誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた『HOUSE OF HUMMINGBIRD』<英題>※原題『벌새』)の邦題が『はちどり』として、4 月下旬からユーロスペースほか全国順次ロードショーとなります。
『はちどり』シーン写真3点が公開!
1990 年代の韓国。14 歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮らす 無機質な姿をした集合団地で両親、姉、 兄と共に生活している。思春期を迎え、 大人の世界への興味も持ち始めてい たウニは、学校にあまりなじめず、別 の学校に通う親友と悪さをしたり、男 子生徒や後輩の女の子とデートをし たりして過ごしていた。ウニの両親は、 朝から晩まで小さな店を切り盛りし、 厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、 自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えてい た。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う。
今回解禁されたシーン写真は3点。ウニの強い意志を秘めた凛とした眼差しや、友人との放課後のささやかな時間や、家族とのいつもの食卓風景などいずれも“二度と戻らないありふれた少女時代特有の風景”を切り取ったものとなっております。
38歳のキム・ボラ監督による初⻑編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験がベースとなっている作品。2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション 14plus 部門をはじめ国内外の映画祭で 44 を超える賞を受賞(2020 年 1 月現在)。2019 年8月に公開され、単館公開規模ながら公開 1 か月で観客動員数 12 万人超、最終的に 15万に迫る異例の大ヒットを果たし、 かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』(2008年)を凌ぐ評価を得るなど、今韓国で最も話題の女性監督の一人です。
主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82 年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なる。
男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなく てはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったことーー。
2つの作品に共通するのは、 そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿である。そして、それは韓国の同年代の女性の共感を呼びました。
世界で最も小さい鳥のひとつでありながら、その羽を 1秒に80 回も羽ばたかせ、蜜を求めて⻑く飛び続けると いう「はちどり」。それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、と監督は語る。
映画の中で、ウニは様々な感情を抱えながら、成⻑し、この世界に羽ばたいていこうとする姿に共感し、多くの感動を呼ぶ作品となっています。
STORY
1994 年、空前の経済成⻑を迎えていた韓国、ソウル。14 歳のウニは、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。学校に馴染めず、 別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供達
の心の動きと向き合う余裕がない。父は⻑男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。ウ ニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。 ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。 自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っ ていてはダメ」と静かに励ます。ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だ
った。ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。
監督・脚本:キム・ボラ
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
2018年/韓国、アメリカ/138分/英題:HOUSE OF HUMMINGBIRD/原題「벌새」/PG12/
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提供:アニモプロデュース、朝日新聞社
配給:アニモプロデュース