映画監督ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)は『Hole-洞 洞』『河』『西瓜 』などの作品で世界の三大映画祭を制覇し、第70回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞した『郊遊 ピクニック』 を最後に商業映画からは引退を表明していた。
そして監督は、初のVR(仮想現実)技術を用いて製作した作品『家在蘭若寺』をイタリアで開催中のヴェネツィア国際映画祭で発表していたことがわかった。
今作はスマートフォンなどの台湾の大企業HTCのバックアップのもと製作されたもので、VR作品を対象としたコンペティション部門にノミネートもされており、その受賞に注目が集まっている。
海外メディアによると、ツァイ監督がこの映像に取り組んだきっかけは、同映画祭のディレクターを務めていたマルコ・ミュラー氏の声掛けがあったからだという。
最初は、話を聞いて興味を持ったものの、関わってみると頭を悩ませることが多く、また、VRの画質は画面が超現実的で、自身が思い描く美しさの表現できなかったとも語っている。
しかし、その後技術的な問題も解決し、発表された作品は当初予定されていた20分程度の作品ではなく、55分の作品となっている。
ツァイ・ミンリャン監督がその独特な世界観を最終的な作品ではどのように仕上げ、表現されているのかーすでに海外の評論家からは絶賛の批評なども出ていますが--
ヴェネツィア国際映画祭VRコンペティション部門は今年新設され受賞作品は9日に発表される。