ケン・ローチ監督のデビュー50周年を記念!初期作の(1960~1980年代)傑作5本上映!

世界第一線のインディペンデント映画作家として活躍するイギリスのケン・ローチ監督。
2016年には最新作『I, Daniel Blake』(原題)がカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを生涯2度目に受賞するなどして、熱い注目を集まっています。

川崎市市民ミュージアムでは、今までにも1994年と1998年にケン・ローチ監督レトロスペクティブを開催し、9作品のフィルムを所蔵しています。
そして、このたび、ケン・ローチ監督のデビュー50周年を記念して、所蔵フィルムより初期(1960~1980年代)の傑作5本をフィルムで上映することが決定いたしました。

※日本では劇場公開されていない作品で、いずれも未ソフト化で、
他館での巡回上映も行ないませんので、当館でしか観られない貴重な上映
となります。

12/3~25《インディペンデント映画特集 Part1 ケン・ローチ初期傑作集》
『キャシー・カム・ホーム』 Cathy Come Home/1966年/80分
『家庭生活』 Family Life/1971年/108分
『ブラック・ジャック』Black Jack/1972年/119分
『狩場の管理人』The Gamekeeper/1979年/84分
『まなざしと微笑み』Looks and Smiles/1981年/104分

キャシー・カム・ホーム Cathy Come Home

1966年/モノクロ/スタンダード/16mm/80分

画像: キャシー・カム・ホーム Cathy Come Home

監督:ケン・ローチ/製作:トニー・ガーネット/脚本:ジェレミー・サンドフォード/撮影:トニー・イーミ/美術:サリー・ハルク/録音:マルコム・キャンベル/編集:トニー・ワッツ/
出演:キャロル・ホワイト、レイ・ブルックス、ウィニフリッド・デニス、ウォリー・パッチ

ケン・ローチは1963年BBCに入社後、「Wednesday Play」シリーズのドラマ演出によって頭角をあらわした。その1本であるこの作品は、高額な家賃が払えずホームレスとなる若い夫婦と幼い子供たちを描き、ケン・ローチの作風の原点といえる。また、名コンビとなるプロデューサーのトニー・ガーネットとのTV時代の仕事としても貴重な作品。

『キャシー・カム・ホーム』上映日時:12/11[日]11:00、12/25[日]14:00

家庭生活 Family Life

1971年/カラー/スタンダード/35mm/108分

画像: 家庭生活 Family Life

監督:ケン・ローチ/製作総指揮:ボビー・ブルーズ/製作:トニー・ガーネット/脚本:デイヴィッド・マーサー/撮影:チャールズ・ステュワート/美術:ウィリアム・マクラウン/編集:ロイ・ワッツ/音楽:マーク・ウィルキンスン/
出演:サンディ・ラトクリフ、グレイス・ケイヴ、ビル・ディーン、ヒラリー・マーティン、マイケル・リダル、マルコム・ティアニー

反抗的な娘・ジャニスが妊娠するが、体面を重んじる両親によって中絶を強いられる。そして、保守的な家庭環境の中で追いつめられたジャニスは、しだいに精神を病んでいく。
両親の無理解と不寛容にもがき苦しむ若い女性の姿を通して、家庭のあり方を問い直した問題作。
ベルリン映画祭にて国際批評家連盟賞を受賞。
◎『家庭生活』上映日時:12/3[土]11:00、12/10[土]14:00、12/25[日]11:00

ブラック・ジャック Black Jack

1972年/カラー/ヨーロピアン・ビスタ/35mm/119分

画像: ブラック・ジャック Black Jack

脚本・監督:ケン・ローチ/製作総指揮:ボビー・ブルーズ/製作:トニー・ガーネット/原作:レオン・ガーフィールド/撮影:クリス・メンジス/美術:マーティン・ジョンスン/編集:ウィリアム・シャプター/音楽:ボブ・ペッグ/
出演:ジャン・フランヴァル、スティーヴン・ハースト、ルイーズ・クーパー、パッキー・バーン、アンドリュー・ベネット

18世紀のヨークシャーを舞台に、フランス人の盗賊ブラック・ジャックと彼に同行する羽目になった少年の冒険を描く。ケン・ローチの初めての時代劇だが、児童向け歴史小説の原作をもとに「今日のテレビにおけるセックスと暴力に対する真っ当な答え」となる作品を意図したという。カンヌ映画祭で上映され、国際批評家連盟賞を受賞。

◎『ブラック・ジャック』上映日時:12/10[土]11:00、12/23[金・祝]14:00

狩場の管理人 The Gamekeeper

1979年/カラー/スタンダード/16mm/84分

画像: 狩場の管理人 The Gamekeeper

監督:ケン・ローチ/製作:アシュリー・ブルース、ジューン・ブレイケル、ジュリー・ストーナー/原作・脚本:バリー・ハインズ/撮影:クリス・メンジス、チャールズ・ステュワート/美術:マーティン・ジョンスン、グレイアム・テュー/録音:アンドリュー・ボールトン、ピーター・ラン/編集:ロジャー・ジェイムズ/
出演:フィル・アスカム、リタ・メイ、アンドリュー・グラッブ、ピーター・スティールズ、マーク・エルウェス

貴族の私用地の管理人となり、狩猟用のキジを飼育する仕事をしている主人公の日常生活を1年間にわたって描く。ヨークシャー地方の美しい四季を背景に英国階級社会の一側面を的確にとらえた叙事詩的作品。ドキュメンタリーとドラマの融合や鳥の描写など『ケス』を想起させる傑作。
カンヌ映画祭で上映され、国際批評家連盟賞を受賞。

◎『狩場の管理人』上映日時:12/11[日]14:00、12/24[土]11:00

まなざしと微笑み Looks and Smiles

1981年/モノクロ/スタンダード/35mm/104分

画像: まなざしと微笑み Looks and Smiles

監督:ケン・ローチ/製作:アーヴィング・テイテルバウム/脚本:バリー・ハインズ/撮影:クリス・メンジス/美術:マーティン・ジョンスン/録音:アンドリュー・ボールトン/編集:スティーヴ・シングルトン/音楽:マーク・ウィルキンスン、リチャード&ザ・タックスメン/
出演:グレアム・グリーン、キャロリン・ニコルスン、トニー・ピッツ、フィル・アスカム、トレイシー・グッドラド

イギリス北部の鉄鋼の町シェフィールドを舞台に失業問題を描いた傑作青春映画。
高校を卒業したミックとアランは就職先が見つからず、盗んだバイクを乗り回して憂さを晴らしている。職業紹介所に行くが仕事はなく、失業手当をもらうため行列に並ぶ日々にボーイ・ミーツ・ガールのドラマが展開される。カンヌ映画祭で現代映画賞を受賞。

◎『まなざしと微笑み』上映日時:12/3[土]14:00、12/23[金・祝]11:00、12/24[土]14:00

■監督プロフィール
ケン・ローチ(Ken Loach, イギリス/映画監督)

1936年6月17日イングランド中部(ウォリックシャー州)にて、電気工の父と仕立屋の母との間に生まれる。高校卒業後に2年間の兵役についた後、オックスフォード大学で法律を学ぶ。卒業後、劇団の演出補佐を経て、63年にBBCテレビの演出訓練生となり、翌年に演出デビュー。67年『夜空に星のあるように』で劇場映画デビュー。2作目『ケス』(69)でカルロヴィヴァリ映画祭グランプリを受賞し、その後のほとんどの作品が世界三大映画祭等で高く評価されている。幅広い視野と独特のユーモアに裏打ちされたヒューマニズムあふれるタッチによって、社会の矛盾に翻弄される市民生活をリアリズムに基づいて描く作品を撮り続けている。長編劇映画監督作品のほとんどが日本で劇場公開されており、『リフ・ラフ』(91)『レイニング・ストーンズ』(93)『大地と自由』(95)『カルラの歌』(96)『ブレッド&ローズ』(2000)『SWEET SIXTEEN』(02)『麦の穂をゆらす風』(06)『この自由な世界で』(07)『エリックを探して』(09)『ルート・アイリッシュ』(10)『天使の分け前』(12)『ジミー、野を駆ける伝説』(14)などに引き続いて、最新作『I, Daniel Blake』(原題)も2017年春に日本で劇場公開される。

■上映スケジュール

インディペンデント映画特集 ―Part1 ケン・ローチ初期傑作集―
12/3[土] 11:00 家庭生活
14:00 まなざしと微笑み
12/10[土] 11:00 ブラック・ジャック
14:00 家庭生活
12/11[日] 11:00 キャシー・カム・ホーム
14:00 狩場の管理人
12/23[金・祝] 11:00 まなざしと微笑み
14:00 ブラック・ジャック
12/24[土] 11:00 狩場の管理人
14:00 まなざしと微笑み
12/25[日] 11:00 家庭生活
14:00 キャシー・カム・ホーム

・各回入れ替え制です・15分前に開場します・開映30分以降のご入場はお断りします

■料金
・当日券のみ(1プログラムにつき)・各回上映1時間前から発売します
一般600円/大学・高校生・65歳以上500円/小中学生・友の会会員400円/未就学児・障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者 無料

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