常に日本映画界を代表する女優として歩み続けてきた吉永小百合。この度、弊社では吉永小百合の120 本目の出演作となる映画『北の桜守』を製作することとなりました。
本作は、同じく吉永が主演を務め、北海道を舞台にそこで生きる人々を描いた映画『北の零年』(05 年)、映画 『北のカナリアたち』(12 年)に続く、“北の三部作”の最終章でもあります。

今回、吉永小百合が演じるのは“江蓮てつ”。樺太で家族と暮らしていましたが、ソ連の侵攻により、土地を追われ、北海道の網走へと辿りつきます。凍えるような寒さと食べるものがない程の貧しい生活の中で、息子・修二郎を命がけで守り抜きます。修二郎を育てた後も、一人、夫を待ち続けながら、網走でひっそりと暮らしています。
一方、吉永演じるてつの息子で、大人になった修二郎を演じるのは、堺雅人。舞台だけでなく、映画やドラマでも活躍し、その確かな演技力で様々なキャラクターを演じ、観る者をひきつける名優が、吉永と実写で初共演。親子役に挑みます。ビジネスで成功した修二郎は、15 年ぶりに網走を訪れます。そこで、再会したのは、一人、慎ましい生活を送る 年老いた母でした。その姿を見て、修二郎は札幌で一緒に暮らす決意を固めるのでした。
本作のメガホンを取るのは、『おくりびと』(08 年)で日本アカデミー賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞し、さらに米国アカデミー賞で日本初の外国語映画賞を受賞した名匠・滝田洋二郎監督。
数々の作品で魅せたその手腕で、戦中、 戦後の北海道の厳しい環境の中、懸命に生きた母と子の、約30年にも渡る姿を丁寧に切り取っていきます。

日本映画界を代表するキャスト、スタッフで紡ぐ映画『北の桜守』。撮影は 2017 年 2 月16日にクランクインし、厳しい冬の網走市でのロケを敢行。そして、春にかけて、都内近郊のロケ、セットでの撮影を行い、その後、稚内市を中心とした北海道縦断でのロケーションを桜の咲く美しい春、そして夏に敢行する予定です。また、公開は北海道が命名されて 150 年となる 2018 年の春を予定しております。北の大地を舞台に、母と息子、二人の物語が動き出します。

過去の”北”のシリーズ作 紹介

『北の零年』

公開日:2005年1月15日
監督:行定 勲
脚本:那須真知子
出演:吉永小百合、豊川悦司、石田ゆり子、石原さとみ、阿部サダヲ、平田 満、石橋蓮司、香川照之、渡辺 謙

画像1: ©2005『北の零年』製作委員会

 ©2005『北の零年』製作委員会

物語:日本が大きく変わった明治維新。幕藩体制は終わりを告げ、四国淡路島に暮らしていた稲田家主従は明治政府から北海道への移住を命じられる。明治4年、半月に及ぶ船旅の末、第一次移民団546名は北海道・静内に辿り着いた。移民団の一人・小松原志乃は、先遣隊としてすでに開墾に従事していた夫の英明と再会する。英明を中心に、この地に新たな自分たちの国を作るために開墾に励む稲田家の人々。しかし、過酷な自然は咲くものの成長を妨げ、第二次移民団を載せた船が難破するという事故も発生。皆の失いかけた希望を取り戻そうと、最新の農業技術を学ぶために英明は札幌へと旅立つ。夫の帰りをひたすら待つ志乃と娘・多恵の願いも虚しく、英明はその後消息を絶ってしまう。そして5年後、苦難の末に馬の牧場経営に成功し、多恵と平和な日々を送っていた志乃の前に、英明がある使命を持って現れる。そこには、更なる波乱のドラマが待っている……。

画像2: ©2005『北の零年』製作委員会

 ©2005『北の零年』製作委員会

『北のカナリアたち』

画像1: ©2012『北のカナリアたち』製作委員会

©2012『北のカナリアたち』製作委員会

公開日:2012年11月3日
監督:阪本順治
原案:湊 かなえ 『往復書簡』(幻冬舎刊)
脚本:那須真知子
出演:吉永小百合、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、
森山未來、満島ひかり、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平

物語:小学校の教師・川島はる。彼女が赴任したのは北海道の離島にある生徒6人の小さな分校だった。
先生が来るまで学校がつまらなかったとこぼしていた生徒たち。彼らの歌の才能に気づいたはるは、合唱を通してその心を明るく照らしていく。生徒たちにも笑顔が溢れ、その歌声は島の人々も優しく包み込んでいった。そんなある日、悲しい事故が一同を襲う。生徒たちは心に深い傷を負い、はるは追われるように島を出ることになる。しかし、島を離れた後も心に残るのは生徒たちのことだっ20年後、東京で暮らすはるに生徒の一人が起こした事件の知らせが届く。「なぜ、あの子が……」真相を知るため生徒たちとの再会を決意し、北へ向かう。久しぶりに再会した生徒たちは、20年前言葉にできなかった想いをはるに打ち明ける。それぞれが抱えていた後悔が大きな傷となり、今も心に残っていることを知ったはる。そして自身もまた、伝えることができずにいた想いを生徒たちに明かすのだった。
明らかになる真実が止まっていた時間を氷解し、物語は感動のクライマックスへ動き出す。

画像2: ©2012『北のカナリアたち』製作委員会

©2012『北のカナリアたち』製作委員会

新作に寄せたコメント

≪吉永小百合≫

画像: ≪吉永小百合≫

■本作は吉永さんにとって、120本目の出演作品になります。その撮影がいよいよ始まりますが、意気込みをお聞かせください。

夢のようです。「北の三部作」シリーズのフィナーレを北海道で撮影できるなんて。
しっかり力を出し切り、魅力的な作品をつくりたいです。

■本作は『北の零年』(05年)、『北のカナリアたち』(12年)に続く、“北の三部作”の最終章となります。今回も極寒の冬、そして美しい春・夏の北海道でのロケーションも予定されていますが、撮影に臨まれるお気持ちはいかがですか?

冬はかなり厳しいロケになるでしょう。
踏み堪えて、強い母を演じ、春を待ちます。

■堺雅人さんとは、実写では初共演となります。どのような“母と子”を演じたいですか?

今回、堺さんとは究極の親子になりますが、頼もしい息子に、思いっ切りぶつかって行きたいですね!

■滝田洋二郎監督とは初めてご一緒されますが、どのような印象をお持ちですか?

去年の2月、滝田監督とオホーツク海の流氷を見に行き、作品づくりが始まりました。
翌日私は、雪の坂道で滑って転んで骨折……。監督は、落ち込む私を明るく励まして下さいました。
秋のサハリンへの旅も御一緒して、思いを共有し、いよいよ撮影開始です。

≪堺雅人≫

画像: ≪堺雅人≫

■吉永小百合さんとは、実写では初共演となります。どんな“母と子”を演じたいですか?

前回ご一緒したブッダでは慈母そのものといった
お役だったのですが、今回はより生々しく、より悲しい
母子関係になるのではないかと楽しみにしてます。

■滝田洋二郎監督とは『壬生義士伝』(03年)以来、2度目となります。久しぶりの監督とのお仕事に対して、お気持ちを教えてください。

『壬生義士伝』では好きなようにのびのびと演じさせていただきました。今回は少しでも成長した姿をみせれるようにがんばりたいです。

■本作への意気込みをお聞かせください。

すばらしい皆様とのお仕事に身が引き締まる思いです。

≪滝田洋二郎監督≫

画像: ≪滝田洋二郎監督≫

■吉永小百合さんの120本目の出演作となる本作ですが、本作のメガホンを取られる意気込みをお聞かせください。

映画人として、吉永小百合さんとご一緒できるという特別な喜びと緊張と期待に満ちて、準備を進めています。119作もの映画を背負ってこられた吉永さんのオーラとしっかりと向き 合い、丁寧で大胆・生き生きと直感あふれる現場で、想像を超える素敵な瞬間に立ち会えることを楽しみに、自分らしく、吉永さん120作目に臨みたいと思っております。

■吉永さんとご一緒されるのは初めて、堺雅人さんとは『壬生義士伝』(03年)以来になりますが、このお二人とどのような“母と子”の物語を創り上げていきたいですか

美しい桜・戦争・引き揚げ・流氷・家族・思い出・あの人・・・・・。       
戦後の向かい風の人生を懸命に生き抜き老いてゆく母と、その背中を見ながら成功を手に入れた息子が、かつて、母子で封印した禁断の扉を開く 最後の旅立ちを、吉永さん堺さんでなければならない感動の物語として、現代にも強い共感を覚えてもらえる作品にしたい。


ストーリー

北へ北へ
失われた時間に向かって
二人は歩き続けた            

1945年、南樺太に一輪の桜が咲いた。やっと咲いたその花は、江蓮てつたち家族にとって希望の花のはずだった・・・。その年の8月、ソ連軍の侵攻が起こる。てつは息子二人と共に樺太を脱出。決死の思いで北海道の網走へと辿り着く。そんな満身創痍の親子を待っていたのは想像を絶する過酷な生活だった。意識を失うほどの厳しい寒さと飢餓、その中を親子は懸命に生き抜くのだった。

1971年、成長した次男の修二郎は米国で成功し、日本初のホットドックストアの日本社長として帰国。15年ぶりに網走を訪れた。そこには長男の姿はなく、一人、夫を待ち続けながら慎ましい生活を送る年老いたてつの姿があった・・・。修二郎はてつを札幌へと連れ帰り、面倒をみる決意をする。

息子夫婦と暮らし始めたてつだったが、薪を使い米を炊き、近所から苦情を受けたり、金を払わず八百屋から葱を持ち去ろうとするなど、徐々に不可解な行動が目立つようになる。年老いたてつは、戦禍によるPTSDの後遺症に陥っていた。そして、てつ自身もその変化を自覚していく・・・。 

そんなある日、てつが突然、姿を消す。立派になった修二郎に迷惑をかけたくないと思い、一人、網走に戻ろうとしたのだ。だが、網走の住宅はすでに取り壊されていた。帰る場所を失ったてつ。てつのために一緒に寄り添いたいと思う修二郎。二人は、北海道の大地を巡る過去への道行を始める。その旅は、親子の抱える禁断の記憶の扉を開けてしまうのだった。 

『北の桜守』
公開日:2018年春
監督:滝田洋二郎
脚本:那須真知子
出演:吉永小百合、堺雅人

撮影スケジュール:
2月16日~ 流氷を狙って北海道網走市にてクランクイン
2月下旬   冬季撮影終了
4月下旬~  都内近郊、撮影所での撮影
5月下旬~ 稚内市、せたな町、札幌市など北海道縦断ロケ
6月末    クランクアップ予定

2018年春公開予定

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