シネフィルでは、現在活躍中の監督の過去のお宝、貴重映像なども、「映画監督とCM」などの企画ものと合わせコンスタントに取り上げていますが、2019年はより一度は観ておきたい映像を探しだしてご紹介していきます。
第一弾はマーティン・スコセッシ監督の学生時代の短編です。
1963年に巨匠マーティン・スコセッシによる9分の短編映画『『What's a Nice Girl Like You Doing in a Place Like This(君のような素敵な娘がこんなところで何してるの? )』。
ニューヨーク大学ティッシュ記念芸術学部(Tisch School of the Arts)の学生在籍時の作品。IMDbによると最初の短編は1959年の『Vesuvius Ⅵ』とされているが、今作は発表されている中では2作目の作品となる。
スコセッシ監督曰く初めてフェリーニの『8 1/2』を観た後、この映画を撮影しているとのことで、今作について「それはまったくの深さがありませんでした」言いながらも「視覚的なナンセンスの9分」でも「それは楽しかったです。」と記述している。
本作品は、アルジャーノンという作家が自分の部屋の壁にかけてある絵のことで頭がいっぱいになってしまうという強迫観念をテーマにしたコメディータッチの作品。
作品は、荒削りな中にも、随所にセンスあるカット割りや編集が感じられる。
また、今作によって、奨学金を獲得したことで監督としての第一歩になった作品でもある。