海外サイト「Taste of Cinema」で2010年以降の日本映画のランキングが発表されていました。
「The 25 Best Japanese Movies of The 2010s (So Far)」とのタイトルでアジアを中心とする映画の批評をするPanos Kotzathanasisさんによって、2010年代の日本映画からベスト25を選んでいます。
今回、一人で選んでいますので個人の趣向が色濃く見られますが、それにしても海外からの視点でこの6年間の日本映画から選んでいますから、ちょっと面白く気になるランキングです。一本一本に細かい批評も書いてあります。全編英語ですが興味のある方は読まれると良いと思います。
また、「Taste of Cinema」のランキングで面白いのはこのような記事の後に色々な海外の映画”通”がアレヤコレヤと意見しているところにもあります。
8月18日に掲載された記事ですが、すでに何人もの方からの書き込みがあり、岩井俊二は?黒沢清は?などの意見が上がり、中にはこのリストにない自分でのベスト10なども挙げています。
このランキングも参考までに--
このリストにない私のトップ10 (Balthazar Matonyさんの投稿)
1.海街diary 是枝裕和監督(2015年)
2.WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜 矢口 史靖監督 (2014年)
3.あん 河瀬直美監督(2015年)
4. 祖谷物語 -おくのひと- 蔦哲一朗監督(2013年)
サカサマのパテマ 吉浦 康裕監督(2013年)
6.レンタネコ 荻上直子監督(2012年)
7.小さいおうち 山田洋次監督(2014年)
8.もらとりあむタマ子 山下敦弘監督(2013年)
9.川の底からこんにちは 石井裕也監督(2010)
10.アイアムアヒーロー 佐藤 信介監督(2015)
(最下段に載せている掲載のサイトの3ページ目の下に書き込みがあります。)
では、アジア映画全般の批評を専門にしているPanos Kotzathanasisさんの2010年以降の日本映画ベスト25のランキングをご紹介します。
1、『告白』中島哲也 監督 2010年
2、『恋の罪』 園子温 監督 2011年
3、『冷たい熱帯魚』 園子温 監督 2010年
4、『ヒメアノール』 吉田 恵輔 監督 2016年
5、『君の名は。』 新海誠 監督 2016年
6、『奇跡』 是枝裕和 監督 2011年
7、『八日目の蝉』 成島出 監督 2011年
8、『キャタピラー CATERPILLAR』 若松孝二 監督 2010年
9、『百円の恋』 武正晴 監督 2014年
10、『シン・ゴジラ』 2016年
総監督・脚本 庵野秀明、監督・特技監督は樋口真嗣
11、『ディストラクション・ベイビーズ』真利子哲也 監督 2016年
12、『十三人の刺客』 三池崇史 監督 2010年
13、『そして、父になる』是枝裕和 監督 2013年
14、『舟を編む』 石井裕也 監督 2013年
15、『紙の月』 吉田大八 監督 2014年
16、『そこのみにて光輝く』呉美保 監督 2014年
17、『Miss ZOMBIE』 SABU 監督 2013年
18、「アンチ・ポルノ』園子温 監督 2015年
19、『バケモノの子』 細田守 監督 2015年
20、『下衆の愛』 内田英治 監督 2016年
21、『戦場ぬ止み』 三上智恵 監督 2015年
22、『るろうに剣心』シリーズ 大友啓史 監督 2012年から2014年の三作品
23、『寄生獣』 山崎貴 監督 2015年
24、 『悪人』 李相日 監督 2010年
25、『ヘルドライバー』 西村喜廣 監督 2010年
いかがでしたか?
1位に輝いたのが、中島哲也監督の『告白』でしたが、かなり、幅広いジャンルが混ざってのランキングです。
海外ではすでに評価が高く常連の是枝裕和や園子温、三池崇史、SABUなどのベテラン監督に混じって吉田大八、石井裕也、呉美保、李相日、武正晴、真利子哲也、内田英治などのシネフィルでおなじみの監督陣が並んでいます。
純粋エンタメ系では山崎貴、大友啓史の両監督、アニメでは新海誠監督と細田守監督。
ドキュメンタリーでは唯一三上智恵 監督がランキングに入っています。あと 庵野秀明 総監督・特技監督は樋口真嗣による『シン・ゴジラ』と亡くなられた若松孝二監督作品『キャタピラー』。
吉田 恵輔 監督の『ヒメアノール』は、海外での評価が非常に高いらしく海外サイトでは色々なところで見かけますね。
最後の25番目には現在『蠱毒 ミートボールマシン』が公開中のカルトな映画の西村喜廣 監督の作品が名を連ねています。
こういう、ランキングで見ていないけど気になる作品などを見つけてくださいね〜。