎Oda Kaori
メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。かつてマヤ文明の時代、セノーテは唯一の水源であり雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。現在もマヤにルーツを持つ人々がこの泉の近辺に暮らしている。
現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。そこに現地の人たちの語りで流れる「精霊の声」、「マヤ演劇のセリフテキスト」など、マヤの人たちにより伝えられてきた言葉の数々。カメラは水中と地上を浮遊し、光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだますする。
![画像3: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/6893483ccc8dab483674aeeed64ae8e29bf567c9_xlarge.jpg)
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![画像4: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/1a420c4aba124772b7062f11c069a6a5bce453e3_xlarge.jpg)
©︎Oda Kaori
第1回大島渚賞受賞の快挙!!
『サタンタンゴ』タル・ベーラの愛弟子、小田香が再び挑む深遠な世界
小田監督は、いまもこの地に住む人々にも取材し、集団的記憶や原風景を映像として立ち上げようと試みた。小田監督はセノーテの水中撮影のため、自らダイビングを学んで8mmフィルムカメラ、iphoneなどを駆使し、これまで誰も見たことのない世界を写し取った。
前作『鉱 ARAGANE』(2015年 タル・ベーラ監修)で、ボスニア・ヘルツェゴビナのブレザ炭鉱に赴き、坑夫たちを密着取材して、暗闇の中で行われる過酷な労働とその環境を、静謐な映像で記録し注目を集めた小田香待望の新作がいま、姿を現す。
また、音楽家の坂本龍一氏と映画監督の黒沢清氏が審査し、世界に羽ばたく若い才能のために2020年に設立された大島渚賞では、その才能が認められ第1回目の受賞という快挙となった。
小田香
2011年、ホリンズ大学(米国)教養学部映画コースを修了。卒業制作である中編作品『ノイズが言うには』が「なら国際映画祭2011」NARA-wave部門で観客賞を受賞。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factory(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として招聘(2016年、同プログラムを修了)。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。2015年に完成させた『鉱 ARAGANE』(タル・ベーラ監修)が「山形国際ドキュメンタリー映画祭2015」アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。
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![画像5: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/9fcfe9a72c6e455539ab7c159090997a4c0a2001_xlarge.jpg)
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![画像6: ©︎Oda Kaori](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781437/rc/2020/06/11/8e7526cb605c9466beeb2c3e355fc7739662001e_xlarge.jpg)
©︎Oda Kaori
生け贄として何人もの少女が投げこまれたという神話的な泉の底を、一瞬も動くことをやめぬキャメラが奥深くまで探ってみても、彼岸への通路かもしれない薄ぐらい拡がりが見えてくるばかりだ。
その緩やかなリズムを不意に立ちきる固定キャメラが、えもいわれぬほど素晴らしい何人もの男女の顔を画面に浮きあがらせる。この転調をもっと見てみたい。まぎれもない傑作なのだから。
―――蓮實重彦(映画評論家)
500年前に葬られたマヤ文明の洞窟湖から、人々の苦難の声が聞こえてくる。
前作『鉱 ARAGANE』をしのぐ傑作『セノーテ』、ぜひ多くの人に観てほしい。
―――坂本龍一(音楽家)
監督・撮影・編集:小田香
企画:愛知芸術文化センター、シネ・ヴェンダバル、フィールドレイン
制作:愛知美術館
エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司
プロデューサー:マルタ・エルナイズ・ピダル、ホルヘ・ホルヘ・ボラド、小田香
現場録音:アウグスト・カスティーリョ・アンコナ
整音:長崎隼人
ナレーション:アラセリ・デル・ロサリオ・チュリム・トゥム、フォアン・デ・ラ・ロサ・ミンバイ
配給・宣伝:スリーピン
日本、メキシコ/2019年/マヤ語、スペイン語/75分/デジタル/原題:TS’ONOT/英題:Cenote
©︎Oda Kaori