世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』(09)以来、7年 ぶりに監督を務めた最新作『ノクターナル・アニマルズ』がTOHOシネマズ シャンテほか全国絶賛公開中です。
主演にエイミー・アダムス(『メッセージ』)、ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』)の実力派の2人を迎えた本作は、第 73 回ヴェネツィア国際映画祭で審査員グランプリ受賞をはじめ、脇を固める名優マイケル・シャノ ンが本年度アカデミー賞®で助演男優賞にノミネート、アーロン・テイラー=ジョンソンが第 74 回ゴールデン グローブ賞助演男優賞を受賞するなど、各国の映画祭で受賞を重ね、高い評価を受けています。
『シングルマン』でファッションフリークのみならず、映画ファンの心もつかんでいたトム・フォード。本作の公開が始まると、初回から映画ファンと思しき男性客とともにおしゃれな女性客も劇場に詰めかけた。「トム・フォードだからって “おしゃれ映画でしょ。自分と関係ない”と思っていたらもったいない!映画としてものすごい傑作」など、もはやファッションデザイナーというよりは映画監督として映画ファンの間でも認識が強まったと思われる感想が SNS でも散見される。
トム・フォード=完璧主義!
この度解禁された動画では出演者の証言を元にトム・フォード監督がいかに類まれな映画監督か、ということについて触れている。
主演のエイミー・アダムスは「細部にまでこだわっている。本当に素晴らしい経験で、彼と仕事が出来て良かった」と、またジェイク・ギレンホールは「彼はとてもユニークで、映画を愛している。それが(この映画や監督という素質で)一番大事なことだと」と語り監督を絶賛。
さらに「ユーキャン・カウント・オン・ミー」(00/ケネス・ロナーガン)、「マイ・ライフ、マイ・ ファミリー」(07/タマラ・ジェンキンス)などの作品でアカデミー賞にノミネート経験のある実力派女優ローラ・リニーは「監督に求められるものを全て備えているの」と語り、本作で ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞したアーロン・テイラー=ジョンソンは「自分の求めるものをしっかり把握している」と分析。
出演者の証言どおり、トム・フォード監督はクレジットに残らないエキストラの衣裳の手直しから、カメラのアングルチェックまで全てに自分の手を入れてこだわりを見せている。
また、メイキング写真を見ると、自分のファッションも、シーンごとに合わせた演出をしているようだ。アートギャラリーのエキシビションシーンではスーツを、テキサスの荒野シーンでの撮影にはデニムとテンガロンハットの組み合わせ。万が一写り込んでも違和感がないように、との配慮もあるのだろう。そのこだわりこそが、世界観を崩すこのなく完璧な演出をする一工夫なのだ。
世界的ファッションデザイナーとしてグッチやイヴ・サンローランなどの有名ブランドのデザイン
を手がけ、またそれらのブランドの栄光の歴史として名を刻むまでに至ったトム・フォードのこだわりは、ファッションのみならず映画にもその本領を発揮し、隙のない細部にまで目の届いた上質な恋愛ミステリーを作り上げた。
こだわりの監督術が垣間見れる
メイキング&インタビュー特別映像『ノクターナル・アニマルズ』
脚本・監督:トム・フォード
出演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ・フィッシャー、 アーミー・ハマー、ローラ・リニー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーン/
原作:「ノクターナル・アニマルズ」(オースティン・ライト著/ハヤカワ文庫) 2016/アメリカ/116 分/PG-12 /ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ
(C)Universal Pictures