20世紀前半のファッション写真界に大きな足跡を残し、1958年に『恋の手ほどき』でアカデミー衣裳デザイン賞、1964年あの『マイ・フェア・レディ』ではアカデミー美術賞およびアカデミー衣裳デザイン賞を受賞したセシル・ビートン。
その生涯の多彩な活躍は、1920年代に「ヴァニティ・フェア」や「ヴォーグ」などの名だたるでファッション誌を舞台に一世を風靡し、第二次世界大戦中は「LIFE」誌などで報道カメラマン、また英国王室の公式カメラマンなど--その他にも画家や作家など多岐にわたっていたことが知られています。
監督は、『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ(2011)』や日本でも公開が噂される歴史的な現代美術コレクターペギー・グッゲンハイムの映画『PEGGY GUGGENHEIM ART ADDICT』などを撮ったリサ・インモルディーノ・ヴリーランド。
彼女は、実際に20世紀のファッション界に大きな影響を与えたエディターのダイアナ・ヴリーランドの孫の嫁にあたるだけに、一連の作品はそのまま夫の家族のルーツを掘り起こす作業とも言えます。
『Love, Cecil』海外ビジュアル
この映画では、セシル・ビートンの生涯を辿って残されたアーカイヴ映像とともに、現代英国の最大の巨匠デイヴィッド・ホックニーや世界的なデザイナーマノロ・ブラニクや写真家デヴィッド・ベイリーのインタビューなども加え、彼の伝説を再び検証していきます。
2017年ハンプトン国際映画祭最優秀ドキュメンタリー受賞作品。