5月21日(日)まで東京国立近代美術館にて「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」が開催されています。
「私が生きている間に二度とこれほどの規模の展覧会は開催できない。」
と、 十五代 樂吉左衞門に言わしめる必見の展示です。
本展示では、千利休が愛した初代長次郎の黒樂茶碗「大黒」をはじめ、歴代の重要文化財のほとんどを一挙公開しています。「わび」茶の思想を強く反映した造形世界を楽しむことができます。
茶碗の中の宇宙とは、全ての装飾や美しい形を捨て、手捏ねによる成形でさらに土を削ぎ落としながら造形を完成させていった茶碗を用い、その茶碗によって引き起こされる無限の世界、正しく宇宙のように果てしなく広い有機的空間のことと捉えています。
本展は、ロサンゼルス・カウンティ美術館、サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館、
モスクワ・プーシキン美術館で開催され約19万人を動員しました。
好評を博した展覧会が、さらに充実度を増し、京都と東京の国立近代美術館に凱旋してきたものです。
「一子相伝」とは、世襲とは異なります。
技芸や学問などの秘伝や奥義を、自分の子の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないことであり、一子は、文字通り実子でなくても代を継ぐ一人の子であり、相伝とは代々伝えることです。
長次郎からはじまり15代を数える各々の代では、当代が「現代」という中で試行錯誤し創作が続いています。3代はモダンになり、本展では、現代からの視点で初代長次郎はじめ歴代の「今―現代」を見ることにより一子相伝の中の現代性を考察するものです。正しく伝統や伝承ではない不連続の連続によって生み出された樂焼の芸術をご覧いただけます。
展示の終わりでは次代、16代の作品も観られます。
樂家の芸術の伝え方は、伝統を考える上でも重要な示唆を与えるものです。
是非この機会に、宇宙と呼ぶべき無限の世界を堪能しましょう。
開催概要
会期: 2017年3月14日(火)-5月21日(日)
会場: 東京国立近代美術館
The National Museum of Modern Art, Tokyo
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
休館日: 月曜日
開館時間:午前10時-午後5時(金曜日は午後8時まで)
入館は閉館の30分前まで
入館料: 一般1,400円(1,200円) 大学生1,000円(800円) 高校生500円(300円)
※中学生以下無料
※( )内は、20人以上の団体料金。
※本展の観覧料で入館当日に限り所蔵作品展MOMATコレクションもご覧いただけます。
主催: 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション、
日本経済新聞社
協賛: 日本写真印刷
特別協力:樂美術館、国際交流基金
協力: あいおいニッセイ同和損保
お問合せ:TEL.03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00-22:00)
東京国立博物館 × 東京国立近代美術館 コラボ企画
無料シャトルバス運行!
4/11(火)~5/21(日)の開館中、東京国立近代美術館と特別展「茶の湯」が開催される東京国立博物館の間を無料シャトルバスが運行します。(乗車には展覧会チケットの提示が必要)
所要時間:約30分。交通状況によっては遅れることがございます。
定員:50名
※乗車には『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』、特別展『茶の湯』いずれかの展覧会チケットの半券が必要です。