̶国際派映画人、杉野希妃による 21 世紀の雪女がここに誕生̶ー

100 年以上前に小泉八雲が著した「怪談」は、日本各地の伝説を怪奇文学に昇華させた作品。
その中の一編「雪女」を、独自の解釈で杉野希妃が映画化したのが本作である。

画像: 杉野希妃 Snow Woman Film Partners

杉野希妃
Snow Woman Film Partners

『マンガ肉と僕』、『欲動』に続く、監督第三作としてかねてから映画化を切望していた杉野が、自ら雪女とユキの二役に挑んだ。
主人公の巳之吉役に、活躍目覚ましい青木崇高、娘のウメに注目の若手山口まゆ。佐野史郎、宮崎美子、山本剛史、松岡広大など演技派、若手が脇を固め、大ベテランの水野久美がひきしめる。
撮影監督は名手上野彰吾、美術は種田陽平門下の田中真紗美、音楽は杉野作品の殆どに携わっている sow jow。

杉野の故郷である広島県の全面協力のもと、映画の街で知られる尾道市を中心に、全編を広島県内、広島弁で撮影された。
第 29 回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、雪と光の映像美、クラシカルな美学、伝統を現代へ と活かそうとする斬新な試みが高い評価を得た。

杉野希妃 Director’s Message

小泉八雲の「雪女」の面妖さが、ここ数年私の心を掴んで離しませんでした。
雪女はなぜ雪景色の向こうに現れ、人間と交わろうとするのか。それは何を象徴しているのか。
雪女と人間のあいだに生まれた子の魂が、私の中にも生きているのではないか。...沢山の疑問が湧き起こりました。
わずか数ページの短編に心理描写などなく、様々な解釈が可能です。不思議なことに、畏怖の対象である雪女に私は温かなまなざしも感じました。 その姿は、自然の化身が人間の魂に寄り添おうとしているかのようにも思えました。
実体のなさにひそむ揺るぎないもの。目に見えないものと共生しているという神秘。
この得体の知れない存在を通して、それらについて現代社会に問いかけたかったのです。

監督/主演:杉野希妃 Kiki Sugino
1984年生まれ、広島県出身。慶應義塾大学経済学部在学中にソウルに留学。2005年、韓国映 画『まぶしい一日』で映画デビューし、続けて『絶対の愛』(06/キム・ギドク監督)に出演。
出演兼プロデュース作は、『歓待』(10/深田晃司監督)、『マジック&ロス』(10/リム・カーワイ監督)、『大阪のうさぎたち』(11/イム・テヒョン監督)、『おだやかな日常』(12/内田伸輝監督)、『ほとりの朔子』(13/深田晃司監督)、『3 泊 4 日、5 時の鐘』(14/三澤拓哉監督)他多数。
11年に東京国際映画祭、13年に台北映画祭で特集が組まれ、14年のロッテルダム国際映画祭 では日本初の審査員に選ばれる。14年、監督第1作『マンガ肉と僕』が東京国際映画祭、エデ ィンバラ国際映画祭、上海国際映画祭等で上映。第2作『欲動』は釜山国際映画祭「Asia Star Awards」の最優秀新人監督賞を受賞。日仏合作『海の底からモナムール』(ロナン・ジル監督)、 ブルガリア映画『ユキとの写真(仮)』(ラチェザー・アブラモフ監督)が公開待機中。

画像: 杉野希妃監督・主演『雪女』予告 youtu.be

杉野希妃監督・主演『雪女』予告

youtu.be

STORY
̶ー恐怖と神秘と、そして雪の結晶のように繊細ではかなく美しい愛の物語̶ー

ある時代、ある山の奥深く、吹雪の夜。
猟師の巳之吉は、山小屋で、雪女が仲間の茂作の命を奪う姿を目撃してしまう。
雪女は「この事を口外したら、お前の命を奪う」と言い残して消え去る。翌年、茂作の一周忌法要の帰り道に、巳之吉は美しい女ユキと出会う。やがて二人は結婚し、娘ウメが生まれる。
14 年後。美しく聡明な少女に成長したウメは、茂作の遠戚にあたる病弱な幹生の良き話し相手だった。しかしある日、茂作の死んだ山小屋で幹生が亡くなってしまう。
幹生の遺体には、茂作と同じような凍傷の跡があった。ユキの血を引く娘のせいだと、巳之吉を激しく問いつめる幹生の祖父。巳之吉の脳裏に 14年前の出来事が蘇り、以前から自分の中にあったユキに対する疑心と葛藤する。自分があの夜の山小屋で見たものは何だったのか、そしてユキは誰なのか...。

CAST
杉野希妃 青木崇高 山口まゆ 佐野史郎 水野久美 宮崎美子 山本剛史 松岡広大 梅野渚

STAFF
エグゼクティブプロデューサー:坂本敏明、田中弘樹、梶浦隆章、小野光輔、門田大地、市村友一
プロデューサー:小野光輔、門田大地
コプロデューサー:福島珠理、山口幸彦
脚本:重田光雄、杉野希妃、富森星元(小泉八雲「怪談」より)
撮影:上野彰吾
ラインプロデューサー:大谷治
美術:田中真紗美
音楽:sow jow
照明:村治英樹
録音:國分玲
助監督:市原大地
記録:夏都愛未
編集:YYH
衣裳:馬場恭子
メイク:望月志穂美
制作担当:新井聡

制作プロダクション:和エンタテインメント、RCC 文化センター
配給:和エンタテインメント
製作:Snow Woman Film Partners
(和エンタテインメント、キングレコード、朝日新聞社、中央教育研究所、田中弘樹、門田大地)

2017年3月4日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマ・ジャック&ベティ
2017年4月1日よりシネ・リーブル梅田、大阪シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、神戸元町映画館 ほか全国順次公開


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