ニューヨーク・マンハッタンの映画館で、5月15日まで、坂本龍一の8年ぶりのアルバム「Async」のリリースを記念して、8本の映画を坂本龍一レトロスペクティブとして開催されています。
坂本龍一は、この新しいアルバム「Async」を「存在しないアンドレイ・タルコフスキーの映画のサウンドトラック」をイメージしたという中で今回の企画が生まれという。
過去の坂本龍一の関わった映画から大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』『御法度』ベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー 』『シェルタリング・スカイ』ブライアン・デ・パルマ監督『ファム・ファタール』ペドロ・アルモドバル監督『ハイヒール』フォルカー・シュレンドルフ監督『侍女の物語(The Handmaid’s Tale)』ジョン・メイバリー監督『愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』の8本が選ばれて上映されています。
日本の音楽家が、ニューヨークで映画のレトロスペクティブとして選ばれることはたぶん初めてではないでしょうか?実績としては当然ですが、やはり快挙ですね!
「Async」は現在下記のサイトで、映像と併せて公開中!
async : Ryuichi Sakamoto
Official site for composer and musician Ryuichi Sakamoto
www.sitesakamoto.comQuad Cinemaとはー
このマンハッタンのQuad Cinema(クアッドシネマ)は、1972年から2014年まで映画館として長年NYを代表するインディペンデントの映画館として営業していましたが、2014年に幕を閉じ、NYの不動産王の一人チャールズ・コーエンに売却され、装いも新たに4月14日にリオープンしました。
オーナーである不動産デベロッパーのチャールズ・コーエンは、今までも彼の資産を使い、特にインディペンデントの映画に対して情熱を傾けてきました。
2008年にコートニー・ハント監督の『フローズン・リバー』を制作、今作はサンダンス映画祭で審査員大賞を取り、アカデミー賞でノミネート。
以来、5つの外国映画を配給し、その中には2017年にアカデミー賞外国語映画部門で受賞したイランのアスガー ・ファルハディ監督による『セールスマン』なども含まれています。
そして、現在彼は、マンハッタンのオフィスビルを中心に70以上の買収や融資を行い、所有し運営しています。また、ハイエンドのユーザー向けの家具ショールームを持つ、いくつかのデザインセンターも所有しているといいます。
すでに、ニューヨークで話題になっているこの実際の映画館のデザインを見ると、入り口はそれこそクラブのようなエントランスですが、映画館の中は赤や青で色分け統一され、モダンに。そして併設しているワインバーはちょっとカジュアルな要素を入れつつレトロでラフな要素を併せ持つスタイルを取り入れています。
また、映画のプログラミングに関しては、IFCセンターとリンカーンセンターというやはり由緒あるところの的確なプロフェッショナルなディレクターを招き入れており、女性監督リナ・ウェルトミューラーを回顧する上映から幕を開けました。
それ以降もライナー・ヴェルナー・ファスビンダーやアンディ・ウォーホルなどのやはり、アート色の強い映画を並べており、その企画の中からちょうど坂本龍一のアルバム発売に合わせて、このようなレトロスペクティヴが開催されたようです。
センスのいい、ラインナップがこれからも並びそうで、気になりますね。
日本にもこんな映画館作りたいので、本気でスポンサーになられる方は是非シネフィルにご連絡を待っていますー。