『マルチプル・マニアックス』(1970年)や『ピンク・フラミンゴ』(1972年)などカルト映画の帝王ジョン・ウォーターズ。
毎年Artforum誌でベスト10を発表しているが、芸術的で歴史的な作品を配信することで有名なMUBIなどでも彼の選んだ作品を2000年から現在に至るまでコーナーを設け紹介しており、すでに世界的に個人の発表する映画ランキングでは世界で最も有名なランキングとなっています。
以下、今年度のランキングとなります!
1位には、エドガー・ライト監督『ベイビー・ドライバー』が選ばれ、アンセル・エルゴートのカーチェイスにジョン・ウォーターズは『サタデー・ナイト・フィーバー』のジョン・トラボルタを初めて見たときのようだとコメントしています。
そのほか、シネフィルでもご紹介したベルトラン・ボネロ監督『ノクトラマ/夜行少年たち』やトッド・ヘインズ監督『ワンダーストラック』、ウディ・アレン監督『Wonder Wheel』(原題)などいかにもシネフィル的な作品がランキングされています。
また、日本公開されていない作品も多いのですが、2位にランキングされている『I, Olga Hepnarová』と10位にランキングされている『Tom of Finland』は気になる作品です。
『I, Olga Hepnarová』はチェコの作品で1973年に実際にトラックで8人をひき大量殺人者となった女性を描いています。彼女は23歳でチェコで最後の絞首刑になった女性です。
モノクロで、その彼女の自己破壊へと向かう内面を描こうとした野心的な作品です。
また『Tom of Finland』は2017年のフィンランドのアカデミー賞外国語映画部門でノミネート推薦作品です。
ゲイシーンを描くアーティストとして世界的に一斉を風靡したトム・オブ・フィンランドの伝記映画。過激な当時のゲイシーンが描かれていてこれもまた興味深い作品となっています。
ぜひ予告をご覧ください!
1位『ベイビー・ドライバー』
エドガー・ライト監督
2017年8月 日本公開
2位『I, Olga Hepnarová』
Tomáš Weinreb & Petr Kazda監督
日本未公開
3位『The Strange Ones』
ローレン・ウルクスタイン&クリストファー・ラドクリフ監督
日本未公開
4位『ノクトラマ/夜行少年たち』
ベルトラン・ボネロ監督
2016年 東京国際映画祭で上映
5位『ワンダーストラック』
トッド・ヘインズ監督
2018年 日本公開予定
6位『エリザのために』
クリスティアン・ムンジウ監督
2017年1月 日本公開
7位『嘘の天才~史上最大の金融詐欺~』
バリー・レヴィンソン監督
日本はスターチャンネルにて放映
8位『Lady Macbeth』(原題)
ウィリアム・オールドロイド監督
日本未公開
9位『Wonder Wheel』(原題)
ウディ・アレン監督
日本未公開
10位『Tom of Finland』(原題)
ドメ・カルコスキ監督
日本未公開