2019年ベルリン国際映画祭においてエキュメニカル審査員賞、ギルド映画賞のダブル受賞を獲得し、注目されたテオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督の最新作『ペトルーニャに祝福を』が2020年 4月25日(土)より岩波ホールほかにて全国公開となります。
この作品は、北マケドニアの小さな街、シュティプを舞台に、女人禁制の伝統儀式に思いがけず参加してしまった一人の女性が巻き込まれる騒動を描く物語。
32歳のペトルーニャは、美人でもなく、体型は太め、恋人もいない。大学で学んだのに仕事はウィトレスのバイトだけ。主義を曲げて臨んだ面接でもセクハラに遭った上に不採用となった彼女は、帰り道に地元の伝統儀式に遭遇する。それは、司祭が川に投げ入れた十字架を男たちが追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れると言われるもの。ペトルーニャは思わず川に飛び込むと、その“幸せの十字架”を手に入れる。しかし男たちは「女が取るのは禁止だ!」と男たちから猛反発を受け、さらには教会や警察を巻き込んでの大騒動に発展していく…。
監督は、首都スコピエ生まれのテオナ・ストゥルガル・ミテフスカ。十字架を川に投げ入れる伝統儀式「神現祭」は、東ヨーロッパの東方正教を信仰する国々で毎年1月19日に行われている。2014年に北マケドニアのシュティプで十字架を掴み取った女性をモデルに、実際の出来事を下敷きに本作を完成させた。
ミテフスカ監督は、「今日でさえ、強い女性として活躍するのが難しい」と語る保守的なバルカン地域を舞台に、ペトルーニャの闘いをアイロニーとユーモアで鋭く描き出す。「幸せになる権利は私にもあるはず。なのに、なぜ?」
映画が描くペトルーニャの思いは、性別だけでなく国籍、出自、セクシャリティ・・・・など、多様な社会に生きるあらゆる人々にとって普遍的なもの。それがままならない世の中と闘い始めた彼女が、周囲に投げかける「なぜ?」は、現代社会に生きるすべての人にとっての「なぜ?」でもあるのだ。
今回の予告編では、男しか手に入れることを許されていない幸せの十字架を偶然手にしたペトルーニャが、謎の女性が十字架を取ったとメディアに騒がれ、母親からは「罰当たり」と責められ、果ては十字架を返すよう求められ警察にまで連行されてしまい、主人公ペトルーニャの闘いの結末がどうなるのか?展開が気になる予告編となっている。
『ペトル―ニャに祝福を』予告
監督:テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ
出演:ゾリツァ・ヌシェヴァ、ラビナ・ミテフスカ
2019年/北マケドニア・フランス・ベルギー・クロアチア・スロヴェニア合作 マケドニア語/シネスコ/5.1ch/100分/英題:God exists,her neme is Petrunya
日本語字幕:岩辺いずみ
後援:駐日北マケドニア共和国大使館
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
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