パリを拠点に、映画音楽からエレクトロミュージックまで幅広く世界で活躍し、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーなど世界の名匠たちを魅了してきた音楽家・半野喜弘の監督デビュー作『雨にゆれる女』が11月19日(土)にテアトル新宿にてレイトロードショーとなります。
本作は、濃厚な色彩、優美な旋律、登場人物の息づかい…現代の日本映画には稀な質感の映像で紡ぐサスペンスフルな愛の物語。
14年前のパリで、まだ俳優になる前の青木崇高と半野喜弘が出会い、いつか一緒に作品を作ろうと誓い合った。そして10年後の東京で2人は再会し、『雨にゆれる女』は生まれた。
このたび半野喜弘監督自ら編集した2パターンのスペシャル映像が解禁された。
劇中のカットを散りばめた「Suspence」と「LOVE」と名付けられたそれぞれが、2つの側面から映画の本質に迫る内容になっている。
『Suspense』
「Suspence」の冒頭は男が何かから逃げるような息遣いから始まり太鼓の音が鳴り響く。炎が燃え盛り、波が飛沫き、男の荒々しい目線が絶え間なく動く、絶えることのない緊張の連鎖を表現している。
『LOVE』
「LOVE」は全編に渡って、本作書き下ろしの”A WOMAN WAVERING IN THE RAIN”が流れる。半野監督がこだわったという、光の加減や映像の一コマに写る色彩の配置。そのひとつひとつを丹念に見せながら、男と女が接する姿がどこか儚く描かれている。
この2つのPVを見る限りでも、『雨にゆれる女』が色彩や音楽に富み、物語に深みと豊かさがあることが伺える。同じ映画でありながら、のせる音色により印象は様変わりする。そんな音楽的効果がPVに現れている。
ただ、半野喜弘の魔法はそれだけに留まらない。映画本編に流れる音楽はメロディックなものだけに留まらず、効果としての微細な音にも仕掛けられているーー
『雨にゆれる女』本予告
【ストーリー】
本当の名を隠し〝飯田健次”という別人としてひっそりと暮らす男。人との関わりを拒む彼の過去を知る者は、誰もいない。
ある夜、突然同僚が家にやってきて、無理やり健次に女を預ける。謎の女の登場で、健次の生活が狂いはじめる。
なぜ、女は健次の前に現れたのか。そしてなぜ、健次は別人を演じているのか。お互いに本当の姿を明かさないまま、次第に惹かれ合っていくふたり。
しかし、隠された過去が明らかになるとき、哀しい運命の皮肉がふたりを待ち受けていた―。
監督・脚本・編集・音楽:半野喜弘
出演:青木崇高 大野いと 岡山天音 / 水澤紳吾 伊藤佳範 中野順二 杉田吉平 吉本想一郎 森岡龍 地曵豪 / 十貫寺梅軒
企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給:ビターズ・エンド 2016年/ 日本/ カラー/ 1:1.85/ 5.1ch/83分
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