「ネオン・デーモン」レフン監督ファンミーティングが大熱狂!
カンヌで物議をかもした本作誕生のきっかけは妻へのジェラシー?!
開始前から長い列ができ、130名のファンの熱狂の中
ニコラス・ウィンディング・レフン監督が登場!
一言と促されると「I LOVE MIYAZAKI」と大好きな宮崎駿監督の名前を出し会場を沸かせた。
「初めて来日したのは映画『ドライヴ』のプロモーションの時だったのですが、夜の東京を初めて目にしてから、日本で東京で是非映画を作ってみたいと思っていました。」
「日本に来ると自分が異国に来た異邦人のような気がしてそういうところが好きですし、デザイン面でもディティールを大事にする日本のセンスと自分のフェティッシュな部分がすごく近いんじゃないかと思っています。」と日本への思いを語った。
原作・脚本も手掛ける新作『ネオン・デーモン』が生まれた経緯を聞かれると「3年前、朝起きたら自分は生まれつき美しくは生まれなかったんだと感じました。横に居た妻は美しいのに。そんな彼女にジェラシーを感じ、それからこれがホラー映画のいいネタになりそうだと思いそこから始まったんです。」と思いもよらないきっかけで誕生したことを暴露。
インターネットと並んで世界最高の発明が女性と言い放つ監督、作品ごとの女性の描写が興味深く『ネオン・デーモン』でも美と若さに取りつかれた女性たちが登場する。
中でも主人公ジェシーを演じたエル・ファニングへの思いを問うと「彼女がこの映画に参加した時はジェシーと同じ16歳、撮影中に17歳、ワールドプレミアとなるカンヌ映画祭の2週間前に18歳の誕生日をむかえています。だから彼女が子供から大人の女性になる道のりをこの映画はある意味パラレルに描いているということもあるんです。
女優として本当に素晴らしいと思いますし、(監督とたびたびタッグを組んでいる)ライアン・ゴズリングの女性版だと思っています。エルには、どの男性の中にも16歳の少女が実は住んでいて、この作品は実は僕の中の16歳の少女が扮装した映画なんだよと伝えたら、彼女は「ああそうなんですか」とさらっと言いました(笑)」
「カンヌで上映された時、物議もかもしてそれも彼女と共に経験したのですが、賛否両論が出るということは作品としては正しいものを作ったんだと思いました。」と本作への自信を滲ませた。
日本にきたことがきっかけで生まれたというシーンが緊縛された人間が回転しているシーン。『オンリー・ゴッド』で来日した時に緊縛もののDVDを沢山もらったそう。
そこに誘惑的なものを感じて、美しさやセクシャリティのようなものを物体化する、そして同時にものとしてそれを見ながらもあがめるという側面は『ネオン・デーモン』にも共通するところであるかもしれないとのこと。
「このシーンをとっているときに思い出したのが実は自分の一部は日本人なんじゃないかと思った事があったんです。小さい頃、誰かを縛るのが好きだったので(笑)」と思わぬ監督の過去が発覚。
音楽へのこだわりについては「僕のクリエイティヴなことをするときのインスピレーションの素は音楽なんです。
映画の一部として音楽がある。『ネオン・デーモン』では一番野心的な音楽の使い方をしていると思います。
音楽を担当するクリフ・マルチネスとは『ドライヴ』で出会って『オンリー・ゴッド』そして本作と、互いに信頼しあっているクリエイティヴな面での大事なコラボレーターです。」
タワーレコードでのイベントということもあり、最近おすすめの音楽を問われると、最近はフランスのバンド「La Femme」。彼らの楽曲にはまっているとのこと。さらに、毎日娘たちに無理やり聞かされるのは、宮崎駿監督の映画音楽だそう。
日本の音楽では、坂本龍一が好きだが、実は来日するたびにタワーレコードに来店しているという事実が発覚!残念ながら日本語はわからないのでカヴァー曲を買うことが多いそうだ。
日本映画も以前から好きで「ウルトラマン」や「ゴジラ」が特にお気に入りだが、今活躍する日本の若い監督たちが作る作品にも非常に興味があるとのこと。
そして、公式twitterではこの日の為に監督への質問を募集!
その中で「『ネオン・デーモン』は「悪魔のいけにえ」に影響をうけていると聞いたが監督の好きなホラー映画は?」という質問。
監督は「一杯あるんですが、仄暗い水の底から」も好きだし「イット・フォローズ」も好きです。」と回答。
そして、タワーレコード渋谷店から監督へサプライズでネームバッジ付きのスタッフエプロンを用意。着用してのフォトセッションではファイティングポーズでクールに決めていた。
最後に映画の公開を待ち望んでいる沢山のファンへ向け「人生でこんなに変わった格好(プラダのスーツにエプロン姿)をしているのは初めてですが(笑)本作の公開時には是非ご覧ください。次回日本に来る時にまたお会いしましょう。」とメッセージを送った。
その後行われたサイン会にも長蛇の列ができ、熱狂的なファンがめいめい監督作のグッズを持参しサインと記念撮影をもとめていた。ポスタービジュアルのエル・ファニングのメイクを真似たグリッターメイクの女性ファンも出没するなど熱いイベントとなった。
さらに、この日のイベント前に、原宿を代表するファッションアイコンBABY MARYのSHOP Faline Tokyoをゲリラ訪問したレフン監督。
人気SHOPだけあって、夕方のお店にはオシャレでかわいい若者たちがあふれ、レフン監督も大喜び。マキシワンピにロングブーツでお迎えしたMARYさんと出会ったとたんに意気投合したレフン監督は、MARYさんのハッピーな雰囲気に迎えられシャンパン片手に英語で盛り上がる。テンションの上がった監督は、自らi phoneで店内を撮影しまくり、MARYさんの作りだす世界がすっかり気に入った様子。最後はレフン監督がMARYさんを抱き寄せて熱いハグ!超ごきげんで原宿を後にした監督だった。
東京で刺激をたっぷり受けたレフン監督の次回作やいかに?!まずは『ネオン・デーモン』をお楽しみあれ。
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 『ドライヴ』、『オンリーゴッド』
出演:エル・ファニング、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、アビー・リー and キアヌ・リーヴス
配給:ギャガ