定住せず、旅をしながら映画を構想し、辿り着いた地で映画を撮影する。「シネマドリフター」と呼ばれる映画監督リム・カーワイの新作『どこでもない、ここしかない』が、11月3日(土祝)より池袋シネマ・ロサで公開されました。
スロベニア・マケドニア・マレーシア・日本の合作でありながら、スタッフと予算は最小限。
キャストは素人を起用し、演出も即興。そんな独自で大胆な方法論ながら、人間を優しく繊細に見つめる眼差しに満ちた本作の初日となる11月3日(土) 池袋シネマ・ロサにてリム・カーワイ監督最新作『どこでもない、ここしかない』のトークショーが行われました。
初日トークゲストは数年来の交友関係があるオダギリ ジョーさん。
以下、初日レポートととなります。
オダギリさん
リム君の映画、みなさんどうでしたか?
80点以上だった方?
(開場の挙手が、少数だった事にことに対し)
ちゃんとした映画でしょ?
(というオダギリさんのフォローに場内笑)
お客様からの質疑応答へ
質問 多国籍にわたる役者を起用している事に対しての監督のこだわりについて
リム監督
主人公のフェルディに会って、彼の人柄に興味を持ち、彼のキャラクターを活かしたストーリーを考えていった。
他にも面白い人がたくさんいたので、主人公をいかしたストーリーにしていった。
質問 今回主人公フェルディのキャラクターダメ男について
リム監督
ダメ男に惹かれるのかもしれない(笑)
また、フェルディとヌーダンの関係がイスラム教徒の男女関係などイスラム教徒の文化が背景にある事にも興味を持ち、ただのダメ男ではなく、そのキャラクターを活かした話にした。
リム監督が続編を考えている事で、80点以上が2人だった事に対しオダギリさんから
オダギリさん
さっき2人しかあがらなかったから、みなさんに続きを見たいか聞いてからにしたら?
お客様数人挙手
リム監督
、、そうですか。でもフェルディとヌーダンに子供が産まれたので、もう一本彼らで作るかもという返答に場内から暖かい(笑)
質問 お客様からのリム監督とオダギリジョーさんとの交友関係について
最初の出会いは2008年。
オダギリさん出演映画『プラスティック・シティ』ユー・リクウァイ監督作品が最初の出会いとのこと。
当時リム監督は監督ではなく、通訳としてオダギリさんと撮影の2.3ヶ月を共にしたとのこと。
今では監督であるリム監督に対し
「気づいたら映画撮ってたんだよね。
気づいたら、名前もシネマドリフターだった(笑)」
と、お二人の関係もわかった温かい雰囲気のトークショーとなりました。
映画『どこでもない、ここしかない』予告編
アフタートーク・スケジュール
(連日20:45分より上映開始 上映時間90分 連日リム監督登壇)
11月3日(土祝)20:45の回上映後 オダギリジョー(俳優)
11月4日(日)20:45の回上映後 濱口竜介(映画監督)
11月5日(月)20:45の回上映後 秦俊子(アニメーション作家)
11月6日(火)20:45の回上映後 向井康介(脚本家)
11月7日(水)20:45の回上映後 柘植 伊佐夫(人物デザイナー / ビューティディレクター)
11月8日(木)20:45の回上映後 舩橋淳(映画監督)
11月9日(金)20:45の回上映後 渡辺真起子(女優)
11月10日(土)20:45の回上映後 冨永昌敬 (映画監督)
11月12日(月)20:45の回上映後 内田伸輝 (映画監督)
11月13日(火)20:45の回上映後 相澤虎之助 (空族・脚本家)
11月14日(水)20:45の回上映後 真利子哲也(映画監督)
11月15日(木)20:45の回上映後 深田晃司(映画監督)
・第十夜:11月16日(金)20:45の回上映後 田中泰延 (青年失業家・写真者)
【2018年/スロベニア・マケドニア・マレーシア・日本/カラー/DCP/90分】
【監督/編集】リム・カーワイ
【撮影】北原岳志【録音】山下彩
【音楽】Lantan
【音楽プロデューサー】渡邊崇
【出演】フェルディ・ルッビジ,ヌーダン・ルッビジ,ダン, アンニャ・キルミッスイ,アウグストゥス・クルースニック
【スチール】オーレリアン・バッティスティーニ
【宣伝美術】阿部宏史 【宣伝】contrail
【宣伝協力】梶田理恵
【製作/配給】Cinema Drifters
© Cinema Drifters
[2018/Japan, Slovenia, Macedonia, Malaysia/Color/DCP/90 min]