4月27日(木) 、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品が決定しました、河瀨直美監督作品『光』完成披露試写会が新宿明治安田生命ホールで行われ、主演 永瀬正敏、ヒロイン水崎綾女、神野三鈴、藤竜也、河瀨直美監督が舞台挨拶に登壇しました。

完成披露を楽しみにしていた満席の会場の中、第70回カンヌ国際映画祭のラインナップ発表 最高賞(パルムドール)を競い合うコンペティション部門に選出された本作をお祝いして 、ステージ場にレッドカーペットが敷かれ、カンヌ国際映画祭の雰囲気を本番よりも先に感じていただきました。また、本編内で登場する「映画の音声ガイド」にちなみ、特報編音声ガイドを付けた特別バー ジョンの映像がお披露目されました。

画像: 河瀬直美監督が電話で号泣!永瀬正敏は失踪!演技では藤竜也は現役感のあるラブシーン--いろいろあってカンヌへ旅立つ映画『光』完成披露試写会レポート

【完成披露試写会概要】
■日時:4 月 27 日(木) 18:30~19:00 (上映前)
■会場:新宿明治安田生命ホール
(新宿区西新宿 1-9-1 明治安田生命新宿ビル B1F ) (全 342 席)
■登壇者(敬称略):
永瀬正敏(50)、水崎綾女(28)、神野三鈴(51)、藤竜也(75)、河瀨直美監督( 47)
*敬称略

本作は視力を失いゆくカメラマン・雅哉(まさや) 、単調な日々を送っていた美佐子(みさこ)が、ある仕事をきっかけに出会い、最初は反発するものの 次第に惹かれ合うという、河瀨(かわせ)監督が挑む珠玉のラブストーリー。

雅哉がやがて見えなくなる事を知りながらも、互いに心を見つめようとする、切なくも希望を感じさせてくれる物語です。
来月、5月17日から始まる第70回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門に選出された本作。
当日 カンヌへ旅立つメンバーが集結しました。

画像1: 【完成披露試写会概要】 ■日時:4 月 27 日(木) 18:30~19:00 (上映前) ■会場:新宿明治安田生命ホール (新宿区西新宿 1-9-1 明治安田生命新宿ビル B1F ) (全 342 席) ■登壇者(敬称略): 永瀬正敏(50)、水崎綾女(28)、神野三鈴(51)、藤竜也(75)、河瀨直美監督( 47) *敬称略

主人公・弱視 カメラマン・雅哉( かもりまさや)役 永瀬正敏( ながせまさとし)、一言挨拶

永瀬:やっと誕生します。みなさん 観て頂いて 、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

ヒロイン・尾崎美佐子(おざきみさこ)役 水崎綾女(みさきあやめ)、一言挨拶

水崎:すごく緊張しています。(感情高ぶりしばらく無言)・・・。監督が魂をこめて 、みなさん魂をこめて作った作品なので 、出来上がった時にものすごくほっしました。今日観てもらえることがすごく嬉しいです。楽しんでいって下さい。

美佐子 上司・佐野智子(さのともこ)役 神野三鈴(かんのみすず)、一言挨拶

神野;今日こうやって 、みなさんとご一緒にこの『光』の感動の場に立ち会えることを本当に嬉しく思っています。ゆっくりとご覧になってください。

劇中映画 主人公であり、その映画の監督でもある北林(きたばやし)役 藤竜也(ふじたつや)、一言挨拶

藤:今年もまた生きながらえて 、出演作の1本が増えることとなりました。本当に有難いです。何と言ってもね、印象深い作品になりまして 、確か「花盗人(はなぬすびと )」っ言葉がありますよね 。河瀬直美さんは「魂の盗人」なんです。シーンが始まる前 、一言とか、二言、俳優に声をかける。たちまち、根こそぎ、体ごとさらわれ 、直美さんの世界に放りこまれるんです 。もうそれ 、心地よいのと同時に 、少し恐怖を感じたりしてね 。ややこしいのは終わっても、なかなか抜け出せないからどうしようかってね 。(永瀬さんをみて )同じですよね ?本当に幸せな経験をさせて頂いてありが うございました。

河瀨直美(かわせ なおみ)監督、一言挨拶

監督:難産でした。ここまでくるのに 、くじけそうになったことが沢山あったんですけど 。映画に魂を捧げた私としては、この映画がこの世に誕生した時の喜びは計り知れません。初号試写を終えた後、立ち上がれずにその場で感謝しました。『光』をみなさんに届けられることが出来て今日は幸せ です。

今日登壇されいる皆さん 、全員、カンヌに向かうことが決まっいます。監督、出品の連絡を聞いた時 、どのようなお気持ちでしたか?

監督:フランスが深夜になるかならないかの時間に 、フランス側のプロデューサーから電話がありまして、日本の明け方でした。その一報を聞いた瞬間 、自宅のリビングに太陽が昇ってきて 、光が差しました。その光景をみて 、『光』というものが世界を巡るんだなっていう感覚になって、号泣しました。そういうことは 、今までなかったんですけど 。カンヌが当たり前だっていう風に思われるよう な立場、そういう状況がこれまで映画人生の中であっても、カンヌという場所はそんなに簡単な場所ではなく、あのレッドカーペットを踏みしめられる人たちは一握りで、そこに 、今年栄えある70回で『光』がたてる、そして 、みんなと一緒にその時間を分かち合えるということを想像すると 、涙が止まりませんした。

永瀬さん、日本人俳優として初めて、出演作が 3 年連続招待を受けていますが、今のお気持ちを教えください。

永瀬:いや・・・・。本当にもう、監督に連れて行って頂けると思っていますし、感謝感謝で、感謝 です。監督が決まったっていう、朝にお電話をいただいたんですね 。

監督:朝6時だったのに 、ワンコールでとりました(笑)

永瀬;監督はその時にずっと号泣されていて 、僕は「ありがとうございます。おめでとうございます。」「ありがとうございます。おめでとうございます。」しか言えなかったんですけど 、切り終わった時、僕も号泣しました。監督の想いが伝わって 。それだけ大変なことだと思います。カンヌに選んで頂けるってことは。

藤さん 、本作『光』で久しぶりにラブシーンを演じていますが、藤さんのラブシーンと言えば 、代表作ともいえる『愛のコリーダ』ですね 。この映画 、最もフランスでの上映回数が多い日本映画と言われています。藤さんにとって、カンヌは思い入れの強い映画祭なのではないでしょうか?

藤;行こうたってね、勝手に行ける場所じゃありませんからね。映画を選んでいただかない限り。もう、3度行かせてもらってるんですが、もうそういうことはないだろうと確信してましたが、外れましたね。本当に嬉しいです 。長生きするもんです(笑)

監督;フランスのプレスからの質問でも、藤竜也さんを起用された理由は? とか、すごい聞かれるんですが、そういう意味では藤竜也さんがフランス人のみなさんに刻まれいる存在であるってことだなと思いますし。現場中のラブシーンが、「愛のコリーダ」 に劣らない・・・、「現役感」が・・・。(笑)
神野:夢のような時間でございました・・(笑)。

画像2: 【完成披露試写会概要】 ■日時:4 月 27 日(木) 18:30~19:00 (上映前) ■会場:新宿明治安田生命ホール (新宿区西新宿 1-9-1 明治安田生命新宿ビル B1F ) (全 342 席) ■登壇者(敬称略): 永瀬正敏(50)、水崎綾女(28)、神野三鈴(51)、藤竜也(75)、河瀨直美監督( 47) *敬称略

観客、アイマスクをつけ 「音声ガイド」を体験

音声ガイドという馴染のないものをテーマにするに当たり、迷うことも多く、実際に制作に携わっ いる方々にも協力していただいたのではないかと思っています。そんな撮影の最中に印象に残った出来事はありますか?

監督:映画 、やっぱり「見える人」 いうのも変ですけど 、「見えなくなってしまった人」に無縁のものなんじゃないかというような イメージがきっとあると思うんですけど 、そこを、映画を「観る」 いうことを出来る世界。そういうものをやってる人がいるんだってことを知った時 、もしかしたら私たちは 、この平面のスクリーンを観ているけれども、感じていないことがあるかもしれない。 でも、見えていなくても感じていることがあるかもしれない、というような。
見えている人たちも、見えていない人たちも、そういうわけ方ではないつながりとして、この映画が存在できるんではないかと思いました。

そうして 、出来上がった『光』ですが、完成した映画を観て、永瀬さんは思わず感情が高ぶってしまったと聞いております。その時の気持ちを教えていただけますか?

永瀬:言葉に出来なくって 。まず監督に感謝の握手をさせて頂いて 。その後 、ちょっと一人になりたくて 、会場から一人でとっとと出てしまって。色んなことを噛みしめる時間が、自分の中で消化する時間がちょっと必要で 。それだけ全てを置いてきた感がありまして。「雅哉」として生きた日々っていうのを、客観的に「永瀬」で観るわけですけど 、ある意味すぐ「雅哉」 もどってしまう。誤解しないでくださいね、自分 「遺作」を観たような気分になってしまって 。

監督:みんなで捜索したんです。本当にいなくなったんです(会場笑)。マネジャーも探して探して、い なくなっちゃって

永瀬:すみませんでした・・・。会場の近くの駐車場にいたんですけど 。白川和子お母さんにだけばれて、抱きしめてもらいました。

胸が熱くなったと言えば ・・芸能界で父と慕う藤竜也さんとの共演ではないでしょうか。藤さん、永瀬さんが初出演した映画『ションベンライダー』で共演をされたそうですがその頃から、34 年経ち、永瀬さん 共演はいかがでしたか。 父から息子へエールを頂ければと思います。

永瀬: (小さな声で )まじか・・

藤:まじかー! とにかく永瀬さんはいい監督に恵まれているよね 。相米慎二さん。河瀨直美さんはどっちかっていうと 、魔術師風?相米さんもそうですよね 。確か永瀬さんが、16の時?学校の夏休みを利用して撮影したんですよ 。それから・・・この永瀬さんですよ。育つもんですよ(笑)。 素晴らしい俳優にみんななりたいんだけど、どういうわけか何人かしかなれないんですよ。きっと一生懸命努力したんだと思います。 おめでとう!!!
(藤からのサプライズエールを受けて )永瀬: 言葉にならず、一例

最後 、主演 永瀬正敏から一言

永瀬:全てを、監督の描かれた『光』という映画の中に置いてきました。映画は一人でも多くの皆さんに観てもらってはじめて映画は完成すると思うので、ぜひみなさん、SNS 、電話とか、電報とか、そういうことでみなさんに広めて頂いて (笑)
最初の挨拶で、34年前、同じように藤さんとここに立たせて頂いて、またご一緒出来ているという幸せと、その場を作って頂いた同じ監督に感謝しているという言葉がでてこなくて。色んな原点に立ちかえらせて頂いた作品です。でも、楽しんで頂ければと思います。

河瀨直美監督から一言

監督:映画監督、河瀨直美の全てを注ぎました。世界で一番素晴らしい映画です。 どうぞ観てください。

舞台挨拶の終わりには 、観客から登壇者に向け 「カンヌいってらっしゃーい!」とエールが。
登壇者全員が、カンヌ決定に涙をこらえる舞台挨拶となりました。

画像: 河瀬直美監督カンヌ国際映画祭出品『光』予告 youtu.be

河瀬直美監督カンヌ国際映画祭出品『光』予告

youtu.be

STORY:
視力を失いゆくカメラマンと出逢い、美佐子の中の何かが変わりはじめる―
人生に迷いながら、単調な日々を送っていた美佐子 (水崎綾女)は、とある仕事をきっかけに、弱視の天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)と出逢う。
美佐子は雅哉の無愛想な態度に苛だちながらも、彼が撮影した夕日の写真に心を突き動かされ、いつかこの場所に連れて行って欲しいと願うようになる。命よりも大事なカメラを前にしながら、次第に視力を奪われてゆく雅哉。彼と過ごすうちに、美佐 子の中の何かが変わり始めるーー。

『光』

監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏 水崎綾女 神野三鈴 小市慢太郎 早織 大塚千弘/大西信満 堀内正美 白川和子/藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
宣伝協力:フリーストーン
©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
2017 年 / 日本・フランス・ドイツ合作 / 102 分 / カラー

5 月 27 日(土)、新宿バルト 9、丸の内 TOEI ほか全国公開!

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