ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家にして、夫婦。
ジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダによる
5つの物語がスクリーンに甦る。
特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』
【上映作品】
『ローラ』
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 撮影:ラウル・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン 出演:アヌーク・エーメ
1961年/フランス/モノクロ/88分/シネスコ
原題:Lola ©mathieu demy 2000
その奇跡のようなきらめきから、「ヌーヴェル・ヴァーグの真珠」と讃えられる長編デビュー作。大西洋に面した港町ナント。キャバレーの踊り子ローラは、初恋の男性を待ち続けている…。訪れては去り、出会ってはすれ違う他愛のない日常も、ドゥミの手にかかれば、甘美で切ないおとぎ話へと羽ばたいてゆく。やわらかに降り注ぐ光のもと、街角で生きる人々の恋と青春を、溢れる情緒で謳いあげた永遠の名作。
『天使の入江』〈劇場正式初公開〉
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン 出演:ジャンヌ・モロー
1963年/フランス/モノクロ/85分/ビスタ
原題:La Baie des anges ©cinē tamaris 1994
パリの銀行。退屈な日常。ハンサムな青年。南仏のリゾート。放蕩。いわくありげなブロンドの美女…。 ニースの美しい保養地、通称“天使の入江”のカジノを舞台に、ギャンブルに魅せられた男女の、エレガントでデカダンな夏の逃避行を描く愛のドラマ。二人を繋ぎとめるのは、ルーレット任せの偶然?それとも、愛?ヌーヴェル・ヴァーグのミューズ、ジャンヌ・モローの「ファム・ファタール」ぶりは必見。
『ジャック・ドゥミの少年期』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ
出演:ジャック・ドゥミ
1991年/フランス/カラー&モノクロ/120分/ビスタ
原題:Jacquot de Nantes ©ciné tamaris 1990
「わたしは残しておきたい。輝くばかりのジャックの少年期と夢見るようなあのまなざしを。」“ジャコ”は友人から映写機を借りたことで、映画に夢中になっていく。ある日、街の映画館に「白雪姫」がやってきた。少年の日の夢だけを信じて貫いたひとりの男が、死を目前にして目の前にいる…。生涯の伴侶であるドゥミの創造の源泉を、最愛の妻ヴァルダがフィルムに焼き付けた優しく切ない名作。
『5時から7時までのクレオ』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 撮影:ジャン・ラビエ
音楽:ミシェル・ルグラン 出演:コリーヌ・マルシャン 1961年/フランス=イタリア/モノクロ/90分
原題:Cleo de 5 a 7 ©agnes varda et enfants 1994
もしかして私、ガン?今は5時。医者を会うまでの2時間どうしよう。占い師も恋人も作曲家も、みんな無神経で誰も私のことをわかってくれない…。診断結果が分かる7時までの間、不安と希望を行き来しながら、夏至のパリを彷徨うポップ・シンガー、クレオの心象風景を、リアルタイムで追いかけた、キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔。M・ルグラン、ゴダール、A・カリーナがカメオ出演。
『幸福 〜しあわせ〜』
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ 出演:ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー 1964年/フランス/カラー/80分
原題:Le Bonheur ©agnes varda et enfants 1994
「男ってなんてバカなの」「女は、何考えているのかさっぱりわからない」そんな類のテーゼを根本から吹き飛ばす衝撃的な人間ドラマ。圧倒的なストーリーテリングと緩急自在の語り口で、一組の夫婦の皮肉な物語を無邪気にみつめる。人は誰しも幸福を求める生き物、でも、しあわせって一体なに?珠玉の短編小説のような深い余韻を残すヴァルダの代表作。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。
特別上映 『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』
miu miu presents ショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」より、
アニエス・ヴァルダの短編最新作を上映。※『幸福 ~しあわせ~』との同時上映になります。