ケン・ラッセル
(Henry Kenneth Alfred Russell, 1927年7月3日 - 2011年11月27日)
イギリス出身の映画監督
尊敬される名監督なのだが、B級的なセンスを持ち合わせいた不思議な存在で、鬼才と言われ続け、自由奔放に作品を作り続けた。
1969年の『恋する女たち』でアカデミー監督賞にノミネート。
また1971年の『ボーイフレンド』では1960年代のスウィンギング・ロンドンにおける「顔」と見なされ世界のファッションアイコンだったツィッギーを映画に出演させて話題となる。
1974年の『マーラー』に代表される実在の人物の伝記映画を多く作り上げる(チャイコフスキー、エルガー、フランツ・リスト、ルドルフ・ヴァレンティノ、ワーズワース、ユリ・ゲラーなど)。
また、クラッシックの音楽の素養が深く作曲家などを主人公にした映画が多いとともに、ザ・フーの『トミー』を映画化したことなどでもわかるように、ロックシーンとのつながりも深く、幾つかの映画にはロックミュージシャンを出演させたり、起用している。
その他、ミュージカル的な要素が強い作品、カルト色の強い題材などを取り上げている。
そのほか『デビルズ』(1971年)、『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(1979年)などの作品で知られる。
2004年 イスタンブール国際映画祭で生涯功労賞を授与
主な監督作品
フレンチ・ドレッシング French Dressing (1964年)
10億ドルの頭脳 Billion Dollar Brain (1967年)
恋する女たち Women in Love (1969年)
アカデミー賞監督賞ノミネート
恋人たちの曲/悲愴 The Music Lovers (1970年)
ボーイフレンド The Boy Friend (1971年)
ナショナル・ボード・オブ・レビューで「肉体の悪魔」と合わせ監督賞を受賞
肉体の悪魔 The Devils (1971年)
ベニス国際映画祭参加
ナショナル・ボード・オブ・レビューで監督賞
狂えるメサイア Savage Messiah (1972年)
マーラー Mahler (1974年)
カンヌ国際映画祭コンペティション参加
トミー Tommy (1975年)
アン・マーグレットがゴールデン・グローブ賞ミュージカル/コメディ部門最優秀主演女優賞を受賞
『トミー』の中でジャック・ニコルソンが登場するシーン
リストマニア Lisztomania (1976年)
ヴァレンティノ Valentino (1977年)
アルタード・ステーツ/未知への挑戦 Altered States (1979年)
クライム・オブ・パッション Crimes of Passion (1984年)
キャスリーン・ターナーがロサンゼルス映画批評家協会賞女優賞
アンソニー・パーキンスが怪演。音楽はリック・ウェイクマン。
ゴシック Gothic (1986年)
サロメ Salome's Last Dance (1987年)
アリア Aria (1987年)
10人の監督がそれぞれ1つずつ、短篇映画に演出する、という企画の映画。
下記は、ケン・ラッセルが担当したもの。
ジャコモ・プッチーニの歌劇《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」をテーマにしている。
この企画は、他にニコラス・ローグ、ジャン=リュック・ゴダール、ロバート・アルトマン、デレク・ジャーマンなども参加している。
白蛇伝説 The Lair of the white worm (1988年)
ローマ国際ファンタスティック映画祭最優秀特撮賞
レインボウ The Rainbow (1989年)
ボンデージ Whore (1991年)
逆転無罪 Prisoner of Honor (1991年)
チャタレイ夫人の恋人 Lady Chatterley (1993年 TVミニシリーズ版/1995年 映画編集版)
番外編
貴重な初期。1956年にケン・ラッセルが撮った短編がみつかりました。