内田裕也さんが肺炎のため東京都内の入院先で死去しました。
79歳の生涯はロッカーとしての活躍はもとより、多方面での活躍は皆さんもよくご存知でしょう。
シネフィルでは内田裕也さんの映画界での痕跡を追って活躍を振り返ってみました。
生涯で映画にも、数多くの出演作はあるものの、特に以下の代表的な5本の作品は、主演など主要な役に出演していたと同時に、企画や脚本で参加しています。そして、映画人としての内田裕也さんの代表作と言っていい作品。
この5本を振り返ると、映画界においても稀有な存在だったことを、確信できます。
『水のないプール』若松孝二監督
内田裕也が企画 (1982年)
実在の事件を基にして、若松孝二監督が内田裕也主演で映画化。
MIEや中村れい子、藤田弓子のほか赤塚不二夫、黒田征太郎、タモリ、沢田研二、原田芳雄なども出演している。
『水のないプール』予告
『十階のモスキート』崔洋一監督
内田裕也が企画(1983年)
京都府警の元巡査部長による連続射殺事件をヒントに、脚本は内田と崔洋一の共同執筆で崔洋一監督のデビュー作。
主演内田裕也にアン・ルイス、小泉今日子、中村れい子、宮下順子そしてビートたけし、横山やすしなどが出演。
『十階のモスキート』予告
『コミック雑誌なんかいらない!』滝田洋二郎監督
内田裕也が脚本(1986年)
ピンク映画出身の滝田洋二郎監督が初めて手がけた一般映画。
内田裕也はテレビの人気突撃レポーター役を演じ『キネマ旬報賞』主演男優賞、『報知映画賞』主演男優賞を受賞。また『毎日映画コンクール』では共同脚本の高木功とともに脚本賞も受賞している。
作品では、実際に当時(1985年)起こった事件をあつかっており、実際の本人が数多く登場している。実際、予告を観ていただけるとわかるが、原田芳雄、桃井かおり、ビートたけし、郷ひろみからおニャン子クラブにいたるまで豪華な出演陣とともに80年代の世相やマスメディアを風刺するとともに、その時代の空気が明らかになっている。
カンヌ国際映画祭監督週間に出品し海外でも評判となった作品。
『コミック雑誌なんかいらない!』予告
『魚からダイオキシン!!』宇崎竜童監督
企画・脚本内田裕也(1992年)
1979年の若松孝二監督の『餌食』から内田裕也が企画、脚本を手がけた作品。
主演の内田裕也が、東京の都知事選に出馬したロックンローラーのYUYAとして出演。自身の実際の人生と重ね合わせている。また、監督は歌手の宇崎竜童が撮った異色作。
出演は本木雅弘や高沢順子のほかビートたけし、横山やすし、景山民夫など。
『魚からダイオキシン!!』予告
『エロチックな関係』 若松孝二監督
内田裕也が製作・脚本(長谷部安春と共同)(1978年)
製作総指揮は奥山和由、 プロデューサーとして岡田裕と内田裕也が名を連ねている。
1978年に内田裕也が出演した長谷部安春監督による同タイトルのリメイク作品で、内田の他、宮沢りえとビートたけしというキャストでも話題を呼んだ。
『エロティックな関係』予告
映画のほかにもCMにも多く出演していた内田裕也さん。
その中でも最も印象深かったCMとしてあげられるのは、ニューヨークのハドソン川を背広を着て泳ぐ1985年のPARCOのこの作品。(動画映像は悪いですが)
CM映像
そして、天国ではお二人でこんな会話をしているのでしょうか?
内田裕也さんと樹木希林さんの夫婦で共演したこんなCMも---
安らかにお眠りください。
R.I.P
CM映像