今年 16 年目を迎えるスペイン&ラテンアメリカ映画の祭典「ラテンビート映画祭(LATIN BEAT FILM FESTIVAL2019)」が、11 月 7 日(木)より東京、京都、横浜、大阪の 4 都市 4 会場で順次開催となります。
本映画祭は、ラテン各国の最新作を含む選りすぐりの作品を映画館で観ることのできる貴重な映画祭です。
今年のラインナップは、スペインのホナス・トルエバ監督の『8 月のエバ』、チリの巨匠アンドレス・ウッド監督のポリティカル・サスペンス『蜘蛛』、2020 年の米国アカデミー賞国際長編映画賞部門コロンビア代表作『猿』、東京国際映画祭でコンペティション部門にノミネートされているスペイン映画『列車旅行のすすめ』などの話題作が目白押し。
さらに、東京国際映画祭共催企画として『戦争のさなかで』と『ファイアー・ウィル・カム』の 2 作品を上映する他、昨年に続いてブラジル映画特集「II CINEMA DO BRASIL」では、サン・セバスティアン国際映画祭で主要 3 部門を受賞した『ファヴェーラの娘』や各国の映画祭で話題の女性映画『見えざる人生』、異色の SF 作『神の愛』の3作品を上映します。
京都会場では、過去に本映画祭で上映し好評を博した女性監督作品をピックアップしてリバイバル上映いたします。毎年恒例の来日ゲストによる舞台挨拶ティーチインも予定しておりま す。
また、今年はスペインの文化や生活様式の体験を通じて人々を結びつけるイベント「BARRIO LITTLE SPAIN」を、品川と我孫子で開催します。
スポーツイベント、音楽、ブックフェア、アート、短編映画の上映などと共に、スペインの様々な地域の食事や飲み物を楽しめる「美食の旅」に誘います。
お子様がピンチョスやタパスを作るためのワークショップ、スペインのお祭り用の衣装に身を包んだフランメンコ舞踏がイベントをさらに盛り上げます。
上映作品
『蜘蛛』 原題:Araña
監督:アンドレス・ウッド
出演:マリア・バルベルデ、メルセデス・モラン、マルセロ・アロンソ
2019年/スリラー/チリ・アルゼンチン・ブラジル/105分
1970年代初頭のチリ。極右民族主義者のグループはアジェンデ政権の転覆を画策。メンバーのイネス、彼女の夫フスト、親友のヘラルドは、歴 史の流れを変えるような政治的犯罪を成し遂げる。だが恋愛関係のもつれもあり後にグループは分裂。40年後、イネスは名の知れた実業家とな っていた。チリの激動の政治史と男女の愛憎劇を絡めた本格派サスペンス。
監督は『マチュカ 僕らの革命』、『ヴィオレータ、天国へ』(LBFF2012出品)の名匠アンドレス・ウッド。40年後のイネス役を『夢のフロリアノポリス』(LBFF2018出品)、『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(LBFF2017出品)で注目されたメルセデス・モランが演じている。
<予告編>
『猿』 原題:Monos
監督:アレハンドロ・ランデス
出演:ソフィア・ブエナベントゥラ、フリアン・ヒラルド、ジュリアンヌ・ニコルソン
2019年/ドラマ/コロンビア・アルゼンチ ン・オランダ・ドイツ・スウェーデン・ウルグアイ・米国・スイス・デンマーク/102分
南米の山岳地帯で暮らす「猿」と呼ばれる8人の少年少女たち。彼らの生活は、一見、夏のキャンプのようにも見えるが、ゲリラ組織の軍曹の監 視下にある。彼らの役割は人質になっている米国人女性を監視し世話をすることだった。ボリビアのコカ農家の実態に迫ったドキュメンタリー『コカレ ロ』(LBFF2008出品)でデビューしたアレハンドロ・ランデス監督の最新作。サンダンス映画祭審査員特別賞をはじめ数々の国際映画祭で受賞 している。2020年の米国アカデミー賞国際長編映画賞部門コロンビア代表作。
<予告編>
『列車旅行のすすめ』 原題:Ventajasdeviajarentren
監督:アリッツ・モレノ
出演:ピラール・カストロ、ルイス・トサル、エルネスト・アルテリオ
2019年/スリラー/スペイン・フランス/103分
編集者のエルガは、電車の中でアンヘル・サナグスティンと名乗る精神科医と知り合う。アンヘルはエルガに、今まで診た患者の中でもっとも印象に残ったという、異常なまでにゴミに執着する妄想男マルティンの話を聞かせる。
マカレナ・ガルシア(『ホーリー・キャンプ!』LBFF2017出品)、ルイス・トサル(『エル・ニーニョ』LBFF2014出品)、キム・グティエレス(『マルティナの 住む街』LBFF2011出品)など、LBFFでもおなじみのスペインの豪華スターが競演するエンターテインメント・サイコスリラー。
『8月のエバ』 原題:Lavirgendeagosto
監督:ホナス・トルエバ
出演:イタソ・アラナ、ビト・サンス、ジョー・マンホン
2019 年/ドラマ/スペイン/129 分/東京国際映画祭共催
33 歳のエバは、多くの人がバカンスに出かけてしまう8月に、マドリードにとどまることに決めている。人の減った都会の休日を一人で気ままに過ごしていたエバは、ある野外イベントに参加し、今まで縁がなかった人々との出会いを経験する。バカンスシーズンを一人で過ごす女性が、ゆっくり自らと向き合い、新しい自分を見つけていく日記風の青春ストーリー。
本年のカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で審査員特別賞受賞。監督のホナス・トルエ バは『チコとリタ』、『ふたりのアトリエ~ある彫刻家とモデル』(LBFF2013 出品)の巨匠フェルナンド・トルエバ監督の息子である。
<予告編>
『六月の蛇』 英題:A snake of June
監督・出演:塚本晋也
出演:黒沢あすか、神足裕司
2002 年/ドラマ/日本/77 分
塚本監督自身が「出発点であり、ひとつの到達点」という本作は 20 年間塚本監督が温めていたアイデアがベース。死の病を宣告されたストーカ ーにより、変態的な陵辱を強要される人妻を描く。
共にガンに侵された男女の性的な駆け引きに、女の夫が絡む奇妙な三角関係が、梅雨の東京で展開され、大量の雨と切なく震える感情で画面はしっとりと濡れていく。(公式サイトより抜粋)
『野火』『斬、』の監督、大河ドラマ『いだてん』等では俳優として活躍する塚本晋也が、プロデューサー・監督・脚本・撮影監督・美術監督・照明監督・編集を担当し、2002 年のベネチア国際映画祭で審査員特別大賞を受賞したエロティック・ドラマ。
LBFF のメインビジュアルを担当するア ーティスト、アナ・フアンは、『六月の蛇』の英語版ポスターを手掛けている。