日本アート・シアター・ギルド(ATG)の旧作を発売している“ATGライブラリー”シリーズの最新リリースとして、『股旅』(73年/市川 崑監督)、『祭りの準備』(75年/黒木和雄監督)の2作品を最新のHDデジタルリマスターで8/7(水)に発売されます。
両作品とも初Blu-ray化となります。

1960年代に発足し、既存の日本映画とは一線を画し、前衛的な芸術作品や野心的な青春映画を中心に傑作の数々を世に送り出した伝説の映画会社「日本アート・シアター・ギルド(ATG)」。

今回最新のHDデジタルリマスターで初Blu-ray化が実現したのは、市川 崑監督が大ヒットドラマ「木枯らし紋次郎」の後に萩原健一を主役の一人として起用した『股旅』と、『竜馬暗殺』を前年に手がけた黒木和雄監督が盟友原田芳雄を助演に据えた『祭りの準備』。
両作品とも「何かを成し遂げたい」と願う若者の葛藤を描き、若き日の名優の演技も光る作品で長らくBlu-ray化が望まれていた。

名を上げるためにもがく3人の若者。
若き日の萩原健一が輝きを放つ時代劇ロードムービー
『股旅』

流れ、流れて、若者たちのさすらい 市川崑が新しい映画文法で描く 青春の爆発と哀感。

画像1: ©︎1973 活動屋/東宝

©︎1973 活動屋/東宝

画像2: ©︎1973 活動屋/東宝

©︎1973 活動屋/東宝

1973年に公開された『股旅』は、ヤクザの世界で名を売ろうと、社会の底辺で懸命にもがく3人の若者の姿を描いた、異色の青春アウトロー時代劇。
前年にテレビドラマ「木枯らし紋次郎」(CX/72)を手がけ、新しい渡世人の世界を映像に鮮烈に定着させた市川崑監督が、その以前より構想を練っていた秘材を発表したのが本作。
市川崑監督が初めてATGと組んだ作品であり、義理人情というものがどういうかたちで我々の生活の中に残っているかを、自由をもとめて流れ流れる無宿人の若者を通して解明しようとした。末端に生きる人間の生態を徹底したリアリズムで描き、時代劇でありながらロードムービーでもあり、『イージー★ライダー』に代表されるようなアメリカン・ニューシネマに通じる空気感が滲む。

萩原健一と、小倉一郎、尾藤イサオという異色の3人の個性が強烈にぶつかり合い、見事な輝きを放つ。
特に公開当時22歳で『青春の蹉跌』(74/神代辰巳監督)、「傷だらけの天使」(74/NTV)、「前略おふくろ様」(75/NTV)などのヒット作へと続く純粋さと荒々しさと寂寥感を併せもつ萩原の存在感が見どころ。

画像3: ©︎1973 活動屋/東宝

©︎1973 活動屋/東宝

★ 1973年度 キネマ旬報ベスト・テン 第4位

BD:¥5,800+税(品番:KIXF-623)/DVD:¥3,800+税(品番:KIBF-1643)
●8/7(水)発売
発売・販売元:キングレコード

©︎1973 活動屋/東宝
1973年/日本映画/96分/
公開日:1973年4月7日
●監督:市川崑
●製作:葛井欣士郎、富沢幸男、大岡弘光
●脚本:谷川俊太郎、市川崑
●撮影:小林節雄
●美術:西岡善信、加門良一
●編集:平野三郎兵衛、長田千鶴子
●音楽:久里子亭、浅見幸雄
●出演:萩原健一、小倉一郎、尾藤イサオ、井上れい子、常田富士男、夏木章、加藤嘉、大宮敏充、二見忠男、野村昭子、和田文夫、加茂雅幹、吉田友紀、坂本長利、美山晋八、黛康太郎

【物語】 故郷を離れ、渡世人に憧れて旅を続ける源太、信太、黙太郎の3人の若者達。いずれも農家の食いつめ者たちだ。だが渡世の世界に入ったばかりの新参者たちに世間の風は冷たかった。厳しい世の中、喰うのもままならない空きっ腹をかかえ、3人は二井宿・番亀一家に潜り込むが...。

昭和30年代の四国・高知で燻る青年の理想と現実
『祭りの準備』

わずらわしい故郷に縛りつけられる青年の旅立ちの詩。
南国土佐の自然を背景に、黒木和雄監督が青春の哀歓と原点をつく異色ドラマ。

画像1: © 1975 綜映社/東宝

© 1975 綜映社/東宝

画像2: © 1975 綜映社/東宝

© 1975 綜映社/東宝

1975年に公開された『祭りの準備』は、NHK大河ドラマ「炎立つ」(93)や「元禄繚乱」(99)、『壬生義士伝』(03/滝田洋二郎監督)などを手がけた現代を代表する脚本家である中島丈博の半自伝的小説を、『竜馬暗殺』の黒木和雄監督が映画化した作品。
昭和30年代の高知県中村市を舞台に、脚本家志望の青年が東京に旅立つまでを描く。理想と現実が拮抗する青年の心と行動が、全く新しい感覚と鋭い洞察力で見事に描かれた傑作。本作でも脚本を手がけた中島も自らのシナリオのベスト3に本作を上げている。

名優・原田芳雄が主人公の幼馴染みで盗癖をもつ利広役で出演し、『竜馬暗殺』をはじめとする傑作を生みだした黒木和雄監督と原田芳雄の名コンビの作品の中の一本としても知られる。原田演じる利広が東京へ旅立つ主人公を鼓舞するラストシーンは名シーンとして知られ、原田は本作でキネマ旬報助演男優賞を受賞した。そのほか、竹下景子、阿藤海、森本レオなども出演している。

画像3: © 1975 綜映社/東宝

© 1975 綜映社/東宝

画像4: © 1975 綜映社/東宝

© 1975 綜映社/東宝

『股旅 ≪HDニューマスター版≫ 』

『祭りの準備≪HDニューマスター版≫ 』

★1975年度 キネマ旬報ベスト・テン 第2位、助演男優賞(原田芳雄)、脚本賞

BD:¥5,800+税(品番:KIXF-624)/DVD:¥3,800+税(品番:KIBF-1644)

● 8/7(水)発売
発売・販売元:キングレコード

© 1975 綜映社/東宝
1975年/日本映画/116分/公開日:1975年11月8日

●監督:黒木和雄
●製作:大塚和、三浦波夫
●企画:多賀祥介
●原作:中島丈博『祭りの準備』
●脚本:中島丈博
●撮影:鈴木達夫
●美術:木村威夫、丸山裕司
●編集:浅井弘
●音楽:松村禎三

●出演:江藤潤、馬渕晴子、ハナ肇、浜村純、竹下景子、原田芳雄、石山雄大、杉本美樹、桂木梨江、三戸部スエ、絵沢萠子、原知佐子、真山知子、阿藤海、森本レオ、斉藤真、芹明香、犬塚弘

【物語】

昭和30年代はじめの高知県。町の信用金庫に勤める楯男はシナリオ作家になることを夢見て、いつかはこのわずらわしいだけの町を出たいと思っていた。楯男は愛人を作って出て行った父親不在の実家で母親と祖父と3人で暮らしている。そんな楯男にとってひそかに想いを寄せる存

8月7日発売!

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