『それから』、『夜の浜辺でひとり』、『正しい日 間違えた日』、『クレアのカメラ』
日本で、ホン・サンス監督作品が立て続けに公開されます。
キム・ミニとのセンセーショナルなロマンスから、一気に作品を量産しているホン・サンス。
そして、ベルリン国際映画祭で韓国初の主演女優賞をキム・ミニにもたらしました。
彼の醸し出す独特の映像の間合いの好きな方には、たまらない4本連続公開となります。
公開日も決まりましたので、一足先に整理しておきましょう〜
監督・脚本:ホン・サンス | Hong Sangsoo |
1961年10月25日、ソウルに生まれる。映画制作を韓国中央大学で学んだ後、アメリカに留学し美術を学びながら短編の実験映画を作り、その後、滞在したフランスでは、シネマテーク・フランセーズに通い映画鑑賞に没頭した。1996年の長編デビュー作『豚が井戸に落ちた日』が批評家や各国の国際映画祭で絶賛されて以降、22年のキャリアにおいて現在までに22作品の監督作を精力的に発表し続けている。男女の恋愛を会話形式で描く独創的なスタイルは、ヨーロッパの批評家や観客に、“韓国のウディ・アレン”、“韓国のゴダール”、“エリック・ロメールの弟子”などと称され、日本でも熱狂的なファンを持つ。2004年に『女は男の未来だ』が、初のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品となり、翌年『映画館の恋』も同映画祭のコンペティション部門に出品され、ヨーロッパでの絶大な人気は不動のものとなる。2008年以降は、『アバンチュールはパリで』(08)から、イザベル・ユペール主演の『3人のアンヌ』(12)、『ヘウォンの恋愛日記』(13)まで7年連続で作品をカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭に正式出品している。日本では2012年に「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」と題して特集上映が組まれ、そのトークイベントで意気投合した加瀬亮を主演に迎えた『自由が丘で』(14)が生まれた。2015年には、『正しい日 間違えた日』が第68回ロカルノ国際映画祭グランプリと主演男優賞をW受賞し絶賛され、主演女優キム・ミニとの不倫スキャンダルを報じられるが、再びキム・ミニとタッグを組んだ『夜の浜辺でひとり』(17)が、第67回ベルリン国際映画祭主演女優賞(銀熊賞)に輝き、以降はキム・ミニを主演に作品を発表し続けている。『それから』が、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に、『クレアのカメラ』がアウト・オブ・コンペティションに正式出品され、同じ年のカンヌに2作品が招かれたことで改めてホン・サンスは世界の注目を集めた。最新作「Grass」(18)は第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されるなど、ホン・サンスは、現代の韓国映画界のみならず世界で最も確立された映画作家の一人となった。
フィルモグラフィー
1996年 豚が井戸に落ちた日 第26回ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード(最高賞)
1998年 カンウォンドの恋 第51回カンヌ国際映画祭 ある視点部門
2000年 オー! スジョン/秘花 ~スジョンの愛~ 第53回カンヌ国際映画祭 ある視点部門
2002年 気まぐれな唇 第40回ニューヨーク映画祭
2004年 女は男の未来だ 第57回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門
2005年 映画館の恋 第58回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門
2006年 浜辺の女 第57回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門
2008年 アバンチュールはパリで 第58回ベルリン国際映画祭 コンペティション部門
2009年 よく知りもしないくせに 第62回カンヌ国際映画祭 監督週間
2010年 ハハハ 第63回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ
2010年 教授とわたし、そして映画 第67回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門クロージング
2011年 次の朝は他人 第64回カンヌ国際映画祭 ある視点部門
2012年 3人のアンヌ 第65回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門
2013年 ヘウォンの恋愛日記 第63回ベルリン国際映画祭 コンペティション部門
2013年 ソニはご機嫌ななめ 第66回ロカルノ国際映画祭 監督賞
2014年 自由が丘で 第71回ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ部門/第36回ナント三大陸映画祭 金の気球賞(グランプリ)
2015年 正しい日 間違えた日 第68回ロカルノ国際映画祭 金豹賞(グランプリ)、主演男優賞(チョン・ジェヨン)
第53回ヒホン国際映画祭 最優秀作品賞、主演男優賞(チョン・ジェヨン)
2016年 あなた自身とあなたのこと 第64回サン・セバスティアン国際映画祭 シルバー・シェル(監督賞)
2017年 夜の浜辺でひとり 第67回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(主演女優賞/キム・ミニ)
2017年 クレアのカメラ 第70回カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション
2017年 それから 第70回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門
2018年 Grass 第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門
『それから』
6/9(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
男女の恋愛を描き続ける名匠ホン・サンス、新たなるステージへ。
成熟を迎えた人間ドラマの最高傑作!
監督・脚本:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、キム・セビョク、チョ・ユニ
2017年/韓国/91分/モノクロ/ビスタ/原題:그 후/英題:The Day After
6/9(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
『夜の浜辺でひとり』
新しいヒロイン像が、現代を生きる女性の心を波立たせる。
キム・ミニがベルリン国際映画祭 主演女優賞(銀熊賞)に輝いた話題作。
監督・脚本:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、クォン・ヘヒョ、チョン・ジェヨン、ソン・ソンミ、ムン・ソングン
2017年/韓国/101分/ビスタ/5.1ch/カラー/原題:밤의 해변에서 혼자/英題:On the Beach at Night Alone
6/16(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
『正しい日 間違えた日』
世界が注目する女優キム・ミニ×名匠ホン・サンスの記念すべき初タッグ作。
公開が待ち望まれていた話題作がついに公開!
監督・脚本:ホン・サンス
出演:チョン・ジェヨン、キム・ミニ、コ・アソン、チェ・ファジョン、ソ・ヨンファ、ユン・ヨジョン
2015年/韓国/121分/ビスタ/5.1ch/カラー/原題:지금은맞고그때는틀리다/英題:Right Now, Wrong Then
6/30(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
『クレアのカメラ』
フランスの至宝イザベル・ユペール × キム・ミニ × 名匠ホン・サンス
陽光まぶしいカンヌを舞台に繰り広げられる、映画祭の裏事情。
監督・脚本:ホン・サンス
出演:キム・ミニ、イザベル・ユペール、チャン・ミヒ、チョン・ジニョン、ユン・ヒソン、イ・ワンミン、カン・テウ、マーク・ペランソン、シャヒア・ファーミー
2017年/韓国/69分/ビスタ/5.1ch/カラー/原題:빌링블록/英題:Claire’s Camera