べルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『東ベルリンから来た女』や『あの日のように抱きしめて』など、歴史に翻弄された人々の数奇な運命を描きドイツを代表する名匠となったクリス ティアン・ぺッツォルト監督の最新作『未来を乗り換えた男』(1月12日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開いたします。
今週末12日からの公開を前に本編の冒頭3分間映像を公開いたします。
ナチスによる悪夢的史実と現代の難民問題を
驚くべき発想で重ね合わせた野心作!
作家アンナ・ゼーガースが1942年に亡命先のマルセイユで執筆した小説「トランジット」を、現代に置き換え映画化した話題作『未来を乗り換えた男』。
ユダヤ人がナチスの理不尽な迫害を受けた戦時中の悲劇と、祖国を追われた難民をめぐる問題が深刻化している今の状況を重ね合わせるという大胆な試みを実践した野心作だ。
別人に成りすますことで新たな未来へ乗り換えようとする元レジスタンスの青年と、夫を捨てた過去に縛られている謎めいた美女。
船による国外出航のタイムリミットが迫りくるなか、運命の悪戯でめぐり合った男女の危うい恋の行方をサスペンスフルに描き出す。
主人公ゲオルクを演じるのは、ドイツ映画賞6部門を制した『ヴィクトリア』、巨匠ミヒャエル・ハネケの『ハッピーエンド』といった話題作に相次いで出演し、2018年ベルリン国際映画祭にてシューティング・スター賞を受賞したフランツ・ロゴフスキ。
そしてファムファタール的なマリーには、フランソワ・オゾン監督作品『婚約者の友人』にて、
セザール賞やヨーロッパ映画賞にノミネートされたパウラ・べーアが扮している。
今回解禁となる本編の冒頭3分間映像は、ドイツ軍の侵攻が近づき、何台ものパトカーがサイレンを鳴らしながら街を走る現代のパリで始まる。
カフェにやってきたとある人物から「パリは封鎖される」というショッキングな知らせとともに、2通の手紙を託されたゲオルク。
いずれも文豪ヴァイデルあての手紙で、一通は妻から、そしてもう1通はメキシコ領事館からのものだった。報酬として、お金と、国外脱出のためマルセイユに向かう車に乗せてやる、という申し出をうけたゲオルクは、手紙を受け取り、不穏な空気が漂うパリの街に繰り出す――。
「もし自分が難民になったら。決して絵空事ではない。そう実感させてくれる映画だ。
行き場を失った主人公は明日の我が身かもしれない。」(赤川次郎さん/作家)、
「海の向こうにしか未来がない! そんな難民の追い詰められた悲劇を一緒に体験したような気持ち。不安が音を立てて迫ってくるナチス時代の恐怖が、現代と交叉して見えてくる。
素晴らしい映画だ。」(加藤登紀子さん/歌手)と、いち早く鑑賞した著名人からも、絶賛の声があふれる本作『未来を乗り換えた男』のミステリアスな冒頭シーンです。
謎が謎をよぶ冒頭3分映像『未来を乗り換えた男』
『未来を乗り換えた男』
監督・脚本:クリスティアン・ぺッツォルト
原作:アンナ・ゼーガース著「トランジット」
挿入歌:トーキング・ヘッズ「ROAD TO NOWEHRE」
出演:フランツ・ロゴフスキ、パウラ・べーア
2018 |ドイツ・フランス合作|102 分|デジタル5.1ch |シネスコ|
原題:TRANSIT |日本語字幕:吉川美奈子
© 2018 SCHRAMM FILM / NEON / ZDF / ARTE / ARTE France Cinéma
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム