チェン・ユーシュン(陳玉勲)監督の幻の名作『熱帯魚デジタルリストア版』 『ラブ ゴーゴーデジタルリストア版』が、8月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国にて順次同時公開となります。
チェン・ユーシュン監督からの特別メッセージ動画と、
各界の著名人から推薦コメントが到着
90年代に台湾で頻発し社会問題化していた誘拐事件に、高校入試を控えた生徒が巻き込まれるという発想を元に『熱帯魚』の脚本を書き上げ、95年に映画監督デビューを果たしたチェン・ユーシュン監督。当時主流だった台湾ニューシネマとは全く異なるコミカルなタッチで社会を風刺したコメディは、エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ツァイ・ミンリャンらの影響を感じさせながらも、台湾映画の新境地を開いた作品として国内のみならず海外でも広い共感と支持を得ました。
今回同時上映となるのは、前述した奇跡のデビュー作『熱帯魚』と、台北に住む冴えない若者たちの、切なくもどこか滑稽な“恋の季節”をポップに描いた第2作『ラブ ゴーゴー』(97)の2作品。
『熱帯魚』では、ロカルノ国際映画祭青豹賞、金馬奨の最優秀脚本賞と最優秀助演女優賞を、『ラブ ゴーゴー』では金馬奨の最優秀助演男優賞と助演女優賞をW受賞するなど高い評価を獲得、その後の台湾青春映画に強い影響を与え続け、ついに公開から四半世紀を経てデジタルリマスター化が実現しました。制作当時のクオリティ、90年代台湾の空気を追体験できる貴重な機会となります。
チェン・ユーシュン監督からメッセージ動画が到着!
現在台湾にて新作映画の撮影中というチェン・ユーシュン監督から、日本の映画ファンに向けて特別にメッセージ動画が到着しました!
1995年に制作したデビュー作『熱帯魚』について「今の若い方がどう捉えるか分かりませんが、年齢に関係なく気に入ってくれると思います。ぜひ観てください。」とメッセージを寄せています。
『熱帯魚』『ラブゴーゴー』チェン・ユーシュン監督メッセージ+予告編
各界の著名人から推薦コメントが続々と到着!
映画監督の行定勲さんより「チェン・ユーシュンの『熱帯魚』と『ラブゴーゴー』は私の青春の記憶にしっかりと焼き付いている。やさしくて楽しくてちょっと残酷で。その独特な映像から放たれる映画の自由さを、私は今も追いかけているのかもしれない。」とコメントが到着。
また映画監督・三宅唱さんより、『ラブ ゴーゴー』について「手紙の文面とそのときの画面連鎖に心奪われ、歌には思わず笑い泣きした。「恋愛の映画」の枠を飛び越える「愛の映画」。観てよかった。」、スチャダラパーのANIさんより、『熱帯魚』について「台湾の映画ってそんなに見たことなかったけど、面白かった!ホノボノしてるみたいで実はそうでもない感じとか。出てる人達を全く知らないので、なんか妙なリアリティあるのもよかった。」とジャンルを問わず各界から熱烈なコメントが到着いたしました。
★『熱帯魚』に寄せられたコメント
私の中で台湾映画のベスト3に入りました。
永久保存版デス。あまりにも好きすぎて!
興奮が止まりませんっっっ
何度もクスッと笑えるので、台湾に興味なくても
すべての人にオススメしたい!!!
さあさあ、あなたの心の中の熱帯魚、解き放ってみませんか?!
一青窈(歌手)
台湾の映画ってそんなに見たことなかったけど、面白かった!
ホノボノしてるみたいで実はそうでもない感じとか。
出てる人達を全く知らないので、
なんか妙なリアリティあるのもよかった。
あとアケンがスギちゃんにしか見えなかったです。
ANI(スチャダラパー)
ジリジリと陽が照るゆるやかな海には、
恋を知った純粋な少年にしかわからない時間が流れていた。
誘拐だとか受験だとか、世間や大人は騒ぐけれど、
彼の中ではどうでも良かったのかもしれない。
心を水浸しにされたような、みずみずしい夏のお話だった。
知れば知るほど奥が深い東南アジア映画、まだ見ぬ名作が眠っていたとは!
加藤るみ(タレント)
チェン・ユーシュンがアジア映画の新時代を牽引していくのだと、
『熱帯魚』が日本で公開された97年、僕は確信していた。
残念ながら、彼の時代は訪れなかったかもしれないけれど、
あんなにふうに笑いと幸福感に満ちあふれた映画体験は、
その後、現在に至るまで味わったことがない。
門間雄介(ライター/編集者)
半袖の制服とショートカットの女の子。
へばりつく汗、湿った肌の青春グラフィティ。
台湾映画だけが持つイノセンスの源流が、
全部ここにあったことにいまさら気づいた。
思春期に観てたら絶対トラウマだ…。
完璧なデビュー作。
山内マリコ(作家)
本当に、むちゃくちゃ好きです。
ユーモアと、想像力と、優しい眼差し。
水と熱帯魚と僕らと夢。そのメタファーのさじ加減。
アナログとCGと。ゴンドリーなんて目じゃない。
東京にもこの湿度があったらいいのにな。
長久允(映画監督『ウィーアーリトルゾンビーズ』)
★『ラブゴーゴー』に寄せられたコメント
これまでいろんな映画で様々な「手紙」と「歌」をみたけれど、
『LOVE GO GO』のそれの純度の高さよ!
手紙の文面とそのときの画面連鎖に心奪われ、歌には思わず笑い泣きした。
「恋愛の映画」の枠を飛び越える「愛の映画」。観てよかった。
三宅唱(映画監督)
映画に、レモンパイを映すことは難しい。
光は、味覚を刺激しないから。
映画に、風景を映すことは難しい。
音は、肌感覚には触れないから。
映画に、恋を映すことは、最も難しい。
映画自体が、恋そのものになるしか、方法がないから。
そのすべてが映し取られてしまった映画は――
甘酸っぱさを、吹く風を、恋に落ちる魔法さえもを、我々の心にもたらす。
この奇跡を果たす陳玉勲監督は、1997年、台湾の季節の恋人なのだ。
山戸結希(映画監督)
この地味でカラフルな彼らの日々を覗いて、私なんで涙が出たんだろう。。
そうだ、ちょっと忘れ去っていたような恋のはじまり、
日々に隠された煌めき、見落としがちな愛のディティールを見たからだ。
なんて美しいんだよ。
青柳文子(モデル・女優)
ポップでカラフルな台湾、過去としての90年代。
終わってしまった幸福はいっそうまぶしくて、おかしくて、
ぷすっと吹き出しながらちょっと泣けてくる。
なんでしょうか、このへんてこな感動は。
なんでしょうかこの監督の、冴えない人々への底なしの愛は。
掛け値なしの傑作。
山内マリコ(作家)
あの頃の我々には膨大な暇と退屈があった。
恋は妄想の中で育まれたし、眠れない夜は本当に本当に長かった。
だからこそ誰かとつながれた瞬間が奇跡だった。
ほとんどの奇跡は冴えない結末を迎えたけど、愛しさとせつなさと心強さに満ちあふれた作品だった。あんな素敵なラブレターを、自分も一度でいいから書いてみたい……!
清田隆之(文筆業/「桃山商事」代表)
★『熱帯魚』『ラブゴーゴー』両作について寄せられたコメント
チェン・ユーシュンの『熱帯魚』と『ラブゴーゴー』は
私の青春の記憶にしっかりと焼き付いている。
やさしくて楽しくてちょっと残酷で。
その独特な映像から放たれる映画の自由さを、私は今も追いかけているのかもしれない。
行定勲(映画監督)
「感傷の先にある景色」
例えば恋人と別れ話をした後、あなたは何を見ているんだろう?
カップに残った紅茶か?新宿の風景か?
雑踏の中の新宿タイガーマスクか?
チェン監督作品はそんな感傷の先にある風景の捉え方が見事だ。
ある意味、リアルだし、映画的である。
感傷の先にある風景を捉えられるのは映画だけだ。と今、思った。
三木聡(映画監督)
背筋の凍るような場面や胸が苦しく涙が出そうな展開なはずなのに、
どうしてか笑えるし、なんでか心温まる。
失恋したって裏切られたって、明日はやってくるし終らないけれど、
それでも愛があれば大丈夫さ、と包み込まれる。
何だろうな、本当におかしな映画たち。愛すべき作品たち。
枝優花(映画監督『少女邂逅』)
公開記念前夜祭として、8月16日(金)20時より下北沢・本屋B&Bでのトークイベントも決定!
「映画と、もろもろから紐解く台湾カルチャー~君は“台湾ニューシネマの異端児”チェン・ユーシュンを知っているか」と題し濃厚な台湾ナイトを開催。
トークゲストには、小谷実由さん(モデル)、田中佑典さん(生活芸人)、小柳帝さん(ライター・編集者)、丸目蔵人さん(ライター)が登壇します。
イベント詳細・チケット発売情報はB&Bの公式サイト
(http://bookandbeer.com/event/20190816/)にてご確認ください。