今春、ジャパン・ソサエティー(JS)映画部では、JS創立110周年記念・特別企画の一環として、日本映画黄金期を駆け抜けた撮影監督、宮川一夫(1908年~1999年)の生誕110周年を記念した『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』シリーズを開催されることとなりました。
本シリーズは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)との共催となり、上映作品本数は、両館で計25本、シリーズ開催直前にFilm Forumで上映される2本を合わせると27本となり、日本映画の黄金期を君臨した宮川が撮影した数々の名作がニューヨーク3館で一挙に回顧上映されます。
4月13日のJSでのオープニング上映作品には、宮川が小津安二郎監督と組んだ唯一の作品『浮草』(1959年)の新4Kリマスター版を上映します。
上映会では宮川の長男・宮川一郎氏と長年に渡り宮川の撮影助手を務めた宮島正弘氏が冒頭の舞台挨拶で登壇予定、4月14日の特別トーク「撮影監督・宮川一夫」では、宮川一郎氏と宮島正弘氏が登壇し、撮影監督・宮川一夫の人生とその仕事風景について語っていただきます。
また、1943年版『無法松の一生』、『ある殺し屋』(1967年)、『鬼の棲む館』(1969年)、『刺青』(1966年)等を含めた近年劇場ではあまり観ることができない傑作の35ミリ版や日本映画を代表する作品、『羅生門』(1950年)、市川崑監督の『東京オリンピック』(1965年)の4Kリマスター版等を含めた豪華なラインナップとなっています。
『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』予告
本シリーズのニューヨーク近代美術館での上映会は、4月12日に新4Kリマスター版『浮草』の世界初上映ではじまり、『越前竹人形』(1963年)、『手をつなぐ子等』(1948年)、『炎上』(1958年)などやJSでも上映する作品に加えて、4月29日まで追加で12作品を紹介します。
本シリーズ開催前の4月6日~12日にはFilm Forumで溝口健二監督の傑作『山椒大夫』(1954年)と『近松物語』(1954年)の新4Kリマスター版が上映され、JSのマンスリー・クラシック上映会では、3月2日に上映した『用心棒』(1961年)に続き、4月6日には溝口健二監督の『雨月物語』(1953年)の新4Kリマスター版を上映します。
JS映画部シニア・フィルム・プログラマーの増渕愛子コメント
「1981年にニューヨークでジャパン・ソサエティーが宮川一夫氏をゲストに迎えて25作品を紹介する回顧シリーズを行った以来の宮川氏の素晴らしい仕事に焦点を当てた大規模な特別シリーズ上映会となります。宮川一夫生誕110周年とジャパン・ソサエティーの創立110周年を機に、MoMAとFilm Forumと連携してこの偉大な撮影監督を称える包括的な回顧シリーズを開催出来ることに大変喜びを感じています。撮影した作品は、日本映画史の中で最も観られていてながらも滅多に語られることがない撮影監督、宮川一夫を新しい世代のニューヨーカーたちに紹介する良い機会となるでしょう。」
ニューヨーク近代美術館・映画部キュレーターのジョシュア・シーガル氏コメント
「宮川一夫氏は市川崑監督の『おとうと』(1960)の撮影で、「銀残し」という現像手法の考案者として知られています。この手法により彩度と色調のコントロールをより得ることが出来ました。それから半世紀以上経っても、この様な技術や芸術的革新は、ヴィットリオ・ストラーロや本年度の第90回アカデミー賞撮影賞を獲得したロジャー・ディーキンスを含めて幅広い層の撮影監督に影響を与えています。これらの撮影監督は、銀残し手法を使用し、カラー映像に銀色の光沢を残したり、外の撮影で鏡を使い日光と影のまだらな効果を出したりなど宮川考案の技法を用いています。」
【宮川一夫プロフィール】
1908年2月25日、京都市生まれ。1926年18歳で日活京都へ現像部助手として入社。約3年間の現像処理の従事期間を経て、撮影助手を経験。尾崎純監督の『お千代傘』(1935年)にて撮影監督デビュー。稲垣浩監督『無法松の一生』(1943年)での美しい映像で高い評価を得た後、溝口健二、黒澤明、小津安二郎、市川崑などの巨匠監督による作品を撮影。黒澤明監督との初コンビ作品『羅生門』(1950年)では、日本映画初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞とアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞。溝口健二監督の『雨月物語』(1953年)では、英国エディンバラ国際映画祭で最高賞を受賞。黒澤明監督の『用心棒』(1961年)などでNHK映画賞撮影賞、『おとうと』(1960年)『はなれ瞽女おりん』(1977年)などでは毎日映画コンクール撮影賞など受賞多数。また、『おとうと』の撮影において、物語の時代設定である大正の雰囲気を出す為にフィルムの発色部分の銀を残す独特の技法「銀残し」を生み出した。この技法は現在、世界中の映画で広く用いられている。1978年に紫綬褒章、1983年に勲4等旭日小綬章。1992年には山路ふみ子文化賞、川喜多賞を受賞。「監督と撮影監督は夫婦のような関係」という持論のもと、60年以上にわたり、40人以上の監督とともに映画を撮影。映画136本、テレビ映画8本を撮影し、1999年8月7日に91歳で他界。
【上映スケジュール&作品紹介】 *以下、上映順・全作品英語字幕つき
『浮草』 監督・小津安二郎
Floating Weeds
4月13日 金曜日 午後7時
*新4Kリマスター版
*宮川一夫の長男・宮川一郎氏と宮川の撮影助手を務めた撮影技師、宮島正弘氏の冒頭舞台挨拶付き
*上映会後にはオープニング・レセプションを開催!
旅回り一座の浮草稼業ぶりを描いた1934年の小津監督自身の無声映画『浮草物語』をリメイクした作品。8月の盛り、旅回りの一座が船で三重県の小さな漁村にやってくる。座長・駒十郎(中村鴈治郎)と古株の数名は、12年前にもこの土地に来ていたが、駒十郎の内妻すみ子(京マチ子)、若い加代 (若尾文子)などは初めて来た場所であった。実は、この土地には駒十朗の息子である清(川口浩)とその母親であるお芳(杉村春子)が暮らしていた。駒十朗は久し振りに2人に会い、くつろいだ時間を過ごすが、2人のことはすみ子には内密にしていたのであった。世界の巨匠・小津安二郎監督の晩年の傑作は色彩と照明を深く理解している宮川一夫により鮮やかに表現されている。
1959年|119分|DCP|カラー| 監督・小津安二郎|出演・中村鴈治郎 京マチ子 若尾文子 浦辺粂子
『羅生門』 監督・黒澤明
Rashomon
4月14日 土曜日 午後4時30分
芥川龍之介の小説『薮の中』を黒澤明監督が映画化した傑作中の傑作。平安時代のとある薮の中。侍(森雅之)とその妻(京マチ子)が盗賊(三船敏郎)に襲われ、武士は死亡し、事件は検非違使によって吟味される事になる。しかし、目撃者の杣売(志村喬)と旅法師(千秋実)、捕らえられた盗賊と侍の妻、巫女により呼び出された侍の霊、それぞれの証言は異なっていた…。保身の為に嘘をつく、人間のエゴイズムが描写された名作。当時ではタブーとされていた太陽を直接撮影したり、暗い森の中でのシーンなど、斬新かつ革新的な撮影技法はこの作品の名を世界に轟かせる一因ともなった。第12回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、第24回アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞。黒澤は宮川の撮影を「百点以上だ!」と評価した。
1950年|88分|DCP|白黒 | 監督・黒澤明|出演・三船敏郎 京マチ子 森雅之 志村喬
『無法松の一生』 監督・稲垣浩
The Rickshaw Man
4月14日 土曜日 午後7時
喧嘩っ早い人力車夫・松五郎の生涯と彼をとりまく人々との交流を描いたヒューマンドラマ。松五郎こと無法松(阪東妻三郎)はトラブルを引き起こす暴れ者だが、どこか憎めない人力車夫。ある日、竹馬から落ちた少年・敏雄(沢村晃夫)を助けたことがきっかけで陸軍大尉の吉岡家へ出入りするようになるが…。当時の検閲により数か所のシーンがカットされたにも関わらず、驚くほどの好評を博し、劇場公開された年の興行収入ランキングは第2位。1958年に稲垣監督自身が本作をリメイクしている。ラストシーンで松五郎が披露する小倉祇園太鼓の暴れ打ちはこの映画から生まれ、今も夏祭りの定番として親しまれている。宮川一夫は本作を自身の「原点」と語っている。
1943年|80分|35mm|白黒 | 監督・稲垣浩|出演・阪東妻三郎 月形竜之介 園井恵子 杉狂児
『ある殺し屋』 監督・森一生
A Certain Killer
4月17日 火曜日 午後7時
市川雷蔵による現代サスペンスドラマ。藤原審爾の原作『前夜』を『赤い天使』の増村保造と『大捜査網』の石松愛弘が共同で脚色。普段は板前として小さな店を経営している塩沢(市川雷蔵)の裏の顔は、畳針一本でどんな命も奪ってしまう凄腕の殺し屋。どんな誘惑にも乗らず、ただ仕事を実行するだけのストイックな男。そんな塩沢のもとに欲望のままに生きるタフな女・圭子(野川由美子)とヤクザの前田(成田三樹夫)が接近する…。当時の日本のバラック小屋や埋め立て地、墓場などのロケーションとくすんだグレー調の映像が殺伐とした作品の雰囲気を引き立てている。和製フィルム・ノワールの決定版。
1967年|82分|35mm|カラー| 監督・森一生|出演・市川雷蔵 野川由美子 成田三樹夫 渚まゆみ
『座頭市千両首』 監督・池広一夫
Zatoichi and the Chest of Gold
4月20日 金曜日 午後7時
市(勝新太郎)は、3年前に斬った吉蔵という男の墓参に上州板倉村を訪れていた。そんな折、村では上納金を運搬途中の農民が山道で正体不明の一団に襲われ千両箱強奪事件が発生する。村人たちの証言から国定忠治一家の仕業と疑いがかかり、市もその一人に数えられてしまう。疑いを晴らすべく、市は忠治一家が立て籠る赤城山へ向かうが…。撮影に宮川一夫、脚本に浅井昭三郎と太田昭和を迎えて新布陣で製作された座頭市シリーズ第6作。オープニングのタイトルバックは、舞台演劇風の演出が用いられたり、超ロングショットやローアングルなどの宮川独特のフレームワーク、またラストの勝新太郎の実兄・若山富三郎の対決シーンなど見所満載の娯楽時代劇の傑作。
1964年|83分|35mm|カラー| 監督・池広一夫|出演・勝新太郎 坪内ミキ子 長谷川待子 城 健三朗(若山富三郎)
『東京オリンピック』 監督・市川崑
Tokyo Olympiad
4月21日 土曜日 午後2時
「世界の平和と友情をただの記録映画として残したくはない」。競技者だけにスポットをあてるのではなく、細部にまでこだわり撮影された映像は記録映画の常識を超え、記録か芸術家か、という論争にまで発展した、1964年の東京オリンピックの全貌を収めた伝説的長編記録映画。和田夏十、白坂依志夫、谷川俊太郎、市川崑の共同シナリオを軸に、宮川一夫の主導の元、撮影技師164人が、イタリアテクニスコープ・カメラ5台と、200ミリ、1600ミリの超望遠レンズ、その他光学技術最高の技術をふるって撮影した、五輪映画初のワイド版。総勢スタッフ数は556人。1965年カンヌ国際映画祭特別招待作品。
1965年|170分|DCP|カラー|監督・市川崑
『鬼の棲む館』 監督・三隅研次
The Devil’s Temple
4月21日 土曜日 午後6時
南北朝時代の山奥の古寺を舞台に繰り広げられる四人の男女の愛憎劇。谷崎潤一郎が大正13年(1924年)に発表した代表的戯曲『無明と愛染』を新藤兼人の脚色で映像化。無名の太郎と異名をとる盗賊(勝新太郎)が、白拍子あがりの情人・愛染(新珠三千代)と爛れた愛欲生活に耽っている。 そこに、京からはるばる太郎を探し訪ねてきた太郎の妻・楓(高峰秀子)が加わり、奇妙な同棲生活が始まる。それから半年ほども過ぎたある晩、道に迷った高野の上人(佐藤慶)が、一夜の宿を乞うて訪れた。その男は、愛染の昔の恋人であった…。主にアクション時代劇映画で知られている三隅監督が宮川とタッグを組んだ文芸作品。
1969年|76分|35mm|カラー| 監督・三隅研次|出演・勝新太郎 高峰秀子 新珠三千代 佐藤慶
『刺青』 監督・増村保造
The Spider Tattoo
4月21日 土曜日 午後8時30分
谷崎潤一郎の同名の原作を新藤兼人が脚色した文芸作品。雪が舞い落ちるある夜、質屋の娘お艶(若尾文子)と手代の新助(長谷川明男)は駈け落ちをし、店に出入りをしていた権次夫婦(須賀不二男、藤原礼子)に引き取られる。しかし夫婦は、お艶を芸者として売りとばし、新助を殺そうと計画をしていた。とある晩、計画を実行に移し、殺し屋三太(木村玄)を新助の下に差しむけた権次だが、抵抗した新助は三太を短刀で殺してしまう。その頃、土蔵に閉じこめられていたお艶は、刺青師清吉(山本学)のために、薬をかがされ、気を失い、美しい白い肌一面に巨大な女郎蜘蛛の刺青をほどこされていたのだった…。イーストマン・フィルムを使い、宮川は浮世絵を思わせる色鮮やかでシャープな映像で魅せている。
1966年|86分|35mm|カラー| 監督・増村保造|出演・若尾文子 長谷川明男 山本学 佐藤慶
『赤線地帯』監督・溝口健二
Street of Shame
4月28日 土曜日 午後2時
1950年代に実際に進められていた売春防止法制定前後の社会情勢をリアルタイムに映し出した群像悲喜劇。赤線地帯、吉原にある特殊飲食店「サロン 夢の里」。そこでは様々な境遇におかれ、目的を持ち働く女性達が生きていた。そんなさなか、国会には売春禁止法案が上提され、店主(進藤英太郎)は、法案が通れば娼婦は監獄へ入れられるといって彼女等を慌てさせる。当時の大映オールスターが集結し、主に5人の女性に焦点を当てた物語。役者それぞれの個性光る演技も見どころ。『雨月物語』等、数々の傑作を宮川の撮影と共に生み出した巨匠・溝口健二監督の遺作。
1956年|87分|35mm|カラー| 監督・溝口健二|出演・若尾文子 三益愛子 京マチ子 川上康子 木暮実千代
『鍵』監督・市川崑
Odd Obsession
4月28日 土曜日 午後4時30分
古美術の鑑定家・剣持(中村鴈治郎)は、老化と精力の衰退に悩み病院へ通っている。担当するインターンの木村(仲代達矢)は娘・敏子(叶順子)の婚約者である。剣持は、ある日酔って風呂場で倒れた妻・郁子(京マチ子)を木村に介護させ、そこからくる嫉妬で欲を満たそうとする…。それぞれの登場人物が持つ欲望と性欲を、ブラックユーモアをからめて見事に表現した作品。第13回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、第17回ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞。また本作で市川監督は第10回ブルーリボン賞監督賞受賞。黒い影と白い光のコントラストを強調させる、抑え気味のカラー映像で内に潜めた情熱と表向きの格好の複雑な葛藤が宮川の映像美で一層引き立てられている。
1959年|107分|35mm|カラー| 監督・市川崑|出演・京マチ子 中村鴈治郎 叶順子 仲代達矢
『はなれ瞽女おりん』監督・篠田正浩
Ballad of Orin
4月28日 土曜日 午後7時
三味線を片手に旅をしながら、説話やその土地の出来事・風俗などを民家の軒下で弾き語りをして唄う、盲目の女旅芸人・瞽女の純愛悲劇。大正7年(1918年)春、瞽女・おりん(岩下志麻)はある日、一人の大男・平太郎(原田芳雄)と出会い、二人は翌日から所帯道具を積み込んで、旅を続けていた。縁日にて店を構えていたある日、許可なく店をはったと、男は土地のヤクザに呼び出された。まもなくしておりんのもとへ戻ってみると…。雪深い新潟の山里や荒れ狂う日本海など、自然を美しくとらえたカメラワークは必見。毎日映画コンクール撮影賞受賞作品。
「通常の日本の撮影で『はなれ瞽女おりん』が撮影されていても、本作は観る価値がある。しかし、宮川一夫のカメラで一層その価値が高くなる。」-The New Republic
1977年|117分|35mm|カラー| 監督・篠田正浩|出演・岩下志麻 原田芳雄 奈良岡朋子 神保共子
【『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』シリーズ・関連プログラム】
講演会
『撮影監督・宮川一夫』
Cinematographer, Kazuo Miyagawa
4月14日 土曜日 午後3時
撮影監督宮川一夫の長男・宮川一郎氏と長年に渡り宮川一夫のアシスタント撮影技師を務めていた宮島正弘氏を迎えて、宮川一夫にまつわるスペシャル・トークを開催します。司会には大阪芸術大学にて宮川一夫の元で学んだ経験もある、ロチェスター大学・近代言語文化学部 日本文化・映像文化学教授ジョアン・ベルナルディ博士を迎えます。
本シリーズ中の映画チケット購入者対象に限り無料。席数には限りがありますので、あらかじめご了承ください。先着順。約60分。
【関連イベント情報】
マンスリー・クラシック上映会【上映スケジュール&作品紹介】
*以下、上映順・全作品英語字幕つき
『雨月物語』監督・溝口健二
Ugetsu
4月6日 金曜日 午後7時
日本映画が誇る名作。戦国時代末期、琵琶湖北岸の村に暮らす百姓の源十郎(森雅之)は、陶芸の才を発揮し、焼物を町まで売りに行くことで生計を立てていた。いつものように源十郎は、妻(田中絹代)と子(沢村市三郎)を村に残し、町まで焼物を売りに行く。町の路上で自作の焼物を売っていると、若狭姫(京マチ子)が源十郎の焼き物を屋敷まで届けて欲しいと言う。何かに取りつかれたかの様に、姫に魅了されてしまう源十郎はそのまま生活をともにするようになる。第13回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。新4Kリマスター版で撮影監督・宮川一夫の絵巻の様に広がる幽玄な映像美が蘇る。
1953年|94分|DCP|白黒 | 監督・溝口健二|出演・京マチ子 水戸光子 田中絹代 森雅之
『すべてが狂ってる』監督・鈴木清順
Everything Goes Wrong
5月4日 金曜日 午後7時
1950年代中盤に巻き起こった太陽族映画を復活させるべく、日活スタジオにより制作された鈴木清順監督の初期作品。母子家庭に育った不良高校生グループの一人、杉田次郎(川地民夫)は男からの世話を受ける母(奈良岡朋子)への不信から気が晴れず家を飛び出してしまう。カップルを襲い金を巻き上げ、挙句にはオープンカーを盗み、次郎へ思いを寄せる不良グループのメンバー、敏美(禰津良子)とともに暴走する。もうすでに全てが狂い始めていた…本編を通して流れるジャズサウンドや、手持ちカメラで撮られたドキュメント風の映像、坂本九やデビュー間もない吉永小百合などの豪華キャスティング等、一瞬たりとも目を離せない和製ヌーヴェル・ヴァーグ映画。
1960年|71分|35mm|白黒 | 監督・鈴木清順|出演・川地 民夫 吉永小百合 禰津良子 中川姿子
*チケット・インフォメーション*
『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』シリーズ上映会
入場料:一般 13ドル/シニア・学生 10ドル/ 会員 9ドル
*4月13日(金)の上映会『浮草』&オープニング・レセプション付きのチケット:
一般 17ドル/シニア・学生 14ドル/会員 13ドル (映画のみのチケットはありません)
本シリーズの3作品を同時にご購入頂いた場合には、チケット一枚につき2ドルの割引が適用されます。
『マンスリー・クラシック』上映会入場料:一般 13ドル/シニア・学生 10ドル/会員 5ドル
*グル ープ(10人以上)割引あり。詳細は f2@japansociety.org までお問い合わせください。
会場: ジャパン・ソサエティー
(333 E. 47th St., (between 1st and 2nd Avenues), New York, NY 10017)
チケット購入:
ボックス・オフィス(212-715-1258 月曜~金曜 午前11時~午後7時/土日(展覧会開催中のみ) 午前11時~午後5時)もしくはオンラインwww.japansociety.org
上映作品のタイトルおよび上映開始時刻は予告なしに変更されることがありますのでご了承ください。最新情報、詳細はwww.japansociety.org をご覧ください。
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JS での『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』シリーズは、The Globus Family のご協力をいただいています。
JS映画部(2017年ー2018年度)は、以下の団体・基金及び個人よりご支援・ご協力をいただいています。
The Lila Wallace-Reader's Digest Endowment Fund
The Globus Family
Masu Hiroshi Masuyama
James Read Levy
Geoff Matters
David S. Howe
Dr. Tatsuji Namba
Mr. and Mrs. Omar H. Al-Farisi
Laurel Gonsalves
Akiko Koide and Shohei Koide
ニューヨーク近代美術館(MoMA)での『宮川一夫:日本の偉大な撮影監督』シリーズは、MUFG Union Bankよりご支援・ご協力をいただいています。
【JSについて】
JSは、1907年(明治40年)にニューヨークに設立された米国の民間非営利団体です。全米最大の日米交流団体として、両国間の相互理解と友好関係を促進するため、多岐に渡る活動を1世紀以上にわたって続けています。その活動範囲は、政治・経済、芸術・文化、日本語教育など幅広い分野にまたがる各種事業や人物交流などを通じて、グローバルな視点から日本理解を促すと同時に、日米関係を深く考察する機会を提供しています。今日、JSは日米の個人・法人会員をはじめ、政財界のリーダー、アーティスト、教育関係者、学生など様々な参加者を対象に年間約200件のプログラムを提供しています。
2017年-2018年度、JS では、創立110周年(1907-2017)を記念し、21世紀の豊かなつながりを軸に、多角的・多彩なプログラムを企画・開催します。日本の劇場との国際共同制作による新作のオペラとダンス作品を日米の両国で上演するという初の試みをはじめ、秋の美術展では、16世紀後半に日本から西洋世界を目指した最初期の文化交流を今日の目で探求する展覧会を開催。その他にも、ビジネス界リーダーや影響力のある文化人による講演、社会および教育面でのイノベーションに焦点をあてたコンテンツを提供します。
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スケジュール一覧
3月2日 金曜日
午後7時 用心棒 (Japan Society)
4月6日 金曜日
午後7時 雨月物語(Japan Society)
4月6日 金曜日~4月12日 木曜日
近松物語 (Film Forum)
山椒大夫 (Film Forum)
※1日に数回上映
4月12日 木曜日
午後4時30分 無法松の一生 (MoMA)
午後7時30分 浮草 (MoMA)
4月13日 金曜日
午後4時30分 鴛鴦歌合戦 (MoMA)
午後7時 浮草+ オープニングレセプション (Japan Society)
午後7時30分 手をつなぐ子等 (MoMA)
4月14日 土曜日
午後1時30分 鴛鴦歌合戦 (MoMA)
午後3時 講演会「撮影監督、宮川一夫」
午後4時30分 羅生門 (Japan Society)
午後4時30分 手をつなぐ子等 (MoMA)
午後7時 無法松の一生 (Japan Society)
午後7時30分 弁天小僧 (MoMA)
4月15日 日曜日
午後1時30分 弁天小僧 (MoMA)
午後4時30分 西陣の姉妹 (MoMA)
午後7時30分 新・平家物語 (MoMA)
4月16日 月曜日
午後4時30分 赤線地帯 (MoMA)
午後7時 雨月物語 (MoMA)
4月17日 火曜日
午後4時30分 西陣の姉妹 (MoMA)
午後7時 ある殺し屋 (Japan Society)
午後7時30分 新・平家物語 (MoMA)
4月18日 水曜日
午後4時30分 用心棒 (MoMA)
午後7時 羅生門 (MoMA)
4月19日 木曜日
午後7時 越前竹人形 (MoMA)
4月20日 金曜日
午後4時30分 炎上 (MoMA)
午後7時 座頭市千両首 (Japan Society)
午後7時30分 おとうと (MoMA)
4月21日 土曜日
午後1時30分 越前竹人形 (MoMA)
午後2時 東京オリンピック (Japan Society)
午後4時30分 おとうと (MoMA)
午後6時 鬼の棲む館 (Japan Society)
午後7時30分 炎上 (MoMA)
午後8時30分 刺青 (Japan Society)
4月22日 日曜日
午後2時30分 朱雀門 (MoMA)
午後5時 千羽鶴 (MoMA)
4月23日 月曜日
午後7時 鍵 (MoMA)
4月24日 火曜日
午後4時30分 千羽鶴 (MoMA)
午後7時30分 朱雀門 (MoMA)
4月25日 水曜日
午後4時30分 鑓の権三 (MoMA)
午後7時30分 刺青 (MoMA)
4月26日 木曜日
午後4時30分 沈黙 (MoMA)
午後7時30分 はなれ瞽女おりん (MoMA)
4月27日 金曜日
午後4時30分 座頭市千両首 (MoMA)
午後7時30分 ある殺し屋 (MoMA)
4月28日 土曜日
午後1時30分 鬼の棲む館 (MoMA)
午後2時 赤線地帯 (Japan Society)
午後4時30分 鍵 (Japan Society)
午後4時30分 沈黙 (MoMA)
午後7時 はなれ瞽女おりん (Japan Society)
午後7時30分 鑓の権三 (MoMA)
4月29日 日曜日
午後1時30分 沈黙 (MoMA)
午後4時30分 東京オリンピック (MoMA)