ヘルシンキ、カウリスマキ監督の経営する映画館アンドラ・コンプレックスに行って来ました!

アキとミカ・カウリスマキ兄弟と仲間で共同経営されている映画館とバー、パーティースペースのあるアンドラ。

世界中から訪れる多くの映画好きにサポートされ、ヘルシンキの中心、カンピ地区に25年以上、運営されているカウリスマキ・ファンの巡礼地だ。

カウリスマキ監督最新作「希望のかなた」は、人生の希望を共にスタートさせる涙と笑いの物語。
難民問題で揺れるヨーロッパをテーマに入れて、2017年のベルリン映画祭では監督賞を受賞した。
と同時に、フィンランド公共放送協会へのインタビューで、映画制作をやめると語ったことから、監督引退の噂となった作品。

本作品に登場するウエイトレス、ミルヤ役の女優さん、ヌップ・コイブさんは、もともとアンドラ内にあるコロナバーで15年間、働いていた。
以前、働いていただけにヌップさんはスタッフや常連さんとも大の仲良し。
そんな、彼女にカウリスマキ監督の本拠地となるアンドラ館内の各スペースをご案内いただいた。

映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

入り口を入ると、カウンター・バーのあるコロナバーに。
ニューヨークのストリートバーを意識して作られたこのカルトバーは昼から夜中の2時、3時までオープンしているボヘミアンバーという異名を持つ。

〈コロナバー〉のカウンターにはロベール・ブレッソンの映画「ラルジャン」のポスターが

画像1: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

広々として雰囲気も抜群な〈コロナバー〉のビリヤード・エリア

バーカウンターの後ろには広いビリヤードスペースが広がる。
特別な人たちのためでなく、誰でもが利用できる。「確か、学生には割引きもあるはず」とヌップさん。

画像2: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

そして、もう一つのバーが、
こじんまりとしたカウンターの〈カフェ・モスコバ〉
〈カフェ・モスコバ〉はマスタード・イエローと赤を基調としたソビエト時代のノスタルジックなスタイルを再現したバーで不定期にオープン。

ヌップさんは初めてアンドラ・コンプレックスで働き始めた頃、このカフェ部分での仕事をはじめた。当時は若かったし、シャイだったこともあり、なかなか上司にお隣のコロナバーでも働きたいということを伝えられず、1年後にやっと〈コロナバー〉でも働けたと当時を振り返る。

そして、地下へ降りると
地下には映画劇場〈アンドラ〉とパーティースペース〈ドブロズニク〉がある。

画像3: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

〈アンドラ〉は170席のゆったりシート。インディペンデント映画のフェスやイベントの上映が年間を通して行われている。

オールド・ファッションな雰囲気の中に、統一されていない椅子、カラフルな壁と合わさって、不思議な魅力ある空間となっている。
パーフェクトな映写技術も自負していて、プレス・スクリーニングや企業の映像上映などにも利用されているとのこと。取材当日も1日、試写会が行われていた。

フィフィティーズのノスタルジックなスタイルの劇場控え室

画像4: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

ジャック・タチの「ぼくの伯父さんの休暇」ポスターが控え室に飾られています

黒澤明の大傑作映画「七人の侍」のフィンランド語ポスターが..
今作、フィンランドではカウリスマキのスプートニックが東宝から配給していたようだ。

赤い温かみのある座席の〈アンドラ〉劇場内

画像5: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!
画像6: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

パーティもできる広いイベントスペース、ドブロズニク

ソファーにテーブル、バーカウンターに小さなステージもある〈ドブロズニク〉はラウンジとして、リビングルームとして利用されている。

映画上映の時に一緒に借りる人もいれば、会社単位、結婚式や誕生日、卒業パーティなど用途に合わせて何でもあり。DJが入る、クラブイベントも人気だそう。
「カジュアルに映画を見たい人はここでもプライベート・スクリーニングが出来るのよ」とヌップさん。ここを借り切って、日本語字幕のあるカウリスマキ映画を鑑賞できたら、何て素晴らしいのだろうと夢膨らむ。

画像7: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

ドブロズニクのバーカウンターエリア

画像8: 映画愛に溢れるアンドラ店内に潜入!

夏には、カウリスマキ監督がカウンターで呑んでいるかも..

アキ・カウリスマキ監督、ご本人は冬の間、寒いヘルシンキから暖かいポルトガルに行って過ごしていることが多いそう。
ただし、夏の間はフィンランドにいるため、コロナバーでお隣の席に座ってビールを飲んでいるちょっと大柄の男性がアキご本人だったりすることもあるとか。ということで、ヘルシンキでアキさんに会いに行くとしたら、暖かい時期が狙い目とのことでした。

ダンスレッスンに行く合間におつきあいいただいたヌップさん、色々とご案内してくれて、ありがとうございました!
(取材・文 浦江由美子/撮影 高橋マナミ)

アキ・カウリスマキ監督『 希望のかなた 』Blu-ray&DVD が発売が決定!

アンドラも舞台になっている、アキ・カウリスマキ監督の最新作『 希望のかなた 』が7月4日にBlu-ray&DVDとして発売されることとなりました。

DVDパッケージビジュアル

ビジュアルの奥の方に見えるジュークボックスやジミ・ヘンドリックスの肖像画は、実際に護送開始た〈カフェ・モスコバ〉から持ち込まれた私物で、劇中で使用されています。

画像: アキ・カウリスマキ監督『 希望のかなた 』Blu-ray&DVD が発売が決定!

『希望のかなた』Blu-ray&DVD Release予告

画像: 『希望のかなた』2018.7.4(水)Blu-ray&DVD Release youtu.be

『希望のかなた』2018.7.4(水)Blu-ray&DVD Release

youtu.be

7月4日DVD発売
価格:ブルーレイ4,700円+税 DVD 3,800円+税
【特典映像】                                  
◆劇中音楽ライブシーン(フルバージョン)×4曲                      ◆オリジナル予告/日本版予告                    
◆スチール・ギャラリー                           
◆ビジュアル・パンフレット(※劇場パンフレットを静止画で一部再録)     
発売・販売元:松竹 提供:ユーロスペース/松竹
© SPUTNIK OY,2017

あらすじ
内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手をさしのべ、自身のレストランへカーリドを雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた、行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探すふたりはやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始める…。

監督・脚本:アキ・カウリスマキ(『過去のない男』『街のあかり』『ル・アーヴルの靴みがき』)
撮影:ティモ・サルミネン                                 出演:シェルワン・ハジ、サカリ・クオスマネン、カティ・オウティネン、ヴァルプ(犬)ほか

「アンドラ」公式サイト

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