ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞スペシャル・メンションをW 受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞!
29 歳の俊傑フー・ボ ー監督作『象は静かに座っている』がシアター・イメージフォーラム他にて上映が始まりました!

画像1: ©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

4 時間弱の長尺にもかかわらず、一般公開を待ち望んでた映画ファンが連日訪れ、三連休は満席続出!SNSでは 「映画が好きならこの映画を観ないといけないと思う。」「魂の叫びのような約 240 分の傑作。」などの熱いコメントが並んでおります。
公開初日にはプロデューサーの高さん、孫さんが駆け付け、「観客の感想を是非聞きたい」と登壇。 そのトークショーの模様をお伝えします。

◎『象は静かに座っている』トークイベント
11月2日 13:30回上映終了後
17:25-17:55
◎登壇者
高プロデューサー、孫プロデューサー

「中国映画の注目度が高まった非常に意義深い作品」

高プロデューサー「みなさま、本日はお越しいただきありがとうございます。この作品は、世界中に受け入れられ、 その結果、中国映画の注目度が高まった非常に意義深い作品となりました」 孫プロデューサー「本作の原案を持ったフー・ボーと映画祭で出会いました。この映画館では『サタンタンゴ』も上映されているようですが、その映画祭でタル・ベーラがワークショップを行いました。そして、二人は出会い、まるで親子のように絆を深めました。そのことを思うと、二つの作品のポスターが並んでいることは非常に感慨深いです。」と、フー・ボーが師と仰ぐタル・ベーラとの関係性を言及しました。 さらに、高プロデューサーは「この映画は彼の長編第1作であり、彼自身が書いた短篇の映像化でもありました。彼は小説家としても、自分の世界観や価値観を描き、素晴らしい才能の持ち主でした。映像化にあたって、彼はもっと視野を広げて描き出しました。その邦訳は11/7売りの新潮でも読めるようなので是非」フー・ボーの小説家としての才能も手放しで絶賛。

画像2: ©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

存在感の光るキャストたちについては「才能のある監督というのは、キャスティング、人間への洞察も長けています。彼らはまだ無名でもありましたが、フー・ボーの的確な演技指導によって、登場人物たちに説得力をもった輝きをもたらしました。ポン・ユーチャンは今では中国 本国で有名ですが、まだ本作に出演した時はブレイク前で、彼は金馬奨にノミネートされたとき「映画というものがどういうものなのかを、 初めて知りました」と語っていました」。また、ジン役のリー・ツォンシーは香川照之さん主演『鬼が来た!』のチアン・ウェン監督と長きに 渡りタッグを組んでいた名プロデューサーという事実も明かしていました。

画像: 来日した高プロデューサー、孫プロデューサー

来日した高プロデューサー、孫プロデューサー

「象は観客一人ひとりに宿る希望」

そして観客とのQ&Aを実施!被写界深度は浅く、長回しも多用しているカメラワークについては、「撮影も監督ご自身がされたのでしょうか?」という質問が。「撮影監督がいました。そして彼はフー・ボーの同級生で、彼らは何度も話し合い、この映画に相応しい長回しの方法を見出し、見事観客を惹きつけるカメラワークを完成させました。ステディカムを使った撮影には、女性カメラマンが活躍しました」と高プロデューサーが返答。あまり情報量の多くない映像だからこそ、音がヒントにもなっている。監督が音についてどのように意識していたか 聞かれると、「まるでプロのような質問ですね!撮影に入る前に、監督がスタッフ全員へ明確にヴィジョンを伝えていました。まさしく音で想像させるような、“映画言語”を集めた作品といえると思います」と、監督の明確なヴィジョンがあったことを明かしました。

画像3: ©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

中国からの観客も多く訪れ、熱のこもった感想とともに、「満州里は非常に遠くて寒い場所。象なんているのでしょうか?監督は、象を何の象徴として描いたのでしょうか」という質問に関しては、「まさしく監督に聞くべき質問だとは思いますが、僕から言えることとしては...。 この映画と共に、いろんな国に行きました。そうして多くの観客から話を聞きました。フー・ボー自身は満州里には行ったことがありませんでしたが、ある台湾の人が、実際に満州里行き、そこには何故か象の塑像があるらしく、その人は大泣きしてしまったということを聞きました。この映画に意義があるとすれば“希望”があることだと思っています。
そして、観客の一人一人の中に希望=象がいるのだと。こんな辛い世界をどう見つめるのか。あなたの象はどこにいるのでしょうか?ラストシーンは、そこに、その方向に“希望”があることを指し示めしています。監督は意図して描いています。そこにこそ意味があると思っています」と、4時間の果てにある美しいラストシーンについても、監督の想い代弁するかのように、応えていました。**

最後に、孫プロデューサーより「若い人たちは“世界は閉塞的だ”と感じるかもしれません。しかしそれは違います。そして、それに気付く為の、突き破る力は自分自身に宿っていると思っています」と力強いコメントをもらい、大盛況の中、トークショーは終了しました。

フー・ボー監督最初で最期の最高傑作
『象は静かに座っている』予告

画像: フー・ボー監督最初で最期の最高傑作『象は静かに座っている』予告 youtu.be

フー・ボー監督最初で最期の最高傑作『象は静かに座っている』予告

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STORY
世界の果てを一緒に見に行こう。
きっと未来は変わる
炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせ ているチェンだった。チェン達に追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。それぞれに事情を抱えながら、遠く
2300km先の果て満州里にいる、一日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて4人は歩き出す――。

監督・脚本・編集:フー・ボー
出演:チャン・ユー、ポン・ユーチャン、ワン・ユーウェン、リー・ツォンシー
撮影:ファン・チャオ 録音:バイ・ルイチョウ
音楽:ホァ・ルン 美術:シェ・リージャ サウンドデザイン:ロウ・クン
2018年/中国/カラー/234分
配給:ビターズ・エンド

©Ms. CHU Yanhua and Mr. HU Yongzhen

シアター・イメージフォーラム他にて大ヒット上映中!

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