「僕の映画は、最終的には、孤独な一人に届けばいい。そういう想いが背景にあるかもしれない」
市川準
市川準監督の特集上映が目黒シネマで開催される。この企画には犬童一心監督が企画に参加しており、今年で3回目。
第1回目となる2014年、『大阪物語』『トキワ荘の青春』『病院で死ぬということ』、第2回の2015年は、『BU・SU』『あしたの私のつくり方』『東京兄妹』『東京夜曲』『トニー滝谷』『つぐみ』の6作品が上映されてきた。
今年は「昭和」と「男と女」という二つのタイトルで『会社物語 MEMORIES OF YOU』
『ノーライフキング』、『東京マリーゴールド』『竜馬の妻とその夫と愛人』の4本が上映されることとなっている。
1948年東京生まれ。 1975年CM制作会社(株)キャップに入社後、1981年にフリーとなり、1984年市川準事務所を設立する。 CM演出家として「禁煙パイポ」「NTTカエルコール」「金鳥タンスにゴン」「三井のリハウス」「ヤクルトタフマン」「サントリーオールド」など数多くのヒットCMを演出。 1985年にはカンヌ国際広告映画祭で金賞を受賞。 CM界の第一線で活躍を続ける中、1987年に映画監督としての第一作「BU・SU」を発表。 以降、「会社物語」「病院で死ぬということ」「東京夜曲」などを手掛け国内外で高い評価を得る。2005年「トニー滝谷」ではロカルノ国際映画祭審査員特別賞をはじめとする多くの受賞を果たした。 2007年に「あしたの私のつくり方」発表後、自らハンディカメラを回した自主制作映画「buy a suit スーツを買う」の製作に取り組む。2008年9月19日「buy a suit スーツを買う」の編集を終え急逝。 年1作のペースで製作し続けた映画作品は、WOWOWで放映された「春、バーニーズで」(’06)を含め全21作。演出したCM作品は2000本以上に及ぶ。次作映画のクランクインも目前であった。 遺作となった「buy a suit スーツを買う」は第21回東京国際映画祭 日本映画「ある視点部門」で作品賞を受賞。2009年4月より劇場公開された。
11月19日-11月21日
【市川準と昭和】
「会社物語 MEMORIES OF YOU」(1988)
「ノーライフキング」(1989)
11月22日-11月25日
【市川準と男と女】
「東京マリーゴールド」(2001)
「竜馬の妻とその夫と愛人」(2002)
トークイベント
■11月19日(土) 19:10 START
ゲスト:鈴木 聡(『会社物語』脚本)、犬童 一心(映画監督/市川準監督特集企画者)
司会:尾形 敏朗(映画評論家)
■11月22日(火) 19:10 START
ゲスト:富山 省吾(『竜馬の妻と~』製作)、井上 文雄(『竜馬の妻と~』助監督)、犬童 一心(映画監督/市川準監督特集企画者)
司会:尾形 敏朗(映画評論家)
市川準と昭和
『会社物語 MEMORIES OF YOU』
監督
市川準
出演
ハナ肇、西山由美、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、イッセー尾形、四禮正明、すまけい、鈴木理江子、木野花、馬渕晴子、ジャイアント馬場、村松友視、伊東四朗、谷啓、植木等
解説
定年を間近に控えたサラリーマンが、若い頃に情熱を傾けたジャズのコンサートを開こうとする姿を描く。脚本・監督は『BU・SU』の市川準、共同脚本は鈴木聡、撮影は小野進がそれぞれ担当。
『ノーライフキング』
監督
市川準
出演
高山良、原田慎也、山崎康平、大友大輔、峯村康平、市川浩、久米舞、鈴木さえ子、斎藤ネコ、
中村伸郎、イッセー尾形、嶋田久作
解説
呪われたゲームソフト『ライフキングの伝説IV』をめぐって成長してゆく少年の姿を描く。いとうせいこう原作の同名小説の映画化で、脚本は『童貞物語4 ボクもスキーに連れてって』のじんのひろあきが執筆、監督は『会社物語 MEMORIES_OF_YOU』の市川準、撮影は『花物語』の丸池納がそれぞれ担当。
市川準と男と女
『東京マリーゴールド』
監督
市川準
出演
田中麗奈、小澤征悦、樹木希林、斉藤陽一郎、寺尾聰、石田ひかり、小林沙世子、長曽我部蓉子、螢、三輪明日香、辻脩人、康すおん、井川修司、渡辺香奈、ジャック・ウッドヤード、小野麻亜矢、菅原加織、桑名里瑛、鯨エマ、小林健一、井口昇
解説
期間限定の恋愛に揺れる女性の心情を描いた恋愛ドラマ。監督は『ざわざわ下北沢』の市川準。林真理子の原作を基に、市川監督自身が脚色。撮影を『大阪物語』の小林達比古が担当している。主演は『ekiden』の田中麗奈。『ほんだし』発売30周年記念。
『竜馬の妻とその夫と愛人』
監督
市川準
出演
木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介、橋爪功、トータス松本、小林聡美、梅津栄、嶋田久作、鮎川浩、森康子、康すおん、ギリヤーク尼ヶ崎、三谷幸喜
解説
竜馬の死後13年、彼を巡る男女4人が繰り広げる愛の騒動を描いたコメディ。監督は「東京マリーゴールド」の市川準。自身による同名舞台脚本を基に、「みんなのいえ」の三谷幸喜が自ら脚色。撮影を「白い犬とワルツと」の小林達比古が担当している。主演は、「ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影」の木梨憲武と「修羅の群れ」の中井貴一、「釣りバカ日誌13」の鈴木京香、「アナザヘヴン」の江口洋介。第26回日本アカデミー賞優秀主演女優賞(鈴木京香)、優秀脚本賞、優秀美術賞受賞、第15回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞(鈴木京香)受賞作品。