映画監督であり俳優としても活躍する利重剛、 映画「ヨコハマメリー」監督の中村高寛。
横浜に生まれ育ったふたりによるプロデュースのもと、 多彩な顔ぶれの映画人たちが集結し生み落とした珠玉の12 本!
連作ショートフィルム Lifeworksってなに?
横浜シネマリンとシネマ・ジャック&ベティの2館で、2015 年より本編前の「オマケ映画」 として、定期的に無料上映してきた。作品はどれも 5 分~15 分の一話完結で毎月、新作に替わっていくのがミソ。
すべて横浜を舞台に撮影され、横浜の映画館で上映されるという、 純粋な「ヨコハマ」発の映画プロジェクトでもある。
今回は第二期(vol.13~18)、第三期 (vol.19~24)の 12 本を「オマケ」ではなく「本編」として一挙上映する。オマケ映画での上映は終了、第二期、第三期をまとめて鑑賞できるのはこの機会のみとなる。
コメント
企画・プロデューサー
中村高寛(監督) 地元ヨコハマに関しては、そこそこ詳しい自負があった。でも作り始めてみると、まだまだ知らない場所がたくさんあって、新しい出会いや発見がある。「井の中の蛙」だった。
第一期は利重剛さんが監督したが、今回、上映する第二期、三期は、私がリスペクトし刺激を受ける作り手たちが参加してくれた。それぞれが見つめる「ヨコハマ」があって、私が知らない「ヨコハマ」が映っている。何よりオマケ映画だけど、本編に勝つ意気込みで作った12本、必見です。
利重剛(監督・俳優)
映画館に来た人だけに観てもらえる『贅沢なおまけ』。 そんなつもりでこの短編たちを作ってきました。 それをこういう形にまとめて上映してもらえるのは、本当に嬉しいです。 お休み期間を挟みながらもこつこつと作り続けて、現在 24 本。始めた時に「100 本作れたらすごい映画遺産だよね」なんて言っていたけれど、もう4分の1まできたんだから、ひょっとするといつか本当に達成できちゃうのかもとも思ったりします。
Life goes on.人生は続く。Life shines.人生は輝く。 Life works.
そして、人生は、どこかで必ず、ほかの誰かの人生に、働きかけている
企画・プロデュース 利重 剛/中村高寛
横浜から生まれた 12 の物語
『ライフワークス』
作品紹介
Vol.13
再会
出演:優恵 大島葉子 古厩智之 宝井誠明
監督・脚本:近藤有希 (13分)
かつての親友と30年ぶりに会うことになった女性の心境を描く。ロケ地は昔ながらの“里山”が残 る青葉区寺家町。河瀨直美監督『朱花の月』の大島葉子が出演、また『さよならみどりちゃん』の古厩智之監督が主人公の夫役に。
★河瀨直美作品で長らくチーフ助監督を務めてきた近藤有希の監督デビュー作。
Vol.14
花瓶の裏
出演:板橋駿谷 早織 広瀬斗史輝
監督・脚本:松居大悟 (4分 08 秒)
結婚写真の撮影のためカップルが待機する控室。 そこで新郎が叫んだのは......。本作は、石崎ひゅーいのアルバム「花瓶の花」にインスパイアされて作られた短編映画『花瓶に花』。それを元に再編集した「花瓶の花」MV のスピンオフでもある。
★劇団ゴジゲンを主宰するかたわら映画監督としても注目を集める新鋭・松居大悟の監督作。
Vol.15
教会の、その前の
出演:舘そらみ 松居大悟
監督:利重剛 脚本:澤千尋(10分)
父親の葬儀のため教会に集まった姉と弟が交わす、ちょっぴり素直な会話。脚本は、2010年伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞・短編部門大賞を受賞した。澤千尋で、彼女はシネマ・ジャック&ベティの従業員でもある。
★Vol.14『花瓶の裏』監督の松居大悟と、劇団ガレキの太鼓を主宰する舘そらみが共演。
Vol.16
ストリートレース
出演:小林和寿 小鶴乃哩子 木村敬渡志 川連廣明
監督:近藤有希 脚本:近藤有希/利重剛 (7 分)
目的地の飲み屋まで、タクシーと駆け足のどちらが早いか競う“ただ走るだけ”の疾走ムービー。 原案は利重剛で、みなとみらいから野毛までのルートをタクシーと自転車で競った実体験から着 想を得たという。
★石井岳龍(聰亙)の演出助手を務めた近藤監督が師へのリスペクトを込めた一作。
Vol.17
グッドモーニング
出演:高橋長英 上原用子
監督:森日出夫 脚本:利重剛 (12 分)
夜の写真スタジオで交わされる甘美な男女の会話。 中区に実在する森日出夫のスタジオがロケ地。監督を務める森が写真家として追い続けてきた“グッドモーニング”をテーマに、利重剛が数ヶ月に及ぶ聞き書きから脚本化。
★横浜を代表する写真家の映画初監督作。主演の高橋長英は、横浜生まれ横浜育ち。
Vol.18
デビュー
出演:花島希美 山本政志 安田佑子 安達花穂 福場俊策
監督・脚本:近藤有希 (10 分)
念願のナレーションデビューが決まった奈々絵。出番が迫り緊張感は高まるばかりで...。ラジオ 日本の本社1階に実在した喫茶店。そこで公開生放送していた「ヨコハマ・ラジアンヌスタイル」のバックステージもので、生放送中に撮影されたシーンも。
★17年2月に閉店した“カフェラジアンヌ”で撮影 映画監督の山本政志がプロデューサー役を快演。
Vol.19
しあわせだったにゃよ
出演:佐藤有里子 優恵 大島智衣 武谷公雄 門井一将
監督:利重剛 脚本:大島智衣/利重剛 (12 分)
飼い猫を失い、悲しみに暮れる女。
ある日、職場にイケメン新人が登場し...。
シングル女性の妄想ライフと心模様を軽快に描く。ロケ地は、ドヤ街として知られる寿町のユースホステルであるヨコハマ・ホステルヴィレッジ。
★Vol.8『花の名前』の数年後のお話。主人公の同僚役に Vol.13『再会』出演の優恵。
Vol.20
ハマの靴探偵
出演:小野瀬雅生 大重わたる キセリョヴァ・イェヴゲニヤ
監督・脚本:井川広太郎 (8 分)
飲み屋街の道端に落ちていたハイヒール。謎の男が豊富な人生経験を頼りに持ち主を探し出す!
クレイジーケンバンドのギタリスト、小野瀬雅生が映画初主演で“過去のある男”を好演している。 観れば野毛に飲みに行きたくなる!?
★野毛にあるピンク映画館「光音座」がロケ地となった激レア作品、必見!
Vol.21
送迎
出演:坂田聡 後藤ユウミ 新津ちせ
監督:大崎章 脚本:足立紳(11分)
子連れのデリヘル嬢と送迎運転手のひとときを描く。主演は演劇集団ジョビジョバで活動していた 坂田聡、『お盆の弟』の後藤ユウミ、足立紳監督『喜劇 愛妻物語』の新津ちせ。大崎章監督の新境地ともいえるハードボイルドな作品。
★『お盆の弟』大崎章×足立紳の名タッグがLife worksで復活!
Vol.22
MARA
出演:大島正華 橋野純平
監督・脚本:伊月肇 (13 分)
取引先の女に執着する男。狂っているのは男か? 女か? 伊月監督は、『-×-マイナス・カケル・ マイナス』に続き、大島正華を起用。撮影を担当したのは『きみの鳥はうたえる』の四宮秀俊。 息をのむサイコサスペンス!
★今後の活躍が期待される女優・大島正華が、3 ヶ月に及ぶ日舞特訓で監督の想いに応えた。
Vol.23
Necktie
出演:菊地敦子 佐藤駿 西尾佳織 田中淳一郎 横田僚平
脚本:山形育弘 監督:七里圭(14分)
街でネクタイを売り歩く三枝子とネクタイに見合 う男・日高は、地図にない街の存在に気付いて...。 短編にも関わらずロケ場所が9ヶ所にも及んだ(通常、Life worksでは1~2ヶ所)超大作!? ジェットコースターのような展開を楽しんで。
★実験的な作風で知られる七里圭が、アーティストで脚本家の山形育弘と組んだ野心作。
Vol.24
子どもたち
監督・言葉:稲葉まり
写真:森日出夫 (5 分)
写真家・森日出夫の写真コラージュと、テニスコーツ・さやの音楽にのせて、監督の稲葉が自身の妊娠をきっかけに書き綴った想いをモノローグにして、読み上げる。本作からリニューアルした Life works オープニングタイトルも稲葉が手がけた。
★監督が妊娠中というタイミングだからこそ生まれたプリミティブな作品。完成後に無事出産。