そして映画タイトルでもある“真実”にちなんで、最近知って驚いた“真実”について尋ねられると、みゆちゃんは、「ドヌーヴさんって、見た目は怖そうだったんですけど、この間の舞台挨拶ですごく優しい人なんだな、と真実が分かりました!」と、ドヌーヴの真実を明かします。
逆に監督が司会者に最近知った“真実”について尋ねると、「先日、是枝監督にインタビューをさせていただき、初めは世界で注目されている方なので怖い方なのかなあと思っていたんですが、『ごめんね、三谷幸喜さんみたいに面白いこと言えなくて(笑)』と、 とっても気さくで、とっても温かい方なんだなって思ったのが、真実です!」と明かし、監督は「三谷さんはずるいよね~監督が皆あんなに面白いことを言えると思われちゃうと、困っちゃうよ(笑)」と会場の笑いを誘いました。
本作は母娘の確執も描かれますが、みゆちゃんもお母さんとよくケンカをしてしまうようで、「何回もケンカします。パパに謝りなさいって言われるので、仲直りをします。でも最近はパパに解決してもらわなくても、2人で仲直りします!」と微笑ましいエピソードも。
監督の作品ではよく描かれる親子の関係というのも日本とフランスでは異なっており、「これまでの作品だとあまり衝突させずに、『...』となったり、どちらかが先に寝てしまう、として終わらせることが多いんですが、日頃フランスの方と仕事をしていると、そんなにぶつかり合って明日の撮影大丈夫かな?と思ったときも、翌日になるとケロっとしているんです。なので、いつもより多めにぶつけてみようと思って、セリフを少し強めに書きました」と、これまでの作品とは一味違った演出も込められています。
本作の中で気に入っている、好きなシーンを問われると、「この映画はイーサン・ホークさんが出演されてまして、本当にお芝居も佇まいも役にぴったりで、素晴らしいなと思いました。ファビエンヌがハンクと絡む楽しいシーンがあるんですけど、そこを注目いただけると嬉しいです」(宮本)、
「ビノシュさんは娘でもあり、母でもあり、色々な顔をもっているんですが、素敵に表現されていて、一人の女性の色々な役割や顔を観ることができるのも、面白いポイントだと思います」(宮﨑)、
「好きなシーンは、トトっていう犬がいて、勝手に歌を作るシーンがお気に入りです!」(佐々木)、
「全部気に入っているシーンしか残してないんですけど、想像していなかったけどいいカットというものが一つあります。ファビエンヌが中華料理屋さんに来ているシーンなんですが、そのお店にいるワンカットだけ映るおばあちゃんが凄く良いので、是非注目していただけたらと思います」(監督)と、皆思い思いにお気に入りのシーンを挙げます。
最後にこれからご覧になる観客へ向けて「吹替版も字幕版も、どっちも観てみたら楽しいと思うので、是非観てください!」(佐々木)、
「普段字幕で観る方も多いと思うんですけど、吹替だからこそ役者さんの表情をすごくよく観れたり、感情がもっとダイレクトに伝わる部分も多いと感じましたので、ぜひどちらも楽しんで観て頂けたら嬉しいです。」(宮﨑)、
「この映画は母と娘の映画で、日本とフランスではこんなに文化が違うんだなと、色々なことを感じられるこの映画の凄さを、楽しんで観て頂けたら素敵だなと思います。劇場に沢山の人が足を運んでくださるよう、お願い申し上げます」(宮本)、
「ご覧になる前の方に読後感の話をするのはよくないと思うんですけど、自分が思っている以上に僕の映画は観終わると重く、よどむ感じがあるらしいんですが、今回の映画は予想外に明るかったと言われる方がとても多かったです。普段から暗い映画を作っているつもりはないんですけど、この映画は観終わった後に、いつもより遠回りをして帰りたくなるような、そういう気持ちになれる映画を作ってみたいと思って作り始めた映画だったので、そんな気持ちに辿り着けていれば嬉しいです。お楽しみください」 (是枝)とメッセージを送り、まさに家族のような三世代が集った温かなイベントは幕を閉じました。
以上。
是枝裕和監督『真実』予告
【STORY】
全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。 国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、 テレビ俳優の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書...... お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」 そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。
原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ 『8人の女たち』
撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
配給:ギャガ
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