昨年7月にテアトル新宿で緊急レイト上映を皮切りに各地順次公開中の『アルビノの木』(監督:金子雅和が、コルカタ国際文化映画祭(Calcutta International Cult Film Festival)の2016年12月度長編劇映画最優秀作品賞(Best Narrative Feature, Films of December 2016) を受賞が発表された。
自然体系が破壊され、動物がエサを求めて人里に下りてくる 。彼らを私たちは 「害獣」と呼ぶ。
話題の害獣駆除に携わる若者の苦悩を描いた本作は、大きな自然に小っぽけなエゴイズムだけでしか対峙できない現代日本社会の記録でもある。 監督は金子雅和。東京で生まれ育った38歳。
長編2作目となる本作で、自然と人間の関係性に対する疑問を集約させ見事に映像化した。
北京国際映画祭正式上映作品。
コルカタ国際文化映画祭(インド/http://www.hlc-cicff.com/monthly-selection-2/)は、応募作品の中か 毎月部門ごとにベストフィルムを選出し、一年のベスト・オブ・ベストに金狐賞を授与すというユニークなアプローチで注目を集める映画祭。
インド製娯楽映画が主流のインドに海外のアート系作品を紹介しようと、コルカタの映像総合会社HUMAN LAB CORPORATIONがはじめた映画祭。
日本で受賞知った金子雅和監督のコメント
「20才の時、3週間後の帰国だけ決めて訪ねたインド貧乏旅行の最初の地がコルカタでした。
8mmカメラを手に歩き回ったコルカタは、若い心に強烈なインパクトを残し、私の創作の根幹として存在しています。本映画祭での受賞に不思議な縁を感じるとともに、今後の創作にあたっても大きな励みとなるに違いありません。ほんとうに嬉しいです」。
STORY
害獣駆除会社で働くユクの元に、多額の報酬の仕事の依頼が舞い込む。
鉱山として栄えた山間の村で 「白鹿様」と言われる珍しい鹿を秘密裏に撃つこと。
普通の鹿と異なる存在が悪い噂になることを危惧し、過疎化した村を切り捨てようとする町の役人の苦肉の策だった。害のない動物を殺すことに仄かな疑問を抱えつつもユクは村に向かう。山で出会った、故郷に対し複雑な思いを抱いている村の女性ナギ、その婚約者で木食器職人の羊市、かつて害獣を駆除していたという山小屋に独り住いの男、山の集落で静かに暮らす人々。
連なる山々、生い茂る樹々、ときに赤く色を変える川、白い飛沫をあげる滝壺...圧倒的な自然の中に静かに佇む白鹿がいた。病床の母のために、人々が大切に思っている命を奪うこととは...。
CAST
松岡龍平 東加奈子 福地祐介 増田修一朗 尾崎愛 細井学 松蔭浩之 松永麻里 山口智恵
山田キヌヲ 長谷川初範
STAFF
監督/編集/撮影:金子雅和
プロデューサー:金子雅和 金子美由紀
脚本:金子雅和 金子美由紀
撮影助手:東哲哉
照明:白石宏明
録音:間野翼
美術/衣装:金子美由紀
メイク:知野香那子 鈴木啓士朗
助監督:滝野弘仁 登り山智志
監督助手:福田佑一郎
制作:名倉愛 堀内蔵人
整音:黄永昌
特殊効果:高橋昂也 高橋絢
音楽:石橋英子
ロケーションコーディネイト:坂詰史博
協力:長野県須坂市
2016/日本/16:9/HD上映/5.1ch&2.0ch/カラー/86分/©kinone/
製作:kinone
配給:マコトヤ