カンヌ国際映画祭も終盤となり、そろそろパルムドールの行方が気になりますが、今年は評判となった作品も多く、混戦の模様です。(日本時間2019年3月22日)
下記に掲載した昨年の同時期の星取表と比べると分かりますが、今年は評判の高い作品も多い中で、ベテラン勢が復活し、評価の高い作品が並んでいます。
毎日カンヌで発行されているSCREENの星取表では、世界のメディアからの批評で点数を出していますが、平均で3点以上の評価となっている作品がすでに3作品もあります。
(昨年同時期では、是枝監督『万引き家族』のみ3点代でした。)
現在までのトップを走っているのが、ペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory』の(3.3)。そして、大評判となったセリーヌ・シアマ監督『Portrait of a Lady on Fire』(3.2)、クエンティン・タランティーノ監督の久しぶりのカンヌ出品作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が(3.0)と続きます。
初のコンペ部門参加組のカンヌ国際映画祭で初めての黒人系女性監督としてノミネートとされたMati Diopの長編の劇映画のデビュー作『Atlantique』(2.8)や、『薄氷の殺人』などの中国のディアオ・イーナン監督『The Wild Goose Lake』(2.7)がそれを追いかけ、過去にパルムドールを受賞している巨匠からはケン・ローチ、テレンス・マリック両監督の作品も(2.5)をつけており、それぞれ、4つ星を含む賛否ある作品ともなっていますので、平均値で計り知れない評価の高い作品です。
また今年は、低評価の作品が少ない中で、まもなく評価の出るポン・ジュノ監督や過去にパルムドール受賞したアブデラティフ・ケシシュ監督作や、フランスの巨匠アルノー・デプレシャン、そして初のパルムドールの期待もかかるカンヌの申し子グザヴィエ・ドラン監督作品もこれからの評価となりますので、今年のカンヌは混戦となる模様。
さて、どうなる?パルムドール!
参考までに、2018年の同時期の星取表。
この時点で是枝裕和監督の『万引き家族』が唯一3点代の評価(3.2)で最も高い評価となっていました。また、1点台も多いことからからも、2019年は評価の高い作品が多いということが示されています。
コンペ作品詳細は下記より
カンヌ国際映画祭公式サイト