『レポマン』、『シド・アンド・ナンシー』など映画史にその名を刻むパンク監督、**アレックス・コックスの作品を一挙上映する「アレックス・コックス映画祭」(9 月 14 日(土)から 9 月 27 日(金)まで)新宿 K’s cinema にて開催となります。
この度、開催に向けアレックス・コックス監督本人からのビデオメッセージが到着しました!
今回、到着したメッセージは、アメリカのオレゴン州にあるアレックスの仕事場から、来てくれるであろう日本の観客へ向けての感謝の気持ちがアレックス本人から語られる。
そして、1988 年に『ストレート・トゥ・ヘル』のプロモーションで初来日した時の気持ちを「東京のぶっとんだ外観やぶっとんだ音の環境に 衝撃を受けた」と語っている。その後、黒澤明のドキュメンタリーを撮ったこと、東京でも撮影した『スリー・ビジネスメン』の思い出、そして、永瀬正敏主演の「私立探偵 濱マイク」シリーズの一本を手掛け、 横浜で撮影したことなどを懐かしく語っている。そして、最後にまたいつか日本で映画を撮りたいと話し、メッセージは終わっている。
アレックス・コックス映画祭の本人からメッセージ動画入り予告
今回のラインナップは、アレックス・コックスの才気を印象づけたデビュー作『レポマン』(1984)。セックス・ピストルズのメンバーで、ドラッグ中毒のため、21 歳で他界した伝説の人物、シド・ヴィシャスと恋人ナンシー・スパンゲンの破滅的ラブストーリーを描く『シド・アンド・ナンシー』(1986)。ジョー・ストラマーら出演、マカロニ・ウエスタンへのオマージュを捧げた『ストレート・トゥ・ヘル』(1987)。アレックスがメキシコを舞台に初めて全篇スペイン語で撮り、新境地を切り開いてみせた『エル・パトレイロ』(1991)。近未来のメガロポリスで起きた謎の連続殺人事件を描いた迷宮感覚のミステリー『デス&コンパス』(1996)。ラスヴェガスで生きるギャンブラーと、その複雑な人間模様を描く『ザ・ウィナー/ディレクターズ・カット版』(1996)。リヴァプール、ロッテルダム、香港、東京などが舞台となった不思議なロードムービー『スリー・ビジネスメン』(1998)。アレックスがB級映画の帝王、ロジャー・コーマンと手を組んだ『サーチャーズ 2.0』(2007)の全8本。
上映作品
『レポマン』
REPO MAN
1984 年│92 分│アメリカ│BD
出演:エミリオ・エステベス、ハリー・ディーン・スタントン
✹アレックス・コックスの才気を印象づけたデビュー作。スーパーの店員をクビになったパンク青年が、ローン未払いの車を取りたてる闇商売に手をそめていく ......。オフビートなユーモアと奇妙なSF感覚が炸裂!
ニューヨークのミニシアターでロングランとなり、カルト的な人気を獲得した。主役のパンク青年役はハリウッドの青春スター、エミリオ・エステベス。共演は『パリ、テキサス』で知られるハリー・ディーン・スタン トン(17 年 91 歳で逝去)。イギー・ポップの音楽も鮮烈な印象を残す。
©universal
『シド・アンド・ナンシー』
SID & NANCY
1986 年│112 分│イギリス│35mm
出演:ゲイリー・オールドマン、クロエ・ウェブ
✹70 年代後半のロンドンに出現し、パンク・ロック・ムーブメントの中心的なバンドとなったセックス・ピストルズ。そのメンバーで、ドラッグ中毒のため、21 歳で他界した伝説の人物、シド・ヴィシャスと恋人だったナンシー・スパンゲンの破滅的ラブストーリーを描く。コックス監督の代表作の 1 本で、『チャーチル』で 18年のオスカーを手にした名優、ゲイリー・オールドマンが若き日のシドを熱演。彼を愛するグルーピー 役はクロエ・ウェブ。
©canal plus
※メイキングの短編『イングランド・グローリー』(30分)を併映。
『ストレート・トゥ・ヘル』
STRAIGHT TO HELL
1987 年│86 分│イギリス・アメリカ・メキシコ│35mm
出演:ディック・ルード、ジョー・ストラマー
✹3 人の殺し屋が殺しには失敗するが、銀行強盗には成功。途中で車がエンコし て、ぶっそうな町にたどりつき、奪った金に目をつけられ、壮絶な死闘を繰り広げる。メキシコを舞台にしたオフビートな作品で、マカロニ・ウエスタンへの 数々のオマージュも登場。
元クラッシュのジョー・ストラマー、サイ・リチャードソン、ディック・ルード主演。デニス・ホッパー、エルヴィス・コステロ、コートニー・ラヴ、グレイス・ジョーンズなど個性豊かなゲストの演技も見ものとなっている。
©alexcoxfilms
『エル・パトレイロ』
EL PATULLERO
1991 年│103 分│日本・アメリカ・メキシコ│BD
出演:ロベルト・ソサ、ブルーノ・ビシール
✹アレックスがメキシコを舞台に初めて全篇スペイン語で撮り、新境地を切り開いてみせた作品。警察学校を出て理想に燃えていたハイウェイ・パトロールマンの主人公が次第に不正に足を踏み入れ、苦悩する姿がリアルに描写されていく。 主演はメキシコの若き男優、ロベルト・ソサ。
©alexcoxfilms
『デス&コンパス』
DEATH AND THE COMPASS
1996 年│88 分│メキシコ・アメリカ・日本│35mm
出演:ピーター・ボイル、クリストファー・エクルストン
✹アルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編の映画化で、近未来のメガロポリスで起きた謎の連続殺人事件を描いた迷宮感覚のミステリー。三原色を基調とし幻想怪奇な色彩で、不条理な世界を描写する。
個性派男優、クリストファー・エクルストン、ベテランのピーター・ボイルが出演。
©adansonia
『ザ・ウィナー/ディレクターズ・カット版』
THE WINNER
1996 年│95 分│アメリカ│35mm
出演:ヴィンセント・ドノフリオ、レベッカ・デモーネイ
✹ラスヴェガスで生きるギャンブラーが主人公で、その複雑な人間模様を描く。主役のギャンブラー役に『フルメタル・ジャケット』のヴィンセント・ドノフリオ、2 流のシンガー役にレベッカ・デモーネイ。ビリー・ボブ・ソーントン、マイケル・マドセンなど、ハリウッドの個性派たちも共演。
©stone bear
『スリー・ビジネスメン』
THREE BUSINESSMAN
1998 年│77 分│オランダ・イギリス・アメリカ│BD
出演:アレックス・コックス、ミゲル・サンドバル
✹ホテルで出会ったビジネスマンたちが街を歩き、語り合う姿を描き出す。リヴァプール、ロッテルダム、香港、東京などが舞台となった不思議な感覚のロード ムービー。
監督自身やミゲル・サンドバル、日本の永瀬正敏、田口トモロヲ等も出演している。
©mdp
『サーチャーズ 2.0』
SEARCHERS 2.0
2007 年│96 分│アメリカ│BD
出演:デル・ザモラ、サイ・リチャードソン
✹二人の中年役者がロサンゼルスからアリゾナへと復讐の旅に出る。アレックスがB級映画の帝王、ロジャー・コーマンと手を組んだ作品で、ジョン・フォード監督の西部劇の傑作『捜索者』のスタイルを借りつつも、イラク戦争など現代社会への風刺も盛り込んだ作品。出演はデル・ザモラ。
©alexcoxfilms
アレックス・コックス
ALEX COX
1954 年 12 月 15 日英国リヴァプール生まれ。オックスフォード大学で法律を学んだ後、ブリストル大学や UCLAで映画を学ぶ。デビュー作『レポマン』(84)はアメリカではカルト的な人気を獲得。『シド・アンド・ナンシー』(86)も世界中で高い評価を得た。『ストレート・トゥ・ヘル』(87)には多彩なキャストが集結、風刺劇『ウォーカー』(87)でも才気を発揮した。90 年代以降はメキシコを舞台にした『PNDC-エル・パトレイロ』(91)、ボルヘス原作の『デス&コンパス』(96)を手掛け、ハリウッド・キャストの『ザ・ウィナー』(96)、日本の男優も出演の『スリ ー・ビジネスメン』(97)、英国で撮った野心作『リベンジャーズ・トラジディ』(02)、西部劇へのオマージュ『サ ーチャーズ 2.0』(07)等、国籍を超えた活動を見せ、オフビートな風刺精神とシュールな感覚でカルト的な人気を獲得している。近年は『レポマン』の姉妹編的な“Repo Chick”(09)、SF の”Bill,the Garactic Hero”(14)、西部 劇“Tombstone Rashmon”(17)なども発表している。
配給:アダンソニア
宣伝:岩井秀世
デザイン:渡辺純